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» 2013年06月21日 15時15分 UPDATE

これがデュアルOSマシンの実力だ:AndroidタブレットからのWindows遠隔操作は使い物になる?――「TransAiO P1801」を試す(後編) (1/2)

タブレットとデスクトップを融合した新機軸のデスクトップPC「TransAiO P1801」のレビュー後編は、ベンチマークテストで性能を検証しつつ、第3のスタイル「リモートデスクトップモード」の使い勝手をチェックする。

[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]

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ベンチマークテストで実力をチェック

 ASUSTeK Computerの液晶一体型デスクトップPC「TransAiO P1801」は、スクリーンとPCステーションの独特な合体機構に目が行きがちだが、性能の高さも特筆すべき点だ。特にPCステーションに外部GPUを搭載したところは見逃せない。後編では、PCステーションとスクリーンそれぞれの性能をベンチマークテストで確認する。

photophoto 「TransAiO P1801」は、AndroidタブレットとWindowsデスクトップの両方を1台で利用できる独特な合体機構が特徴だ

 PCステーションの主なスペックは、4コア/8スレッド対応の第3世代Core i7-3770(3.4GHz/最大3.9GHz)とIntel B75 Expressチップセット、8Gバイトメモリ(PC3-12800)、2TバイトHDD(3.5インチ、7200rpm)、DVDスーパーマルチドライブを備える。グラフィックスはNVIDIA GeForce GT 730M(グラフィックスメモリ2Gバイト)を利用する。

 コンパクトな液晶一体型PCはノートPC用のCPUを採用する製品も多いが、本製品は性能が高いデスクトップ向けのCPUを搭載したところは好感が持てる。一方で、グラフィックスはモバイル向けのGeForce GT 730Mを採用した。

 GeForce GT 730MはKepler世代のアーキテクチャを採用しており、GPU Boost 2.0に対応し、オーバークロック機能が強化されている点が大きな特徴だ。CUDAコア数は384、最大コアクロックは719MHzとなる。CPU内蔵グラフィックスと比べて、動画編集や3Dゲームなど高い負荷がかかるアプリケーションでも、滑らかな描画が期待できる。NVIDIA Optimusテクノロジーにも対応しているため、アプリケーションによって内蔵グラフィックスと使い分けることも可能だ。

photophotophoto デバイスマネージャでPCステーション部の構成を確認した。HDDは東芝製の「DT01ACA200」(2Tバイト、7200rpm)だ

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、CPUやメモリのスコアが8.0と非常に高い。最も低かったのはストレージの5.9だったが、メインマシンとして不足がないよう、大容量のHDDを採用したため仕方がないところか。CrystalDiskMark 3.0.2のスコアもHDDとしては一般的なスコアとなったが、「高い処理能力を求めた」(同社)とうたうのであれば、キャッシュ用SSDなどを搭載してもよかったと思う。

photophoto Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア(画面=左)。CrystalDiskMark 3.0.2のスコア(画面=右)

 ベンチマークテストは、総合ベンチマークテストのPCMark 7、PCMark Vantage、3D系ベンチマークテストは3DMark Vantage、ストリートファイターIV ベンチマークを実行した。参考として同社の外部GPU搭載ノートPC「S56CM」(2012年秋モデル)と外部GPU非搭載ノートPC「ZENBOOK Touch UX31A」(2013年春モデル)、「IdeaCentre A720」(2012年夏モデル)のスコアを併記する。OSが異なるマシンのスコアも並べたため、参考程度に捉えてほしい。

テストしたマシンの主なスペック
機種 TransAiO P1801 S56CM IdeaCentre A720 ZENBOOK Touch UX31A
OS 64ビット版Windows 8 64ビット版Windows 7 64ビット版Windows 8
CPU Core i7-3770(3.4GHz/最大3.9GHz) Core i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz) Core i7-3610QM(2.3GHz/最大3.3GHz) Core i7-3517U(1.9GHz/最大3.0GHz)
メモリ 8Gバイト(PC3-12800)
ストレージ 2TバイトHDD 1TバイトHDD 1TバイトHDD 256GバイトSSD
グラフィックス(メモリ) GeForce GT 730M(2Gバイト) GeForce GTX 660(1.5Gバイト) GeForce GT 630M(1Gバイト) Intel HD Graphics 4000
photophoto PCMark 7(グラフ=左)とPCMark Vantage(グラフ=右)のスコア。PCMark 7でZENBOOK Touch UX31Aのスコアが突出しているのは、Intel HD Graphics 4000に搭載されたハードウェアエンコード機能「Intel Quick Sync Video 2.0」の恩恵で、Creativity、Computationといった、ビデオ編集機能やトランスコード性能を測る項目のスコアが高くなったことや、ストレージにSSDを搭載していることが理由だ
photophoto 3DMark Vantage(グラフ=左)とストリートファイターIV ベンチマーク(写真=右)のスコア。GPUの性能が高いTransAiO P1801のスコアが最も伸びている

 やはり、3D描画能力については高性能なモバイル向け外部GPUを搭載するTransAiO P1801のスコアが高い。またIvy Bridge(開発コード名)世代ながら、デスクトップ向けの4コア/8スレッド対応CPUであるCore i7-3770(3.4GHz/最大3.9GHz)を採用しているだけあって、動作はキビキビとしており、FPSのような高負荷なゲームならともかく、MMORPGや格闘ゲームは低負荷設定ならば、満足に遊べるだろう。

 18.4型フルHD液晶ディスプレイを備えたスクリーン部の性能はどうか。基本スペックはNVIDIA Tegra 3(1.7GHz/クアッドコア動作時最大1.6GHz)、2Gバイトメモリ(DDR3L)、32Gバイトストレージ(eMMC)となる。こちらはQuadrant Professional Edition 2.1.1、AnTuTuベンチマーク v3.3を利用してテストを行い、スコアをASUS製の7型ワイド液晶ディスプレイを搭載したAndroidタブレット「Nexus 7」や超高解像度タブレット「Nexus 10」と比較してみた。

テストしたマシンの主なスペック
機種 TransAiO P1801 Nexus 10 Nexus 7(16Gバイトモデル)
SoC Tegra 3(1.7GHz) Exynos 5250(1.7GHz) Tegra 3(1.3GHz)
コア数 4コア+コンパニオンコア 2コア 4コア+コンパニオンコア
メモリ 2Gバイト 1Gバイト
ストレージ 32Gバイト 16Gバイトor32Gバイト 16Gバイト
解像度 1920×1080ドット 2560×1600ドット 1280×800ドット
画面サイズ 18.4型ワイド 10.1型ワイド 7型ワイド
photophoto Quadrant Professional Edition 2.1.1(グラフ=左)とAnTuTuベンチマーク v3.3(グラフ=右)の結果。グラフィックス性能はNexus 10が高いものの、CPU性能についてはTegra 3を搭載するTransAiO P1801のスコアが高い傾向にある

 グラフィックス性能はNexus 10が勝るものの、CPU性能についてはTegra 3を搭載するTransAiO P1801のスコアが高い傾向にある。タブレットとしての基本性能は上々で、ホーム画面での操作やWebブラウズやアプリの操作もストレスなく行える。

 なお、スクリーンのバッテリー動作時間は約5時間としており(1920×1080ドットの動画を連続再生した場合)、実測のバッテリー動作時間を動画再生アプリ「mVideo Player」を使って計測してみた。ディスプレイの輝度は50%、Wi-Fiオン、音量50%の環境下で、MPEG-4 AVC/H.264(Baseline Profile)形式の1080p動画ファイルを連続再生させたところ、満充電からバッテリーがなくなるまで約4時間30分動作した。

 スクリーン部は画面サイズが18.4型ワイド、重量が約2.4キロと、Androidタブレットにしては大きく重いので、あまり持ち運ばないとは思うが、家の中で持ち歩いて使うぶんには十分なバッテリーと言える。ただ、映像コンテンツを長時間視聴するなどの使い方をする場合はACアダプタを接続するか、PCステーションにドッキングさせたほうがよいだろう。

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