エイディシーテクノロジーは7月8日、スマートフォンやタブレットで使用される外付けキーボードに関して2件の特許を取得済みであることを発表した。
特許第5524148号は、状況に応じてスマホやタブレットに内蔵されたソフトウェアキーボードと、外付けキーボードをユーザーが切り替えられるというもの。同社が公開したイメージ図によると、スマホやタブレットに外付けキーボードを接続した場合、外付けキーボード側のドライバが有効になって利用可能になり、内蔵ソフトウェアキーボードがオフになる。現在販売されているスマホやタブレットには標準で備わっている機能という。
特許第5149336号は、出張先や旅行先にコンピュータを持参しなくても、外付けキーボードを持ち歩くだけで、接続したどのコンピュータ(PC、スマホ、タブレット)でも利用しやすい環境を構築できるというもの。キーボードを接続すると、利用可能なアプリケーションをディスプレイに表示する。キーボードから利用指示(許可)がない限りデータの利用(閲覧や編集)ができないため、データを適切に保護できるという。
同社によると、現在市場にある多くの製品はこの2件の特許に抵触すると思われ、例えば、会社の業務などでスマホやタブレットに外付けキーボードを接続してデータ入力する場合も当てはまる可能性が高いという。
この特許取得に伴い同社はキーボードに「ライセンス付与のシール」を付け、「特許ライセンス付きBluetoothキーボード」としてオンラインで販売している(ミヨシとサンワサプライの製品を販売中)。今後もライセンス付き製品のラインアップを増やしていくという。同社はライセンス付与シールのないキーボードを引き続き使用する場合、特許侵害となる可能性があるとしている。
すでに膨大な数の製品が販売され、多くのユーザーが利用しているこうした外付けキーボード製品。既存製品の多くが抵触する可能性があるという今回の特許取得についての発表は、多くのベンダーやユーザーにとって寝耳に水ではないか。この件が市場にどのような影響を与えるにせよ、既存のユーザーが不利益を被るようなことがあってはならないだろう。
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