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» 2011年08月11日 12時14分 UPDATE

GPUクーラーを換装しよう:オーバークロックも静音化も思いのまま――「Twin Frozr II」でギュンギュン冷やすぜ (1/2)

MSI製GPUクーラー「Twin Frozr II」の単体販売モデルをリファレンスカードに装着し、そのOC性能や静音性を確かめる。換装手順からベンチマーク結果まで詳しく解説。

[石川ひさよし,ITmedia]

静音性で人気のGPUクーラー「Twin Frozr II」

og_tfii_001.jpg 2スロットサイズのGPUクーラー、MSI「Twin Frozr II」

 ハイエンドGPUの場合、各社のオリジナルクーラーモデルが登場するのは、GPUの発表から数週間後、場合によっては数カ月先のことになる。最新GPUのパフォーマンスをいち早く試したいときは、リファレンスデザインのカードしか選択肢がないということだ。同時に、静音やメーカー標準OCといった付加価値をあきらめることにもなる。また、発売からしばらくしても、リファレンスデザインカードはオリジナルモデルに比べると安価で、コスト面での魅力が大きい。これを理由に、リファレンスデザインのカードを搭載するショップブランドPCも多い。

 そんなリファレンスデザインカードユーザーの救済策が単体GPUクーラーだ。グラフィックスカードに手を加えることになるためメーカー保証はなくなるが、リファレンスと比べ優れた静音性や冷却性能向上によるOCを狙うことが可能となる。今回紹介するのはそんなGPUクーラーの中でも“本命視”されている、MSIの「Twin Frozr II」だ。

 Twin Frozr IIは、MSI製グラフィックスカードの中でも上位モデルに採用されるクーラーだ。今現在はTwin Frozr IIIを搭載する最新モデルも登場してきているが、極太ヒートパイプとツインファンで構成される基本的な構造は変わらない。2基のファンを搭載することで風量を確保しつつ、各ファン自体を低速で回転させることにより、優れた冷却性能と静音性能を両立するのがコンセプトで、ツインファンクーラーブームの火付け役でもある。ちなみにMSIのラインアップには、ほとんど音がしない「R5770 Hawk」のような極静音カードや、「N580GTX Twin Frozr II OC」のように冷却性能の向上分をオーバークロックに費やすパフォーマンスカードというように、さまざまなバリエーションが並んでいる。

 そしてこのTwin Frozr IIが今回単体販売されることとなった。店頭価格は6000円前後。CPUクーラーに比べると高価ではあるが、ハイエンドGPU向けのGPUクーラーとしてはそれほど高い価格設定ではない。すでにCPUよりも消費電力が大きくなってしまったハイエンドGPUの場合、より高度な技術が必要となる。そして、ユーザー側もOCや静音など絶対効果を狙うこだわり層であって、尖ったモデルが多い。また、換装用のGPUクーラーという市場自体も小さく、そのような中でのこの価格設定は“かなりがんばっている”という印象のほうが強い。

 単体販売版のTwin Frozr IIに対応するGPUは、GeForce GTX 580/570/480/470/465だ(現時点でRadeon HD用製品は登場していないので注意)。ただし、対応GPUであっても、リファレンスデザインカードではない独自のボードレイアウトを採用している場合は、Twin Frozr IIを取り付けできない可能性がある。さらに、ファンコネクタは4ピンとなっているので、これに適合しない場合も取り付けはできない。リファレンスクーラーを採用しながら4ピンファンコネクタではない製品というのはあまり考えられないが、万が一ということもあるので購入前に確認しておくのがよいだろう。

 引き続き実際の製品について見ていこう。MSIが標準搭載するTwin Frozr IIといえば、金属的な質感を持つアルミ製のシルバーや銅製のブロンズが特徴だが、単体販売版のTwin Frozr IIは、ブラックにブラウンのラインというオリジナルカラーを採用している。ヒートパイプは計5本(8ミリ径のものが2本に6ミリ径のものが3本という組み合わせ)で、これはN580GTX Twin Frozr II OCで採用されているものと同じスペックだ。サイズは251.9×100.9×35ミリ。基本的にGeForce GTX 580/480に合わせたサイズとなる。ファンブレードのサイズは直径約8センチ、回転数および動作音はそれぞれ最大回転時で4200rpm、45デシベルとしている。

og_tfii_002.jpgog_tfii_003.jpgog_tfii_004.jpg Twin Frozr IIは5本のヒートパイプとツインファンを組み合わせている。通常モデルはシルバーやブロンズ色だが、本製品はブラック/ブラウンにペイントされている

 このほか、パッケージには固定用ネジ×4本、ワッシャー×4本、グリス、そして紙1枚の取り付けマニュアル(英語と日本語表記のもの)が入っていた。ちなみにマニュアルの内容は、リファレンスクーラーの取り外し方が表に、Twin Frozr IIの取り付け方が裏に記載されている。図解付きで分かりやすいのは当然だが、特殊ネジが使われている場合がある、ブラケットのネジの一部もリファレンスクーラーの固定用に使われている、といった細かなところまで注意が書かれている。

リファレンスクーラーの取り外しは注意! 一方取り付けは超簡単

og_tfii_005.jpg 今回評価に使った「MSI N470GTX-M2D12」

 同じMSIのGeForce GTX 470カード「N470GTX-M2D12」を用意した。このN470GTX-M2D12は、GTX 480/470発表当初に発売されたモデルであり、リファレンスデザインに沿った製品となっている。

 マニュアル通りというか、そもそもリファレンスクーラーを外して、Twin Frozr IIを取り付けるという単純な工程なので理解できると思うが、実際にやってみるといくつか注意したほうがよい点が出てきた。

 リファレンスクーラーは、基板裏のネジすべてと、ブラケットと基板を繋ぐ部分のネジ1個、ブラケットのスリットと端子の間にあるネジ2個で固定されている。これをすべて外せばよいわけだが、このネジはかなり小さく、そして一度組み立てた後は緩めることを想定していないため、きつく締められているのはもちろん、ネジ止め剤が使用されていることもある。ネジ山をなめてしまいやすいので慎重にネジを緩めよう。

og_tfii_006.jpgog_tfii_007.jpg カード裏のネジ全部とブラケット側のネジを外せばリファレンスクーラーは取り外せる。ただしグリスが固まっている場合もあるので力加減を慎重に行いたい

 また、取り外し方によってはヒートシンクが現れることもある。その際はヒートシンクに触れないように注意しよう。ヒートシンクは薄い金属板で出来ており、下手に触れるとザックリ指を切ることになる。静電防止も兼ねて手袋をして作業できれば安心だ。

 そしてクーラーを取り外す際、GPUとヒートシンクがグリスでガッチリくっついている場合がある。はがす際の力加減にも注意しよう。最もなぜこんな当たり前のことを書くかというと、筆者が実際にネジ山をなめ、ドリルでネジを削るハメにあい、ヒートシンクを取り外す際にザックリ指を切ったからである。これから試すという方がこんなドジを踏まないことを祈る。

 一方で取り付けは超簡単だ。なにせTwin Frozr IIはネジ4本だけで固定する。リファレンスクーラーが20本近い小ネジで固定していたのとは大違いだ。GPU面にグリスを塗ったら、位置合わせをして基板裏からネジ4本を均等に締め上げる。最後にファンケーブルを装着することを忘れなければまず問題なく組み立てられるはずだ。

og_tfii_008.jpgog_tfii_009.jpg Twin Frozr IIはネジ4本だけで固定するため装着作業は簡単。最後にファン用電源ケーブルをはめて完成だ

 なお、Twin Frozr IIはGTX 580や480などもサポートするサイズであるため、GTX 470と組み合わせる場合は基板をはみ出してしまう。はみ出すこと自体は、例えば「N470GTX Twin Frozr II」でも同じだが、単体販売版をGTX 470に組み合わせると、ヒートシンクのサイズに関して言えば、N470GTX Twin Frozr II以上のものを上回るサイズとなる。

 一方、N470GTX Twin Frozr IIとの間にはもう1つ決定的な違いがある。N470GTX Twin Frozr IIにはメモリ用のヒートシンクも搭載されているのだが、単体販売版Twin Frozr IIにはそれがない。メモリのOCも視野に入れる方は、Twin Frozr IIとともにチップ用ヒートシンクや冷却シートなどを検討するとよいだろう。

og_tfii_010.jpgog_tfii_011.jpgog_tfii_012.jpg Twin Frozr II後のN470GTX-M2D12。装着済みで販売されていたN470GTX Twin Frozr IIと比べると、色だけでなくヒートシンクの大きさも若干こちらのほうが大きい

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