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» 2013年01月05日 04時00分 UPDATE

勝手に連載!「海で使うIT」:「C-MAP」と「Plan2Nav」で厳冬期の海を帆走れ! (1/3)

データストレージと処理性能に制約があるAndroidデバイスでも高機能な電子海図と航法アプリを使いたい船長に朗報。iOS版で評判の“アレ”がAndroidで登場した!

[長浜和也,ITmedia]

待望の「C-MAP」「Plan2Nav」がAndroidでも使える!

 Androidを導入したデバイスで使える電子海図と航法アプリでは、すでにNAVIONICSを紹介しているが、2012年の11月末(その後、いったん公開を中止して12月25日に再度配布を開始した)から、JEPPESENの「Plan2Nav」がAntroidでも利用できるようになった。

 JEPPESENは、電子海図「C-MAP」のベンダーとして全世界の海洋関係者に広く知られている。C-MAPは、JEPPESENが情報を収集して作成した「民間企業の私製電子海図」だ。そのため、少なくとも日本では、法律で搭載が義務付けられている「世界各国の海事行政機関が発行する“正式な”電子海図」とは認められていない。小型船舶向けの簡易海図「参考図」より信頼性が劣るという扱いだが、収録する情報量は「正式な」電子海図に相当し、その価格の安さもあって、個人のアマチュア船乗りだけでなく、世界各国の海運会社も船舶の備品として搭載している。

 JEPPESENは、スマートフォンやタブレットデバイスでも使える「C-MAP 4D Max」を新たに用意し、この電子海図を使って航法支援を行うアプリ「Plan2Nav」を配布している。iOS版が2011年3月から登場して高い評価を受けていたが、Android版もさきほども述べたように2012年11月の末(実質的には12月の末)からようやく配布が始まった。

kn_pln2nav_09.jpgkn_pln2nav_10.jpg 世界の海運会社も採用する電子海図「C-MAP」を利用できる「Plan2Nav」がようやくAndroidでも使えるようになった。Plan2Navで東京湾浦賀水道海域(写真=左)と城ヶ島周辺海域(写真=右)のC-MAPを表示してみた

C-MAPの購入はGoogle PlayでなくJEPPESENから

 Plan2Nav自体は、無料の航法アプリとしてGoogle Playから導入できる。このままでも、非常に大雑把な海岸線だけで、灯台や浮灯などの航海標識がまったくない海図が付属するが、C-MAPを利用する場合は、JEPPESENが用意する電子海図管理アプリ「Jeppesen Marine Maps Manager」(以下、Marine MM)を導入して、ここからC-MAPの購入と管理を行う。ただ、Plan2Navの導入過程でMarine MMも導入し、その管理機能もPlan2Navから呼び出すので、ユーザーはMarine MMの存在を意識することなく利用できる。

 Plan2Navを導入すると、「Store」メニューからユーザー登録を行う。メールアドレスとパスワード、ユーザーの国籍、さらには、住所や電話番号といった個人情報からC-MAP購入時の支払いに使うクレジットカード情報まで登録する。これは、C-MAPを、GooglePlayではなくJEPPESENのオンラインショップから購入するためだ。

 ユーザー登録を終えると、Plan2Navで利用するC-MAPを購入できる。Plan2NavのメニューからStore>Maps Catalogueとたどると購入する電子海図を選択する画面に移る。目的の海域を選ぶのに最も手早いのは、Seachから地名を(アルファベットで)入力する方法だ。検証作業では、三崎港の「misaki」と入力すると日本近海を収録するエリアがヒットした。日本近海を収録するC-MAPエリアは、「AN-I013.09:KAMCHAKKA PENINSULA AND KURIL ISLANNDS」「AN-I204.09:JAPAN,AND NORTH AND SOUTH KOEA」「PC-I203.09:CAROLONAS,KIRIBATI、MARSHALL,MARIANAS」「RS-I207.09:HOKKAIDO AND SAKHALIN ISLANDS」で、このうち、AN-I20413.09に日本海域がすべて収まっている。価格は2200円。購入するC-MAPを選択するとオンライン決済の処理に移行する。

kn_pln2nav_01.jpgkn_pln2nav_02.jpgkn_pln2nav_03.jpg Plan2Navに標準で付属する大雑把な海図(写真=左)。Marine MMから無料でダウンロードできる「WWI304」は、ENCの概観(レベル1)程度の情報しか収録していない(写真=中央)。有料(2200円)の「AN-I20413.09」なら、沿岸航海からアプローチ、入港レベルの詳細な情報を利用できる(写真=右)

 オンライン決済から購入手続きを終えても、C-MAPはまだデバイスに存在せず、Plan2Navで使えない。JEPPESENはユーザーそれぞれにオンラインストレージエリア(ON THE CLOUD)を用意して、購入したC-MAPはそこに保存する。Plan2Navで利用するには、ON THE CLOUDから使うAndroidデバイスにダウンロードする必要がある。AN-I204.9の容量は136.3Mバイトで、これに、最初にダウンロードを求めてくる無料のWWI304の容量112.4Mバイトを加えた248.7Mバイトが、日本海域でPlan2Navを使う場合に必要となる電子海図の容量だ。

 なお、2013年1月初めに検証をしている時点では、C-MAPは、購入処理を行った端末に関連付けているらしく、同じユーザーがJENPPESENのユーザー情報で登録したすべてのデバイスでON THE CLOUDに保存するC-MAPを利用できるわけではない。このため、複数のAndroidデバイスを運用するユーザーでも、購入したC-MAPをダウンロードできるのは1台に限られる。(2013年4月20日時点で、複数のAndroidデバイスの導入に対応したことを確認した)

kn_pln2nav_04.jpgkn_pln2nav_05.jpgkn_pln2nav_06.jpg 日本近海「AN-I204.09」の収録範囲(写真=左)。購入手続きをした直後はユーザーのオンラインストレージエリアに保存した状態にある(写真=中央)。デバイスのローカルストレージにダウンロードするとPlan2Navで使えるようになる(写真=右)

kn_pln2nav_07.jpgkn_pln2nav_08.jpg 購入したC-MAPはユーザーではなく、購入処理をしたデバイスに関連付けして管理する。そのため、ユーザーが複数のデバイスを登録しても、C-MAPは1ライセンス1デバイスでしか使えない

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