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「VAIO Z Canvas」の圧倒的パフォーマンスを徹底検証するVAIO Z/Pro 13と横並び比較(2/7 ページ)

» 2015年05月22日 17時00分 公開

大型ノートPC並の高性能CPUは小型ボディで性能を発揮できるのか?

 VAIO Z Canvasの大きな特徴が、ほぼジャストA4サイズ(幅301×奥行き213ミリ)、厚さ13.6ミリ、重さ約1.21キロ(評価機実測1177グラム)というコンパクトボディに、TDP(熱設計電力)が47ワットのCore i7 Hプロセッサラインに属するCore i7-4770HQを搭載していることだ。動作周波数2.2GHz(最大3.4GHz)で動作し、6Mバイトの3次キャッシュを備えている。

CPUは4コア/8スレッド対応の第4世代Core i7-4770HQ(2.2GHz/最大3.4GHz、3次キャッシュ6Mバイト)を搭載。TDP(熱設計電力)はなんと47ワットだ

 このCore i7-4770HQは、第4世代Coreプロセッサ高周波数版(開発コード名:Haswell Refresh)の4コアCPU/8スレッド同時処理対応モデルで、通常は軽くても2キロ以上の据え置き型前提の大型ノートPCに搭載されるクラスのCPUである。代表例で言えば、「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」と同種のものだ。1キロ台前半のモバイル向けデバイスとしては異例のハイスペックと言える。

 ここで、最新の第5世代Core(開発コード名:Broadwell)でないことに疑問を持つかもしれないが、第5世代CoreはまだUプロセッサ(TDP 15〜28ワット級)およびCore Mプロセッサ(TDP 4.5ワット級)しかリリースされておらず、Hプロセッサ(TDP 47ワット級)は未発表だ。ゆえに現状でCore i7-4770HQは第4世代でも最新のCPUとなる。

HWiNFO64でチェックしたVAIO Z Canvasのプロセッサ。Core i7-4770HQは、4コアCPUを内蔵する第4世代Coreプロセッサの高性能モデルだ。TDPは47ワットで、通常ならば、軽くても2キロ以上の据え置き前提の大型ノートPCに搭載されるクラスのモデルである

 なお、VAIO Z Canvasに付属するワイヤレスキーボードは、外形寸法が約301(幅)×213(奥行き)×4.4(高さ)ミリ、重量が約340グラムだ。2つ合わせて厚さは約18ミリ、総重量は約1.55キロとなる。

 つまり、キーボードと合わせても「13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」(厚さ約18ミリ、重さ約1.58ミリ)より小型軽量だ。画面サイズは一回り小さいが、より高性能でタッチパネルとペン機能に対応するのは見逃せない。

付属のワイヤレスキーボードは磁石でタブレット本体に吸着し、非使用時はこのように画面を保護した状態で持ち運べる。デジタイザスタイラスのペンホルダーもタブレット本体に装着可能だ

 さて、VAIO Z CanvasはそのCPUの性能をコンパクトボディで発揮できているのか? まずはCPU性能を評価するCINEBENCHのレンダリングテストを実行した。最新バージョンはR15だが、32ビットOS搭載機や以前の機種との比較用に、1世代前のR11.5のスコアも掲載している。

 CINEBENCHはCPUに大きな負荷がかかる内容であるとともに、GPUやストレージの影響をほとんど受けないことから、CPU処理性能の指標として最適だ。「CPU」テストはマルチスレッド性能、「CPU(シングルコア)」テストはシングルスレッド性能の目安となる。

CINEBENCH R11.5のスコア比較
CINEBENCH R15のスコア比較

 結果はCINEBENCH R11.5のCPUスコアで6.43pt、CINEBENCH R15のCPUスコアで616cbをマークした。CINEBENCH R15のスコアはVAIO Z(VJZ13A1)の約1.8倍、VAIO Pro 13(VJP1311)の約2.3倍と、さすがに2コア/4スレッド対応CPU搭載モデルを圧倒している。

 過去に筆者がレビューした中で言えば、マウスコンピューターの15.6型ゲーミングノートPC「NEXTGEAR-NOTE i5900PA1」がCore i7-4720HQ(2.6GHz/最大3.6GHz)を搭載していたが、これのCPUスコアが670、CPU(シングルコア)が139だった。

 VAIO Z Canvasが搭載するCore i7-4770HQ(2.2GHz/最大3.4GHz)とは動作周波数に差があることから、これには少し及ばないものの、4コア/8スレッド対応CPUの性能はしっかり引き出せており、満足できるスコアだ。

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