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» 2016年10月26日 06時00分 UPDATE

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:まだ終わらんよ 見えてきたWindows 10 Mobileの次期アップデート (1/2)

日本以外でいまいち盛り上がっていない「Windows 10 Mobile」。iOSとAndroidの壁は厚いが、ビジネスユース向けに機能強化やサポートは続けていく方針だ。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 日本では独自性の高いスマートフォンが複数販売されて話題となった「Windows 10 Mobile」だが、世界的には苦戦が続いている状況だ。MicrosoftはこのモバイルOSを今後どうするつもりなのか、近況をまとめた。

NuAns NEO トリニティのWindows 10 Mobile搭載スマートフォン「NuAns NEO」。日本ではこうしたユニークな製品が複数登場したが、Windows 10 Mobileのシェアはワールドワイドで苦戦している

シェアが半減したWindows 10 Mobile

 調査会社の米IDCが発表した資料によれば、2016年第1四半期(1〜3月期)に0.8%だったWindows 10 Mobile(旧Windows Phone含む)のシェアは、第2四半期(4〜6月期)には0.4%まで半減している。

IDC 米IDCが9月に発表した最新のスマートフォンOS世界シェア(出典:IDC)

 この数字は出荷数ベースのため、ほぼ新製品がない状況では当然の結果と言えるが、Windows 10 Mobileのシェアが上昇する余地はなさそうだ。恐らく第3四半期(7〜10月期)は「HP Elite x3」などの新製品が出荷され、若干持ち直す可能性があるものの、依然シェアの面で厳しいことに変わりはないだろう。

HP Elite x3 Snapdragon 820を搭載したハイエンドのWindows 10 Mobile端末「HP Elite x3」

企業向けにフォーカス、サポートは今後も継続

 Microsoft自身もこの状況を覆すのは既に難しいと考えているようだ。製品アピールは「個人向け」ではなく「企業向け」を前面に押し出す戦略に切り替えつつある。Office関連など生産性向上ツールはAndroidやiOS向けにも提供する一方、主に企業向けにはWindows 10 MobileのOS面での機能拡充を行っている。

 実際、仏メディアのLe PointがMicrosoft Franceのトップに今夏から就任しているバヘ・トロシアン(Vahe Torossian)氏をインタビュー取材した9月の記事では、「Windows Phoneにおける戦略は、一般向けというよりも、ビジネスに注力している」とコメントしている。

 これは最近のMicrosoftの動向を裏付ける発言の1つでしかない。ただ、一部でうわさとなっていた「Surface Phone」が、既存のLumiaを置き換える製品として登場する可能性は薄いだろう。既存ラインの延長線上での市場投入は行われずに、フェードアウトしたと考えるのが妥当だ。

 一方、同氏は「Windows 10 Mobileのサポートは今後も継続する」という点を強調している。これは重要なポイントで、低空飛行ながらもWindows 10 MobileのOSとしての機能強化は続けられていくということだ。

 Nokiaの買収によって獲得したモバイルハードウェア開発部門を整理する話題が出た際、Windows&デバイス部門(WDG)担当のテリー・マイヤーソン氏はパートナーらに対してサポートの継続とLumiaデバイスの今後の市場投入を約束するメールを送っている。

 少なくとも、既にWindows Mobileデバイスの展開が進んでいる企業へのサポートも考慮して、今後5年以上の継続的な機能強化やセキュリティ対策は行われるだろう。

Windows 10 Mobile 米Microsoft WDGトップのテリー・マイヤーソン氏がWindows 10 Mobileの継続サポートを約束
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