今回はNuAns NEOもVAIO Phone Bizもほぼ同等にContinuumの基本動作が行えることを確認したのですが、VAIO Phone Bizのほうが全体的な動作は少しだけスムーズなように思えました。どちらも画面のスクロール時などに、ワイヤレスディスプレイアダプター側のMiracastによる映像圧縮が間に合わず、ブロックノイズのような画面が発生してしまうこともありますが、それもすぐ収まります。
Continuumの性能がほぼプロセッサに依存することを考えると、同じSnapdragon 617を搭載したNuAns NEOとVAIO Phone Bizで使い勝手は変わらないはずですが、そう単純な話ではありません。Continuum利用時は、スマホからワイヤレスで外付けディスプレイに画面を表示させ、さらにそれを動作させながら、一方で内蔵ディスプレイからスマホ本体の機能も使えるという、複雑な処理をしていることになります。
そうした処理のため、メモリの余裕がある程度必要になることを考えると、VAIO Phone Bizのメモリ容量が3GBと大きいところが差となって現れたとも考えられます(NuAns NEOのメモリは2GB)。ちなみに1080p以上の画面解像度では、3GBメモリがContinuumの推奨環境とされています。
実際にContinuumを使ってみると、アプリは全画面表示のみで、利用アプリも限られていたり、ラグが少しあったりと、当然ながらWindows 10搭載PCのようにはいかない部分があるというのを肌で感じます。
しかし、MicrosoftのOfficeアプリはキッチリ使えることや、OSレベルでクラウドストレージのOneDriveとつながっていることを考えると、仕事場や自宅のPCで作業していた環境をすぐに引き継げるという連動性は便利です。
例えば、オフィスのWindows PCで作った資料をOneDriveに保存し、外出先でワイヤレスディスプレイアダプターをプロジェクターに差し込んで、Windows 10 MobileスマホのContinuum機能でスクリーンにPowerPointを映し出し、スマホのタッチ操作でプレゼンする――こういった使い方にはピッタリだと思います。
もちろん、Continuumはこれで完成というわけではありません。対応アプリの拡充、マルチウィンドウへの対応、安定性やレスポンスの改善など、これからの仕様強化に期待したいところです。そのデキによっては、Windows 10 Mobileスマホがより魅力的なアイテムになるでしょう。
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