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「VAIO Z」に待望のクラムシェルノート(変形なし)登場 Skylake採用で2モデルへ2016年PC/タブレット春モデル(1/2 ページ)

» 2016年01月27日 09時00分 公開
[前橋豪ITmedia]

VAIOのハイエンドモバイルPCが2モデル展開へ

 VAIOは1月27日、13.3型ハイエンドモバイルPC「VAIO Z」の新ラインアップを発表した。新たに変形機構のない「クラムシェルモデル」を投入し、これまでの2in1タイプは「フリップモデル」という呼称になっている。いずれも、第6世代CoreやNVM Express(NVMe)対応PCI Express(PCIe) SSDの採用で基本スペックを強化しつつ、入力環境を改善した。

VAIO Zクラムシェルモデル 「VAIO Z」クラムシェルモデル
VAIO Zクラムシェルモデル このように天面に変形機構を示すスリットがなく、通常のクラムシェルノートPCとなっている。VAIOロゴは小さく中央に配置されている
VAIO ZフリップモデルVAIO Zフリップモデル 変形機構を備えてタブレット形状になる「フリップモデル」も引き続き展開する

 購入時に仕様を選べるVAIO OWNER MADE(VOM)モデルは、2月16日9時に受注を開始し、最速納品日が2月26日の予定。店頭販売するスペック固定の標準仕様モデルは、2月26日に発売する。

 VOMモデルには特別カラーのVAIOロゴ、キー印字がない無刻印キーボードといった特別オプションを用意した。また初回購入特典として、VOMモデル、標準仕様モデルとも購入者に数量限定でVAIO Zの基板をベースとしたアクセサリーを配布する。

ユーザーニーズに応えて追加したクラムシェルモデル

 新ラインアップで最大の目玉は、新登場のクラムシェルモデルだ。2015年2月に発売したVAIO Z先代モデルの購入者に対して、同社が導入決定の要因を調査したところ、性能やデザイン、質感の高さといったVAIO Zで重視してきた本質的な要素は高評価だった一方、天板が2つに折れてタブレット形状になるフリップ機構と筆圧ペンは重視しないユーザーが多いという結果が出た。そこでユーザーニーズに応えて、変形機構なしのモデルを加えたという。

 クラムシェルモデルは、従来のフリップモデルと基本設計およびボディーデザインを共通化しつつ、天板側の変形機構をなくし、液晶ディスプレイ側のタッチパネルとカバーガラスも省いている。液晶ディスプレイは低反射コート仕様だ。これにより、重量は約180グラム減の約1.17キロ、バッテリー駆動は12時間増の最大約27時間(JEITA 2.0)となった。このバッテリー駆動時間はVAIO史上最長だ。

 また、クラムシェルモデルはWindows 10のダウングレード権行使によるWindows 7 Professional(2016年4月下旬発売予定)、4GBメモリ、1920×1080ピクセル表示のフルHD液晶ディスプレイといったフリップモデルにない仕様を選択でき、VOMモデルの想定価格もフリップモデルの19万9800円(税別、以下同)からに対し、15万6800円からと下がる。これにより、ビジネスノートPCとしてより導入しやすい構成となった。

VAIO Zクラムシェルモデル VAIO Zクラムシェルモデルはフリップモデル同様、天板にアルミニウム合金を採用。基本的なボディーデザインはフリップモデルと共通化しており、変形機構をなくしたぶん、天板を特別薄く仕上げるといったことはしていない(厚さはどちらのモデルも15.0〜16.8ミリ)

Skylake、NVMe対応PCIe SSDでパフォーマンスアップ

 フリップモデル、クラムシェルモデルともそれ以外のスペックは共通化されている。プロセッサはSkylake(開発コード名)こと第6世代Coreを搭載。従来同様、TDP(熱設計電力)が28ワットのプロセッサを採用し、スリムノートPCで主流の15ワット版に比べて、CPU性能で30%、グラフィックス性能で50%の処理性能向上が得られるという(同社のCHINEBENCH R15テスト結果による)。

 ストレージはPCIe 3.0 x4(32Gbps、データ帯域4Gバイト/秒)接続でNVMe対応のM.2型SSDを内蔵。PCIe 3.0 x4 SSDは同社のクリエイター向けタブレットPC「VAIO Z Canvas」でも搭載していたが、NVMe対応SSDはVAIOとして初採用となる。先代のVAIO Zが搭載するPCIe 2.0 x4 SSDと比べて、ランダムアクセス性能が2倍以上、シーケンシャルアクセス性能が1.2倍に向上したという(同社のCrystalDiskMark 5.0.2テスト結果による)。

 省電力の面では、Skylake(Uシリーズ)におけるWindowsアイドル状態の最上位省電力モード(C10)に対応。プロセッサ、各デバイス、バスを必要な省電力ステートに入れてはじめて電源電圧を下げることができ、これにより実現される最上位の省電力モードとなっており、スペック表に現れない部分でも消費電力の低減に注力した。

 入力環境もブラッシュアップしている。キートップは新開発のフッ素含有UV硬化塗装により、皮脂油をはじき、汚れが目立ちにくく、拭き取りやすく、耐摩耗性を向上させた。タッチパッドは、Windowsのジャスチャー操作がより滑らかになる「高精度タッチパッド」準拠となり、手のひらと指をDSPによる解析処理で見分けることで、キー入力中のミスタッチを抑えるパームリジェクション機能も強化した。

キーボードとタッチパッド フッ素含有UV硬化塗装で耐久性が向上したキーボードと、操作性を高めたタッチパッド

 フリップモデルには、VAIO Z Canvasのユーザーフィードバックをもとにしたユーティリティソフト「VAIO Pencil Borad」(タッチパネルの一部もしくは全体を無効にする下敷き機能)と「VAIO Shortcut Key Menu」(ソフトウェアショートカットキー機能)を追加した。

フリップモデルの変形機構 フリップモデルは従来同様、キーボード上部にあるスイッチで変形機構のロックを解除し、天板中央部のラインを軸として、液晶ディスプレイをぐるりと180度回転できる。これにより、クラムシェルノートPCスタイルの「キーボードモード」、画面を反転させて斜めに立てた状態の「ビューモード」、そこから画面を上にして閉じた状態の「タブレットモード」と、3つのスタイルを使い分けられる
フリップモデルの筆圧ペン フリップモデルには筆圧対応のデジタイザスタイラスが付属。VAIO Z Canvasと同じ性能でクリエイティブなペン描画が行える

3つのお楽しみ企画も用意

 VAIO Zファンのため、3つのお楽しみ企画も用意した。

 1つ目は「勝色ダブルアルマイト仕様」。これは天板のダイヤモンドカット処理されたVAIOロゴが、VAIOのコーポレートカラーである「勝色」(理性を示す「青」と、感性を示す「紫」を混ぜた色)に光の反射で輝くというものだ。

 アルミニウム合金の天板は通常、成型、ブラスト、アルマイト処理、ダイヤモンドカットによるVAIOロゴ作成といった工程で製造されるが、この後に2回目のアルマイト処理を加えて勝色に染色する。これは、VOMモデルでもCore i7+16GBメモリのハイスペック構成のみで選択できる特別オプションだ。

勝色ダブルアルマイト仕様勝色ダブルアルマイト仕様 「勝色ダブルアルマイト仕様」のVAIOロゴ

 2つ目は「無刻印キーボード」。キートップから一切の印字を取り除き、完全な無刻印キーボードとした上級者向けの仕様だ。US配列のみで、日本語配列は用意されない。キーボードバックライトは内蔵しており、キートップの周囲が光る。この無刻印キーボードはソニーストアオンラインにて台数限定で販売される予定だ。

無刻印キーボード無刻印キーボード キーの印字を完全に省いた「無刻印キーボード」

 3つ目は「Z ENGINE基板アクセサリー」だ。VAIO Zのメインボードに使用された回路パターンの一部をドッグタグ(認識票)仕様のアクセサリーチャームに仕上げており、VAIOロゴ、Z ENGINEの文字、シリアルナンバーが表面にあしらわれている。

 Z ENGINEの文字は凝った作りで、VAIO Zの生産に使われる実装ラインで、VAIO Zの最小チップ部品と同サイズ(0603)のチップコンデンサを0.15ミリ間隔でマウントして成形した。初回購入特典として、VOMモデル、標準仕様モデルとも購入者に数量限定で配布される予定だ。

Z ENGINE基板アクセサリー 凝った作りの「Z ENGINE基板アクセサリー」

 なお、先代のVAIO ZはセレクトショップのBEAMSとコラボレーションしたモデルも用意していたが、今回もコラボを計画中という。

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