最新ルータ「AtermWG1200HP」の“グッと進化した”中継機能に注目するデュアルバンド中継の実力に驚け(3/4 ページ)

» 2015年03月18日 16時00分 公開

並列接続でバスルームも快適無線LAN環境に

 バスルームの無線LAN環境もWG1200HPで改善してみよう。バスルームは、無線LAN親機からさほど離れていないが、扉を閉めてバスタブにスマートフォンやタブレットを置くと無線LANはほとんど接続できない。

 親機をWG1200HPに変更すると多少は改善したが、バスタブ上では無線LAN親機と接続できてもすぐ切断といった状況だ。扉の部分からしか電波が出入りできないことと、高い位置にガラスの部分はあるもののアルミニウムの扉が電波を遮へいしてしまうのだろう。扉のガラス部分よりもバスタブが低い位置にあるという点も影響していそうだ。バスルームなので「扉を開けておけば無線LANが使える」では解決にならない。

 そこで、WG1200HPをもう1台準備して、2台目の中継機としてバスルームの扉近くに設置してみた。今回の評価作業ではWG1200HPが2台セットになったイーサネットコンバータセットを準備していたので、中継用の2台はWG1200HPを割り当て、親機には「WG1400HP」を使っている。WG1400HPは、IEEE802.11ac接続で下り最大867Mbps、2.4GHz帯のIEEE802.11n接続で下り最大450Mbpsと無線LAN親機としての使用には申し分ない。

 WG1200HPは2台とも再設定となるので設定が面倒そうと思うかもしれないが、“子機モード”に設定したWG1200HP2台を親機のWG1400HPとそれぞれボタン操作で子機として登録操作をするだけだ。作業時間は2台で5分もかからず終わった。

 中継機はバスルームの扉の正面に設置したかったが、実際に人が住む住居ではそう都合よく物が置ける棚はなかったりする。今回は、入口が隣り合うトイレの扉の上にある棚に設置した。

並列接続で中継機を導入したバスルームにおける転送速度の変化

 中継機を設置すると、それまで接続できなかったバスタブ上のスマートフォンでもIEEE802.11ac接続なら受信で73.3Mbpsと、スマートフォンであれば何も困ることはないであろう受信速度を記録した。入口付近では受信速度がわずかに低下して送信速度が向上という結果になったが、少なくとも中継機を設置したことが悪影響とはなっていない。

 2.4GHz帯のIEEE802.11n接続では入口付近、バスタブ上のどちらも中継機の導入で送受信速度は大幅に向上した。スマートフォンやタブレットは製品によって今でも2.4GHz帯のみのサポートなので、こちらの結果も重要だろう。バスタブ上でも受信は38.7Mbpsと、インターネット上のリッチコンテンツはもちろん、Blu-ray Discレコーダーなどからのリモート動画再生も楽しめる速度だ。

 並列接続で気になるのが、2台の中継機が同時動作したときの速度低下だ。無線LAN親機に有線LAN接続したBlu-ray DiscレコーダーからBSデジタル放送を録画した番組(規格上約25Mbps)を、キッチンの中継機にIEEE802.11acの無線LANで接続した部屋BのPCで再生しつつ、バスルームのバスタブ上からも無線LANで接続したスマートフォンで速度計測を行ってみた。

並列接続で2台の中継機が同時に動作した状態における転送速度

 さすがに中継機が2台同時動作する影響は避けられないが、それでも、スマートフォンからIEEE802.11ac接続時で受信30.8Mbps、送信25.8Mbpsを記録。2.4GHzのIEEE802.11n接続では速度の低下幅は小さく、受信36.4Mbps、送信26.8MbpsとIEEE802.11ac接続の転送速度を上回った。IEEE802.11ac接続では無線LAN親機と2台の中継機、そして、中継機とそれぞれの無線LAN端末と4つの区間で5GHz帯を共有する影響がさすがに大きいのだろう。

 また、バスルームは電波の遮蔽性が高く、隣接する家屋などから漏れてくる2.4GHz帯電波の影響を受けにくい点も、2.4GHz帯のIEEE802.11n接続でプラスに作用している。WG1200HPを複数台中継機として利用しても、メリットこそあれデメリットはあまりないことが分かる。

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