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「VAIO Z Canvas」の圧倒的パフォーマンスを徹底検証するVAIO Z/Pro 13と横並び比較(1/7 ページ)

» 2015年05月22日 17時00分 公開
ココが「○」
・上質感あるA4コンパクトボディ
・4コアCore i7+爆速SSDの高性能
・広色域・高精細の12.3型3:2液晶
・チューニングされたペン機能
ココが「×」
・ハイエンドな仕様ゆえに高額
・キーボードを含むと1.5キロ超え
・タブレットとしてスタミナは不利気味

ウワサの「VAIO Z Canvas」がいよいよ発売

 ソニーから分離したVAIO新会社がゼロから開発したハイエンドWindowsペンタブレット、「VAIO Z Canvas」の受注がついに始まった。2014年10月から国内外のイベントで展示され、高性能なペンタブレット環境を求めるクリエイター層の話題を集めてきた注目の新モデルだ。ネット注文での最短到着日は5月29日、発売日も同日となる。

「VAIO Z Canvas」

 受注開始とともに詳細仕様が明らかになったVAIO Z Canvasは、ほぼA4ジャストサイズ、13.6ミリ厚、約1.21キロのコンパクトなボディに、タブレットPCの枠を大きく超えた驚くべき性能を凝縮しているのが最大の特徴だ。

 4コア/8スレッド対応のCore i7 Hプロセッサをはじめ、Adobe RGBカバー率95%で高精細な12.3型“3:2”液晶ディスプレイ、最大16Gバイトのメモリ、最大1TバイトでPCI Express 3.0 x4対応の超高速SSD、書き味を追求した筆圧検知対応のデジタイザスタイラス、ワイヤレスキーボード、64ビット版Windows 8.1 Pro Updateなどを備え、プロクリエイターが本気で創作を行える高性能タブレットに仕上げている。

 今回は発売前に最終試作段階の評価機を入手できたので、性能面を中心に検証していこう。クリエイター視点でのレビューについては、漫画家の山田胡瓜氏によるペン機能の検証記事を2月に掲載済みなので、そちらもご覧いただきたい(ただし、製品版は2月の試作機から完成度が上がっているため、PC USERではクリエイター視点でのレビューを改めて掲載する予定だ)。

VAIO Z(VJZ13A1)、VAIO Pro 13(VJP1311)と性能を比較する

 VAIO Z Canvasは、メモリ容量やデータストレージの違いにより、3種類のモデルが用意されている。今回の評価機はミドルレンジモデルの「M(Middle) SKU」で、16Gバイトメモリ(DDR3L-1600)、PCI Express 3.0 x4接続の512GバイトSSDを搭載した構成だ。SSDの容量以外はハイエンドモデルの「H(High) SKU」と変わらないため、性能はほぼ同等と考えられる。

 比較対象としては、2015年2月に発表された高性能な13.3型2in1デバイス「VAIO Z(VJZ13A1)」のハイスペック構成、および2014年7月に発売された13.3型クラムシェルノートPC「VAIO Pro 13(VJP1311)」を用意した。いずれも人気のモバイルPCだ。

 VAIOから借用できた比較用のVAIO Pro 13(VJP1311)は、現行製品と異なり、SSDがPCI Express 2.0 x4接続ではなく、速度で劣るSerial ATA接続の評価機だった(ソニー時代の店頭モデルと同様)。ストレージ性能は差し引いて考える必要があるが、それでもVAIO Z Canvasのスペックは圧巻だ。もともと性能に定評あるVAIOのモバイルPCラインアップにあって、形状はタブレットながら最速の仕様になっているのが面白い。

 主なスペックは別表にまとめた。なお、今回のテストは室温25度の屋内で行なっており、電源設定に関しては、特に記載がない限り、Windows 8.1 Updateの電源プランは「バランス」、独自ユーティリティ「VAIOの設定」における「CPUとファンの動作モード」は「パフォーマンス優先」で行なっている。

比較対象とした「VAIO Z(VJZ13A11)」(写真=左)、「VAIO Pro 13(VJP1311)」(写真=右)
今回ベンチマークテストの結果を比較したVAIOタブレット/ノートPC
製品名 VAIO Z Canvas(VJZ12A1) VAIO Z(VJZ13A11) VAIO Pro 13(VJP1311)
発売時期 2015年5月 2015年2月 2014年7月
CPU 第4世代Core i7-4770HQ 第5世代Core i7-5557U 第4世代Core i7-4510U
CPUコア/同時処理スレッド 4コア/8スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド
標準クロック 2.2GHz 3.1GHz 2GHz
最大クロック 3.4GHz 3.4GHz 3.1GHz
3次キャッシュ 6Mバイト 4Mバイト 4Mバイト
TDP(熱設計電力) 47ワット 28ワット (cTDP 35ワット) 15ワット
CPU製造プロセスルール 22ナノメートル 14ナノメートル 22ナノメートル
CPU内蔵グラフィックス Intel Iris Pro Graphics 5200 (4次キャッシュeDRAM搭載) Intel Iris Graphics 6100 Intel HD Graphics 4400
GPUコア実行エンジン 40基 48基 20基
GPUクロック 200〜1200MHz 300〜1100MHz 200〜1100MHz
メインメモリ 16Gバイト (DDR3L-1600) 8Gバイト (LPDDR3-1600) 8Gバイト (DDR3L-1600)
メモリ転送 デュアルチャンネル デュアルチャンネル デュアルチャンネル
液晶ディスプレイ(方式) 12.3型(IPS) 13.3型(IPS) 13.3型(IPS)
解像度 2560×1704ピクセル 2560×1440ピクセル 1920×1080ピクセル
アスペクト比 3:2 16:9 16:9
タッチパネル 搭載 搭載 搭載
データストレージ 512GバイトSSD 512GバイトSSD 512GバイトSSD
ストレージインタフェース PCI Express 3.0 x4 PCI Express 2.0 x4 Serial ATA 6Gbps ※
バッテリー容量 63ワットアワー 58ワットアワー 37ワットアワー
バッテリー駆動時間 (JEITA 2.0) 約6.7〜7.6時間 約15.2〜15.5時間 約10.5時間
OS 64ビット版Windows 8.1 Pro Update 64ビット版Windows 8.1 Pro Update 64ビット版Windows 8.1 Pro Update
テスト時の「電源ブラン」 バランス バランス バランス
テスト時の「CPUとファン動作モード」(VAIOの設定) パフォーマンス優先 パフォーマンス優先 パフォーマンス優先
本体サイズ (幅×奥行き×高さ) 301×213×13.6ミリ 324.2×215.3×15.0〜16.8ミリ 322×216×12.8〜17.2ミリ
重量 約1.21キロ 約1.34キロ 約1.08キロ
※VAIO Pro 13(VJP1311)の製品版はPCI Express 2.0 x4を採用

 それでは、次のページから驚きのスコアを獲得した各種テスト結果を見ていこう。

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