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» 2013年11月21日 12時15分 UPDATE

VAIO Tap 11をもっと知りたい(性能検証編):「VAIO Tap 11」の直販ハイエンド構成と店頭モデルを徹底比較する (1/3)

ソニー初のWindowsタブレット「VAIO Tap 11」は、第4世代Core搭載で極限の薄さと軽さを実現している。その性能、スタミナ、騒音、発熱はどうなっているのか、ハイエンド構成の直販モデルと店頭モデルをじっくりテストした。

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

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店頭モデルとハイスペックな直販モデルの性能を徹底比較

 ソニーの「VAIO Tap 11」は、薄型軽量の11.6型タブレットとワイヤレスキーボード、デジタイザスタイラス(筆圧対応ペン)を組み合わせた高機能なWindows 8タブレットだ。11.6型フルHD液晶ディスプレイと第4世代Core(開発コード名:Haswell)を搭載しながら、厚さ9.9ミリ、重さ約780グラムを実現し、性能と携帯性を高いレベルで両立している。

VAIO Tap 11 ソニー初のWindows 8タブレット「VAIO Tap 11」は、第4世代Core搭載機で最薄となる9.9ミリ厚のボディを実現。非使用時に磁力で吸着して画面をカバーできるワイヤレスキーボードと、筆圧検知対応のデジタイザスタイラスが付属する。ソニーストア直販限定のVAIOオーナーメードモデルでは、ホワイトのカラーや英字配列キーボードも選択可能だ

 これまでにPC USERでは、店頭向け標準仕様モデルの速報的なレビューを行った後、ワイヤレスキーボードや筆圧対応ペンの使い勝手、液晶ディスプレイの画質についてチェックしてきた。

 今回は店頭モデルに加えて、ソニーストアが販売するVAIOオーナーメード(VOM)モデルのハイスペック構成を入手できたので、改めて性能を検証したい。VOMモデルはボディカラーにホワイトを選べるほか、基本スペックのカスタマイズが可能だ。CPUはCore i7-4610Y(1.7GHz/2.9GHz)を筆頭に4種類から、SSD容量も最大512Gバイトまで選択でき、店頭モデルが標準でプリインストールするOffice Home and Business 2013やPhotoshop Elements 11を省いて購入できる。最小構成の価格は10万9800円だ。

 テストに際しては、以前のレビュー掲載時と評価機のバージョンが変わっているため、店頭モデルも改めてスコアを計測し直している。それぞれの主なスペックは、下表にまとめた。Core i7-4610Yや512GバイトSSDのパフォーマンスが興味深いところだ。一部のテストでは以前にレビューした「VAIO Pro 13」(SVP13219CJB/Core i5-4200U 1.6GHz/最大2.6GHzを搭載)のスコアも掲載している。

今回テストしたVAIO Tap 11の主なスペック
製品名 VAIO Tap 11(SVT11218DJB) VAIO Tap 11(SVT1121A1J)
販売チャンネル 店頭向け標準仕様モデル VAIOオーナーメードモデル
CPU Core i5-4210Y Core i7-4610Y
コア/スレッド数 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド
CPU基本クロック 1.5GHz 1.7GHz
CPU最大クロック 1.9GHz 2.9GHz
3次キャッシュ容量 3Mバイト 4Mバイト
チップセット CPUに内蔵 CPUに内蔵
グラフィックス Intel HD Graphics 4200 Intel HD Graphics 4200
GPU実行ユニット数 20基 20基
GPUクロック 200〜850MHz 200〜850MHz
CPU+GPU+チップセットTDP 11.5ワット 11.5ワット
SDP 6ワット 6ワット
メモリ DDR3L-1600(デュアルチャンネル) DDR3L-1600(デュアルチャンネル)
メモリ容量 4Gバイト 4Gバイト
ストレージ 128GバイトSSD 512GバイトSSD
評価機搭載ストレージ TOSHIBA「THNSNH128GMCT」 Samsung「MZMTD512HAGL」
液晶ディスプレイ 11.6型ワイド(IPS) 11.6型ワイド(IPS)
ディスプレイ解像度 1920×1080ドット 1920×1080ドット
バッテリー容量 29ワットアワー 29ワットアワー
バッテリー駆動時間 約8時間 約8時間
OS 64ビット版Windows 8 64ビット版Windows 8
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) 本体:約304.6×188×9.9ミリ、キーボード:約304×187.4×4.25ミリ 本体:約304.6×188×9.9ミリ、キーボード:約304×187.4×4.25ミリ
重量 本体:約780グラム、キーボード:約320グラム 本体:約780グラム、キーボード:約320グラム

VAIO Tap 11VAIO Tap 11VAIO Tap 11 VOMモデルのデバイスマネージャ画面。選択可能なハイエンドCPUのCore i7-4610Yを搭載した構成だ
VAIO Tap 11VAIO Tap 11VAIO Tap 11 CPU-Zの情報表示画面。今回テストしたVOMモデルはCore i7-4610Yを搭載している(画像=左/中央)。EIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)、Turbo Boost 2.0により、クロックは動的に変化し、最大2.9GHzで動作する。最低クロックは600MHzと、第4世代Core Uシリーズの800MHzよりも低い。TDP(熱設計電力)は11.5ワット、2 in 1デバイス向けの電力指標であるSDP(Scenario Design Power:シナリオに基づいた消費電力設計)は6ワットだ。メモリはオンボードの4Gバイト(DDR3L-1600)だが、きちんとデュアルチャンネルで動作している(画像=右)

 各テストは、Windows 8の電源プランを「高パフォーマンス」、「VAIOの設定」における「CPUとファン」の動作モードを「パフォーマンス優先」にして行った。デフォルトでは電源プランは「バランス」、CPUとファンの動作モードは「標準」で、この設定でもほとんどスコアが変わらないことを確認済みだ。ただし、まれにスコアが下に振れることがあったため、不確定要素を排除するために上記の設定で統一した。

VAIO Tap 11 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア。VOMモデルはCPUで0.2、ゲーム用グラフィックスで0.1、店頭モデルのスコアを上回っているが、大きな差はない

CINEBENCHでのCPUスコアは意外な結果に……

 まずはCPU性能を計測するCINEBENCHのレンダリングテストから見ていこう。このテストはCPUに大きな負荷がかかる内容であるとともに、GPUやストレージの影響をほとんど受けないため、CPUの処理性能を確認するために行った。

 「CPU」のスコアはマルチスレッド性能、「CPU(シングルコア)」のスコアはシングルスレッド性能の目安となる。最新バージョンはCINEBENCH R15だが、登場してから日が浅いため、以前の機種との比較用に1世代前となるCINEBENCH R11.5のスコアも掲載した。

 結果は意外なものとなった。CPUのスペックからいえば、最高クロックが2.9GHzのCore i7-4610Yを搭載するVOMモデルは、同1.9GHzであるCore i5-4210Yの店頭モデルを大きく超えて、同2.6GHzのCore i5-4200Uを搭載するVAIO Pro 13に迫る……あるいは上回るスコアを残してもよさそうなものだが、そうはならなかった。

 CINEBENCH R11.5では、CPUのスコアが店頭モデルとVOMモデルで変わらず、CPU(シングルコア)でも少し高い程度にとどまり、VAIO Pro 13との差は大きい。電力管理の制限でブレーキがかっているようなスコアの出方だ。CINEBENCH R11.5においてVAIO Pro 13に対するそれぞれのモデルのスコアは、「CPU」が両モデル共通で59%、「CPU(シングル)コア」では店頭モデルが73%、VOMモデルが77.3%だった。

VAIO Tap 11VAIO Tap 11 CINEBENCH R15(グラフ=左)、CINEBENCH R11.5(グラフ=右)のスコア

Windowsタブレットとして高いストレージ性能を発揮

VAIO Tap 11 CrystalDiskMark 3.0.2のスコア

 CrystalDiskMark 3.0.2は、ストレージの性能を確認するために実行している。今回の評価機では、VOMモデルの512GバイトSSDにSamsung MZMTD512HAGL、店頭モデルの128GバイトSSDにTOSHIBA THNSNH128GMCTが使われていた。いずれもSerial ATA 6Gbpsに対応したmSATAタイプのSSDだ。

 結果はVOMモデルの512バイトSSDのほうが、シーケンシャルの書き込み性能が高い。SSDコントローラの仕組みにもよるが、並列アクセスのチャンネル数などの関係から、同じブランドのSSDでも128Gバイトモデルより256Gバイト以上のモデルのほうが書き込み性能が高いことはよくある。もっとも、これくらいの差であれば、日常的な処理ではあまり差は感じないだろう。

 ストレージの性能では多くのテストでVAIO Pro 13(店頭モデルのSerial ATA SSD構成)を上回っている点に注目したい。もちろん、いずれもAtom搭載のWindowsタブレットが採用するeMMCとは比較にならない速さで、性能面でのアドバンテージが得られている。

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→ソニーストアで「VAIO Tap 11」をチェックする
わずか9.9mm(※タブレットモード時)、薄さ・軽さを極めた先進のモビリティー。Core i7 プロセッサー、大容量SSDなど高性能スペック選択可能。ホワイトはストア限定カラー


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