2万円台ノート“でも”ここまで使える! 「HP Stream 11」を試す「プレゼントはノートPCがいい!」とのたまう家族がいるあなたに(3/3 ページ)

» 2014年12月24日 12時24分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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“標準サイズ”を備えた本体インタフェース

 本体搭載のインタフェースは、USB 3.0とUSB 2.0、ヘッドセット端子にSDメモリーカードスロット、そして、映像出力インタフェースとしてHDMIを用意する。最近増えてきた低価格Windows 8.1 with Bing導入8〜10型タブレットの本体搭載インタフェースがMicro SDカードスロットにmicro USB、Micro HDMIであるのと比べると、はやり、“通常サイズ”のUSBを備えるPCは接続機器が使いやすい。特に、USBとSDメモリーカードは使う周辺機器が多いだけにアダプタを使わない気軽さはユーザーにとって意外と大きなメリットになる。

正面にはインタフェースを設けていない
背面もインタフェースはない。ヒンジの部分にあるメーカーロゴは、最近のHPノートPCで共通するデザインだ

左側面には、電源端子とセキュリティーチェーンホール、そして、SDメモリーカードスロットを用意する

右側面にはHDMI、USB 3.0、USB 2.0、ヘッドセット端子を備える。それぞれが隣接しているので、大柄の“変形”USBメモリなどは隣のインタフェースに干渉する

 SDメモリーカードスロットは左側面に、USB 2.0とUSB 3.0、HDMIは右側面に設置している。Stream 11の側面は、上から底面にかけて内側にわずかな傾斜をかけている。そのため、PCを操作している視点から側面にあるインタフェースを目視しようとすると、垂直カットの側面より視点をPC外側に移動しなければならない。側面を指でなぞってインタフェースの位置を確認してデバイスやケーブルを差すこともできるが、直接目視して使いたいユーザーには、意外と面倒と感じるかもしれない。

高クロックだがデュアルコア2スレッド対応の性能は?

 システム構成は、CPUが“Bay Trail-T”世代のCeleron N2840(2.16GHz/最大2.58GHz、2コア2スレッド、2次キャッシュメモリ1Mバイト、TDP 7.5ワット)で、システムメモリがDDR3L-1333を2Gバイト実装する。データストレージは容量32GバイトのeMMCを内蔵する。

 この構成は、Stream 14と同様で、データストレージの容量としては、最新のスマートフォンよりも少ない。日本HPとしては、ローカルストレージはアプリケーションとOSのために確保して、ユーザーの使うファイルはオンラインストレージサービスを使うことを前提としている。そのため、Stream 11には、OneDriveの100Gバイトを2年間無料で使えるライセンスが標準で付属する。

データストレージは容量32GバイトのeMMCを利用する。評価用機材では回復パーティションとして7.24Gバイトを確保しており、ユーザー領域としては21.5Gバイトを利用できた。なお、ここで示している空き領域はベンチマークテストなどをインストールした後の状況なので、製品出荷状態とは異なる

 システムメモリやデータストレージの容量、そして、“Bay Trail-T”世代のCPUを搭載した構成という意味で、Stream 11は「格安Windowsタブレットに相当するシステムを11.6型ディスプレイとキーボードを搭載したクラムシェルタイプのボディに組み込んだもの」といえる。

 ただ、最近モデルが増えてきた“Bay Trail-T”世代のAtomを搭載するWindowsタブレットと異なり、Stream 11が搭載するCeleron N2840は、動作クロックは高い(Atom Z3745が133GHz/最大1.86GHzのところ、Celeron N2840は2.16GHz/最大2.58GHz)が、実装するCPUコアと同時対応スレッド数はデュアルコア、2スレッドと、こちらは、Atom Z37xxシリーズより少ない。

CPU-Zで確認するCeleon N2840の仕様。Atom Z37xxシリーズと比べて動作クロックは高いもののコア数と同時対応スレッド数は少ない

 ベンチマークテストで測定したスコアも、このCPUの差異が現れている。PCMark 7では、個別テストのスコアがAtom Z3745搭載タブレット、Atom Z3735F搭載タブレットを上回るのに対して、マルチコアによるCINEBENCH R11.5のCPUテストでは比較対象2モデルを下回っている。なお、ストレージの性能を検証するCrystalDiskMark 3.0.3では、比較対象モデルとほぼ同等の結果となっている。

PCMark 1.4.0(PCMark、LightWeight Score、Productivity Score、Entertainment Score)

PCMark 1.4.0(Creativity Score、Communication Score、System Storage)

CINEBENCH R11.5 CPU

CrystalDeskMark 3.0.3(Sequential Read、Sequential Write、512K Read、512K Write)

CrystalDeskMark 3.0.3(4K Read、4K Write、4K QD32 Read、4K QD32 Write)


 Stream 11では、とにかく2万5800円という価格に注目することになる。ただ、ただ安いだけでなく、ボディは、鮮やかなカラーリングを施してほかのノートPCとは異なる個性を訴求することで、ユーザーに所有する楽しさを与えてくれる。価格を反映しやすいキーボードもしっかりとしたつくりで、ピッチも18.5ミリと十分あり、入力は快適にできる。

 Celeron N2840を採用したことで、同価格帯に多いWindowsタブレット比べてベンチマークテストのスコアは高い。ただ、マルチコア、マルチスレッドを扱うアプリでは不利になることは注意しておきたい。

 購入を検討する場合、やはり容量32Gバイトというデータストレージを受け入れることができるかが分かれ目になるだろ。オンラインストレージが前提となり、OneDrive100Gバイトの2年間利用ライセンスが付属するが、ローカル保存と比べてなにかと気を使う場面が多いことは留意して検討すべきだろう。

 とはいえ、1.26キロで7時間以上のバッテリー駆動ができる11.6型ノートPCが2万5800円で購入できるというのは、購入を決断する大きな理由となる。「自分のためというよりは家族のため」に安心して渡せるノートPCを探しているユーザーにとって、Stream 11は購入候補の上位になるだけの実力を持ったノートPCだ。

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