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» 2011年09月27日 18時15分 UPDATE

チャンス到来:これから“Symantecのターン”――ワールドワイド事業戦略説明会

米Symantecのエンリケ・T・セーラムCEOが来日し、ワールドワイド事業戦略を説明。IT業界に見られる5つのトレンドを挙げ、「今こそがSymantecの時だ」とアピールした。

[ITmedia]
og_symantec_001.jpg 米Symantec社長兼CEOのエンリケ・T・セーラム氏

 米Symantecは9月27日、同社のワールドワイド事業戦略を説明する記者発表会を実施した。当日はエンリケ・T・セーラムCEOが登壇し、IT業界における変化に対応したSymantecが目指すべきビジョンを描くとともに、富士通のクラウドサービスである「FGCP/S5」に、Symantec System Recovery 2011が採用されたことを発表した。同社は2010年に富士通と戦略提携を結び、すでにSymantec Endpoint Protectionを提供している。自らがクラウドサービスを展開するだけでなく、クラウドサービスプロバイダと協業することにより事業展開を図る基本方針を示した形だ。

 セーラム氏はまず、同社がこれまで繰り返してきたIT業界におけるメガトレンドとして、「脅威の変化」「データ量の増加」「モバイル」「仮想化」「クラウド」の5つを改めて繰り返した。同社によれば、サイバーユニバース全体のデータ総量は2010年に前年比62%という脅威的な成長をみせ、80万ペタバイトに到達した。この状況は今後も加速するとみている。特にデータの保存やバックアップという側面からもデータの総量は飛躍的に増加し、「データを安全に保存したい」というニーズは今後ますます高まっていくと考えられる。セーラム氏は、Symantecがセキュリティ業界のリーダーであると同時に、バックアップやリカバリ分野で活躍する企業であることを述べ、競合ベンダーに対する優位性を強調した。

 昨今見られるセキュリティ脅威の変化についても、Symantecは業界をリードする立場にあるとセーラム氏は語る。同氏は“腕試し”や金銭の詐取を目的とするこれまでの攻撃に加えて、インフラ(産業用システム)を狙った攻撃や、国家の支援で他政府の機密情報を盗むネットワークの存在が明らかにしたように、国家間のサイバー戦争さえも現実化していると指摘する。セーラム氏は「個人、企業、政府機関と、誰もが標的になりうるが、クリティカルなインフラを持つ機関は狙われやすいだろう」と述べ、これを防ぐためには多数の端末が相互接続したネットワーク環境そのものを守る必要性を訴えた。

 また、これらの攻撃に対する機能として、同氏は「Symantec Endpoint Protection 12」に搭載されるクラウドベースのセキュリティ機能「Insight」などを挙げている。未知の攻撃にレピュテーション(評価)技術で対抗する機能は各セキュリティベンダーも提供しているが、その有用性は膨大な顧客と巨大なインフラを持つ同社の強みともいえるだろう。なお、“国防”という観点でもSymantecは政府に協力し、日本においても同社のシステムが導入されていることを明らかにした(ちなみに、民間企業が特定政府の要請を受けることにより、“企業倫理を踏み越えてしまう危険性”について聞いてみたが、セーラム氏は「我々は情報を解析し、ソースを突き止め、報告するだけであって、攻性的な防御については関与しないし、これからもそうだ」と断言している)。

 3つ目はモバイル分野だ。スマートフォンやタブレットデバイスの隆盛に見られるように、携帯型デバイスは増加の一途を辿り、人々のライフスタイルも変化してきた。例えば、朝の通勤時に会社からの連絡メールがないかスマートフォンでチェックし、個人アカウントのソーシャルサービスに目を通して、そこで友人の誕生日を思い出し、そのまま花を注文する、といったように、企業と個人の情報が同一デバイスで扱われる状況が増えている。これに対してSymantecは、PCやMac、iOS、Androidと幅広いプラットフォームに対応したセキュリティ製品を投入しているが、その一方でデバイスではなく、人と情報をセキュリティの中心に据え、各データの属性(ポリシー)によって管理するセキュリティ構想を打ち出している。同社がVeriSignのセキュリティ事業や複数の暗号化ベンダーを相次いで買収したのもこのためだ。ちなみにシマンテックは、2011年2月にNTTドコモと協業し、FOMAネットワークを通じて、ノートPCに格納されたデータの暗号化や起動ロック、データワイプなどをリモートで管理するソリューションも提供している。

 同社が提示するメガトレンドの4つ目が仮想化、5つ目がクラウドだ。昨今の企業にとって、サーバの仮想化によるコストの効率化や、クラウドサービスの利用によるビジネス機動性の向上は、魅力的なソリューションになりうる一方で、外部インフラを利用する際のセキュリティは企業にとって非常に大きな課題だ。Symantecはここに大きなチャンスがあると考えている。同社はセキュリティベンダーであると同時に、symantec.cloudという傘の下で16に及ぶサービスを展開しており、先に挙げた5つのメガトレンドに対して、大きな存在感を発揮できる立場にある。また、AmazonやeBay、先に挙げた富士通など、さまざまなクラウドサービスプロバイダに対して、ソリューションを提供する準備ができている。セーラム氏は、直近の第4四半期すべてでビジネスが成長していることに触れ、「今こそSymantecに有利な時だと思う。業界のこのような変化の中、我々はチャンスの多い特別な時を迎えている」と胸を張った。

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