2015年7月29日、ついに「Windows 10」が一般公開された。といっても今回は、Windows 7(SP1)/Windows 8.1 Updateのユーザーに向けた1年間無料アップグレードの提供が最優先だ。店頭でOSのパッケージ版が販売されるわけではなく、かつてのWindows 95発売時のようなお祭り騒ぎもない(31日深夜のDSP版発売イベントはそれなりに盛り上がったようだが)。
6月頃に「今回は特に一般向けのイベントを予定していないですよ(Windows Insider Program参加者向けのファンイベントは実施)」と日本マイクロソフトの担当者は話しており、7月29日はどう過ごしたらいいものか考えていたところ、同社から「7月末にシアトルで学生向けITコンテストの決勝戦が行われます。興味はありますか?」との連絡が入った。
「Windows 10に関して日本で取材することがないなら、ぜひ現地のイベントを取材しつつ、シアトル(正確にはレドモンド)にある米Microsoft本社にWindows 10の情報を直接探しに行こう」――ということで、編集部や同業者たちがWindows 10アップグレードに追われている頃、筆者はシアトル(レドモンド)の地にいた。
夏の米西海岸は快適な気候で晴天続き。話題のスポットに大量の観光客が押し寄せる中、Windows 10発売日のシアトル(と米Microsoft本社)を巡ってみた。
今回のシアトル渡航の目的は、「Imagine Cup World Finals」を取材することだ。2003年にビル・ゲイツ氏の発案でスタートした世界最大規模の学生向けITコンテストであり、今年で開催13年目を迎える。選考方法はさまざまだが、世界各地で予選が行われ、そこを勝ち抜いた33チームがシアトルへと集い、決勝戦に挑む。
今年は「World Citizenship」「Innovation」「Games」の3部門が設けられ、7月29〜30日に各部門での優秀者が決定され、31日に米Microsoftのサティア・ナデラCEOの登場する決勝戦で最優秀作が選ばれることになる。
さすがに地区大会を勝ち抜いただけあり、すぐに商用化も可能なレベルの作品が勢ぞろいで、アピールタイムである10分間のプレゼンテーションも巧みだ。日本からは香川高等専門学校のチーム「すくえあ」が「Screen AIR」という作品で参加している。興味のある方々はぜひウォッチしてみてほしい。
このImagine Cupに限らず、7月の米Microsoftはイベントが盛りだくさんだ。主に社内関係者やパートナー向けだが、WPC(Worldwide Partner Conference)が7月12〜16日に渡って米フロリダ州オーランドで、その翌週にはやはりオーランドで実質的な社員総会にあたる営業・マーケティング関係者向けのMGXが7月21〜24日の会期で開催されている。
そしてさらに翌週、今度は舞台をシアトルへと移し、技術系スタッフが集まる「TechReady 21」がImagine Cupと同時開催されている。TechReadyは製品開発チームやエバンジェリストら全世界のMicrosoft社員1万人が集まる大規模なイベントで、日本からも50人ほどの社員が参加しているという。残念ながら社外秘ということでTechReadyで行われている内容を知るすべはないのだが、Windows新製品の登場に向けて助走をつけているような印象を受けなくもない。
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