Windows 10の新機能である「Windows Hello」は、ユーザーのOSやサービスへのサインインに際して「顔認証」「指紋認証」「虹彩認証」という3つのバイオメトリクス認証を提供する。これまで、カメラの前に本人が近づくだけで顔認証が行われてパスワードなしで利用を開始できるような機能は、サードパーティーのソフトを組み合わせて実現されていたが、Windows Helloの顔認証では顔を立体的に識別できる仕組みが必要だ。
これに対して、Surface Pro 4は標準でフロント部分に通常のWebカメラとは別に赤外線センサーを搭載し、対象の奥行き情報を取得可能としている。これにより、IntelのRealSense 3Dカメラと同様、通常のWebカメラだけでは対応できない立体的な顔を本人と認証する仕組みをSurface Pro 4本体のみで実現しているのだ。
また米国では、英語版キーボードに指紋センサーが搭載された「Type Cover」のバリエーションモデルも販売されており、これを使うことでWindows Helloの指紋認証が利用できる。
ただし、通常のSurface Pro 4向けType Coverが129米ドルなのに対し、指紋センサー付きのカバー(Type Cover with Finger Print Reader)は159米ドルと割高だ。そのため、米国でも出荷量は限定されており、筆者もMicrosoft Storeでの展示品のほとんどが指紋センサーなしのモデルであることを確認している。
日本での提供予定も現時点ではなく、Windows Helloの利用にあたってはSurface Pro 4標準の顔認証機能を使うか、市販の外付け指紋センサー装置を購入することになる。
個人的にSurface Pro 4で最も注目しているものの1つが、純正アクセサリの「Surface Dock」だ。出先だけでなく、家やオフィスでも同じデバイスを活用しようと考えているユーザーは、これにより生産性の向上が期待できる。
Surface Dockはいわゆる「ドッキングステーション」の一種なのだが、面倒な着脱機構はなく、Surface Pro 3から採用された「Surface Connect」という専用端子を使って、本体への給電と通信ポートの拡張を実現している。
Surface Pro 3時代の「Surface Pro 3 Docking Station」は重厚な雰囲気だったが、Pro 4世代のSurface Dockは通常のACアダプタの端子を差し込む感覚で手軽に装着できるため、利用のハードルが下がった印象だ。
これにより、本体に不足しているUSBポートやMini DisplayPortを拡張し、ギガビットイーサネットポートの利用も可能になる。Mini DisplayPortはSurface Dock内に2つ用意されているため、マルチディスプレイ用途にも最適だろう。
Surface Dockは日本円で2万7432円(税込)と決して安いわけではないが、Surface Pro 4をデスクトップ的に屋内でも本格的に使いたいと考えているユーザーならば、一考の価値はある。
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