今年に入って続々と新商品が登場しているVRヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)。2016年は「VR元年」になるともいわれており、家の中でもVRを気軽に楽しめる時代になってきた。
本記事では、「Oculus Rift」「PlayStation VR」など今注目のVR HMD5つを紹介していく。
米Facebook傘下Oculus VRの「Oculus Rift」は、VR HMDの代名詞ともいえる存在だ。
価格は599ドルで、日本円では送料込みで9万4600円。1月に予約したユーザーは5月には製品を受け取れるという。
Oculus Riftを開発・生産するためのクラウドファンディングが2012年8月にKickstarterで行われたのは記憶に新しい。当時としては珍しかった広視野角のレンズと低遅延のセンサーによるヘッドトラッキングを搭載したOculus Riftは高い関心を集め、目標額の974%という超が付くほどの大成功を収めた。
ソフトウェアの開発環境も公開されたことで、ジェットコースターなど臨場感あふれるアプリが作られ、ゲーム業界以外の人々にも影響が広がっている。
ただし、Oculus Riftを動かせるPCは、NVIDIA GeForce GTX 970/AMD Radeon R9 290などのGPUを搭載するハイスペックモデルである必要があり、それなりの出費は覚悟しておかないといけない。
ゲーマー注目のVR HMDが、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「PlayStation VR」。2016年10月に4万4980円(税別)で発売される。
発売と同時にPS VR専用タイトルとして6本のゲームが収録された「THE PLAYROOM VR」を無料配信するほか、230社以上(日本だけで34社)のメーカーが対応ソフトウェアの開発参加表明をしている。
PS VRは仮想空間内で眼前に広がる大スクリーン(最大225型/横幅5メートルのスクリーンが2.5メートル先にあるように感じられる)に、専用ソフトウェアタイトルを映し出してVRの体験が楽しめるほか、映像コンテンツ、シェアプレイ、Live from PlayStationのソーシャル機能など、PS4のさまざまなコンテンツや機能を映し出すシネマティックモードも備えている。全天球カメラなどで撮影された360度全方向を見渡せる写真や動画の表示にも対応する。
台湾HTCの「HTC Vive」は、Windows用VR HMD。販売価格は11万1999円(税別)で、3月から予約を受け付けており、4月5日に出荷する。
画面解像度は2160×1200ピクセル(片側で1080×1200ピクセル)で、リフレッシュレートは90Hz対応、前方の視界を確認できるフロントカメラを搭載する。周辺機器として自分が今いる空間を測定するセンサーと、両手に持って使用するコントローラー2つのほか、プリインストールコンテンツとして「Fantastic Contraption」と「Job Simulator」が付属する。
電話機能を備え、HMDを装着したままVRコンテンツの視聴を中断することなく電話の着信や不在着信、テキストメッセージ、カレンダーなどを確認できるのが特徴だ。
また、ゲーム販売プラットフォーム「Steam」の運営元である米Valveと提携し、同社のVR技術「SteamVR」を採用する。
国内ではアユートが取り扱う、中国GALAXY MicrosystemsのVR HMD「GALAX VISION」。実売価格は5万4800円(税込)。
GALAX VISIONは、1080p(1920×1080ピクセル/60Hz表示)対応の開発者向けVR HMD(対応エンジンはUnity)。非球面レンズを採用し視野角は100度、応答速度は25msとなっている。ジャイロ、加速度、磁気の各種センサーを内蔵するほか、インタフェースとして、HDMI入力(1.4b)とUSB、ヘッドフォンジャックを搭載し、PCのグラフィックスカードに搭載されるHDMI端子から直接映像を出力できる。
韓国Samsung ElectronicsのVRヘッドセット「Gear VR」は、Galaxyスマートフォンで利用するモデル。国内ではアイ・オー・データ機器が販売する。
Gear VR本体に加速度センサー、ジャイロセンサー、近接センサーを備え、対応スマートフォンとディスプレイと組み合わせて利用する。コンテンツは360度対応のゲームやライブ映像など100以上を用意。スマートフォンとの接続はMicro USBを使用する。
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