Windows 10が提案する「新しいスマホとタブレットの分け方」とは?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2015年01月22日 19時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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 「Windows 10」の最新戦略に関するプレスイベントが1月21日(米国時間)、米ワシントン州レドモンドにある米Microsoft本社キャンパスにて開催された。この模様はWebキャストでライブ中継が行われたため、(日本では22日深夜2時開始だったが)実際にご覧になった方も少なくないだろう。

 イベントの模様は、現在も専用サイトからオンデマンドで視聴できる。ここでは、イベントの発表内容を簡単に整理しつつ、ポイントを紹介していこう。

スマートフォン、タブレット、2in1、PC、Xbox、84型タッチ対応4Kディスプレイデバイス、そしてヘッドマウントディスプレイなど、Windows 10はこれまでのWindowsで最も広範なデバイスをサポートする

まずはWindows 10の最新機能をおさらい

 下記はプレスイベント後にPC USERで掲載した発表に関する記事だが、無料アップデートの情報を除けば、イベント直前に公開した予想記事の内容がほぼそのまま正式発表されたもので、ここでは詳しい解説を行わない。

 同社Operating Systems部門シニアリーダーのテリー・マイヤーソン氏によれば、来週(1月26日)以降に「Windows 10 Technical Preview」の最新ビルドを配布するため、おそらくここで搭載されるとみられるCortanaとSpartanの詳細については、今後の連載記事で改めてフォローしていく。

 なおCortanaについての注意点は、来週配布のビルドに「日本語サポートが含まれない」ということだ。これが2015年後半のWindows 10正式発売までのどのタイミングでサポートされるのかに注目したい。

テリー・マイヤーソン氏は、Windows 10の無料アップデート施策を説明。Windows 10は発売後1年間、Windows 7/8.1、そしてWindows Phone 8.1のユーザーに向けて無償アップデートが提供される

ついに登場、スマートフォン/小型タブレット向けのWindows 10

 今回のイベントでの注目は、事前予想記事でも取り上げた「Windows 10 for phones and tablets」だ。先の記事で「Modern Consumer SKU」の仮名で呼んでいたものに相当する。これが正式名称かは不明だが、スマートフォンと小型タブレットをターゲットにしたWindows 10の製品バリエーションの1つとなる。

Windows 10 for phones and tabletsのホーム画面

 中身は「Windows Phone 8.1をよりWindows PCに近づけたもの」といった体裁で、ユーザーインタフェースがよりWindows 10に近づいている。詳細は後ほど確認が必要だが、いわゆる「デスクトップ」の機能がなく、既存のWindowsアプリケーションは動作しない。動作可能なのはWindows Phone 7以降のアプリと、Windows 8/8.1向けの「Modern UIアプリ」の2種類とみられる。

 現在Windows Phoneには仕様上の理由から「ディスプレイサイズは6型が上限」という制限があり、「スマートフォンにはWindows Phone」「ARM版タブレットにはWindows RT」「x86版タブレットにはWindows」のような区分けができている。意味合いとしては、Windows 10の時代になると前の2つがWindows 10 for phones and tabletsに包含され、残りの3つめが「標準的なWindows 10」という区切りとなる。

 より分かりやすく言えば、「スマートフォンと小型タブレットはWindows 10 for phones and tablets」「それ以外のタブレットやPCのフォームファクタはWindows 10 for PC」という分類になると思われる。

 今回のイベントで説明を行った同社Operating Systems部門の担当副社長であるジョー・ベルフィオーレ氏によれば、この「2つのWindows 10」の区分けとなるタブレットのディスプレイサイズは「8型」であり、それ以上はPCタブレット、それより下は(iPadやAndroidタブレットのような)モバイルOS搭載タブレットまたはスマートフォンになる。

 Microsoftが一方的にこの区分けをサイズで設定するのは筆者的に疑問に思うが、少なくともWindows 10搭載タブレットが登場する2015年後半のタイミングでは、8型がOS種別の分岐点にあたると考えてよいだろう。

Windows 10 for phones and tabletsを導入した「Lumia 1520」でプレゼンテーションを行うジョー・ベルフィオーレ氏
Windows 10 for phones and tabletsの概要

 Windows 10 for phones and tabletsでの大きなポイントの1つは「Officeアプリ」だ。Windows Phoneを使ったことがあるユーザーならご存じかと思うが、Windows Phoneでは「Office Mobile」の形でWord、Excel、PowerPointの3つのアプリケーションの機能の一部を利用できるアプリがプリインストールされており、これが他のスマートフォンにはない特徴となっていた。

 しかし現在、iPadとiPhoneにはそれぞれ専用のOfficeアプリが供給され、Androidタブレット向けの専用アプリも提供が開始されている。Windows 10 for phones and tabletsの時代には、これがほかのモバイルOS向けOfficeアプリと同じ形へと変更されることになるとみられる。

 ここでのポイントは、スマートフォン向けというよりはむしろ、タブレット向けの意味合いが大きい。Windows RTではOfficeアプリケーションが標準でプリインストールされていたが、これは最近iPadに提供されている「タッチ操作に最適化されたOffice」ではなく、従来の「デスクトップPC向けOfficeアプリケーションの機能限定版」だ。

 そのため、UIそのものはタッチ操作に最適化されているとは言い難い。Windows 10 for phones and tabletsでは、「デスクトップ向けOfficeアプリケーションとは別」にタッチ操作に最適化された「Officeのユニバーサルアプリ」が提供される。ユニバーサルアプリとは、いわゆるModern UIアプリのことで、Windows 10におけるアプリ実行の共通基盤となる。

ユニバーサルアプリとして提供されるOffice製品群。写真はPowerPointのプレゼンテーションを編集しているところ

 なお、このWindows 10 for phones and tabletsのプレビュー版の開発者などへの提供は今年2月をめどにしており、より詳しい情報は3月のMobile World Congressや4月のBuildカンファレンスで改めて公開されるという。おそらくはこのタイミングで、Windows 10におけるユニバーサルアプリやストアの仕組みが明らかになるだろう。

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