6月9日(日本時間)から開催中のWWDC 2015(Worldwide Developers Conference 2015)で、最新OS Xの名称が発表された。
現行OS X「Yosemite」を継承する次期OSの名称は「OS X El Capitan」。El Captitanはヨセミテ公園にある花崗岩の一枚岩で、ロッククライミングの名所として知られる。この最新OSではパフォーマンスの改善とユーザー体験の向上がポイントだ。
WWDC 2015の基調講演では、OS X El Capitanの新機能として、新しいスワイプジェスチャーやフルスクリーンに対応したMail、2つのアプリケーションを画面いっぱいに表示するSplit View、自然言語による検索をサポートしたSpotlightなどが披露された。
新Mailでは複数のメールをタブで切り替えて同時に扱えるようになるほか、受信ボックスのEメールをiOSデバイスのようにスワイプ操作で管理できるようになる。具体的には受信ボックス内のメールを右にスワイプするとメッセージの開封/未開封、左スワイプすると削除する。
Split Viewは2つのアプリケーションを2分割して全画面に表示する新しいウィンドウ管理機能だ。フルスクリーン表示中のアプリに別のアプリをドラッグすると自動的に分割表示されるため、手作業でウィンドウサイズを変更したりする手間なく、文書を作成しながらWebで情報を調べるといったことが簡単にできる。
また、Mission Controlも強化され、1度のスワイプでデスクトップ上のウィンドウがすべて整列し、同時にしている作業を一望できるようになる。細かいところではトラックパッド上で指を前後左右にすべらせるとマウスカーソルが大きく表示されるので、画面上でマウスポインタを見失ったときに便利だ。
新しいSpotlightでは、最新の株価や世界中の天気とその予報、スポーツの試合結果などが検索できるほか、自然言語に対応したのがポイント。アップルの公式サイトに記載されている例では「4月に高尾さんから来たEメール」「昨日作った予算に関するプレゼン」などの検索ワードで一致するファイルを探し出せるとしており、日本語もサポートするようだ。
WebブラウザのSafariには、お気に入りのページをバックグラウンドで最新状態に保ち続けるピンが機能が加わり、タブバー上のピンからすばやくWebサイトにアクセス可能。また、AirPlayでWebページのビデオをテレビにストリーミングできるようになった。
一方、OS X El Capitanではパフォーマンスも大幅に改善される。具体的にはアプリケーションの起動速度が最大1.4倍、アプリケーションの切り替えが最大2倍、最初のEメール表示速度が最大2倍、PDFプレビュー時の速度が最大4倍、それぞれ高速になるという。
また、iOSで採用されている新グラフィックスAPI「Metal」がOS Xでも採用され、グラフィックスパフォーマンスを大幅に強化。システムレベルのグラフィックスオペレーションだけでなく、ゲームにも最適化されており、ドローコールパフォーマンスは最大10倍向上するという。
El Capitanの提供時期は開発者向けが6月9日(日本時間)、一般公開は秋の予定だ。
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