15.6型ノートPCが3万円台!? 「乃木坂46 CM限定モデル」はどれだけ使えるのか(3/3 ページ)

» 2017年01月26日 19時57分 公開
[石川ひさよしITmedia]
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低価格モデルなりの性能だが普段使いには十分。メモリを増設すれば軽いゲームも

 それではMB-B502Eのパフォーマンスを見てみよう。まず、Windowsエクスペリエンスインデックス値は、CPUが6.7、メモリが5.9、グラフィックスが4.1、ゲーム用グラフィックスが9.9、プライマリディスクが8.1となっている。ゲーム用グラフィックスが9.9というのは何らかのエラーが生じているように思われるが、それを除外すればだいたい6ポイント前後といったところだ。CPUとグラフィックスは、メインストリームノートと比べると一段低いスコアなので、ここが注意点。一方でプライマリディスクに関しては8.1ポイントと高い値だ。

Windowsエクスペリエンスインデックス(WinSat)の値

 CPUパフォーマンスを見るCINEBENCH R15では、CPUが134cb、CPU(Single Core)が35cbだった。このスコアは、例えば2コア/4スレッドのモバイル向け低電力版Coreと比べてシングルコア時で1/3.5程度、マルチスレッド時で1/2程度となる。それだけ「出来ることは限られる」と言うわけだ。ただし、CINEBENCH R15は3DCGのレンダリングソフトであり、本製品をそうした用途で使うことはまずないだろう。

CINEBENCH R15のスコア

 3D性能に関しては、あまり本製品の得意とする分野ではないが、まずは3DMarkのスコアを見ていこう。DirectX 9ベースのIce Stormは24176ポイントとまずまず高いが、DirectX 10ベースのCloud Gateは2079ポイントと極端にスコアを落とす。DirectX 11ベースで負荷が軽めのSky Diverは1150ポイント、負荷が重めのFire Strikeは259ポイントと、本製品はあくまでDirectX 9程度のゲームタイトルに抑えておくのがよいだろう。

3DMarkのスコア(左からFire Strike、Sky Diver)

3DMarkのスコア(左からCloud Gate、Ice Storm)

 続いてメインストリームノートならばファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルドベンチマークをテストするところだが、本製品の場合は、DirectX 9で、画質設定を最も低いプリセットの標準品質(ノートPC)、解像度も最も低い1280×720ピクセルとしても、1508ポイントで、「設定変更を推奨」という結果だった。このように、ファイナルファンタジーXIVに関しては、プレイが難しいと言わざるをえない。

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークのスコア。DirectX 9、1280×720ピクセル、標準品質(ノートPC)での値

 そこでもう少し負荷の軽いドラゴンクエストX ベンチマークソフトを試してみた。こちら1280×720ピクセルでは画質を低品質に抑えても「やや重い」判定だったが、640×480ピクセルに落とせば画質を最高品質にしても3312ポイントの「普通」判定が出た。この点、遊べるとしても本格的に楽しむには少々荷が重いと言える。なお、SO DIMMを1枚追加してメモリを8GBに増設すれば、1280×720ピクセルの低品質で「普通」判定に向上する。ここはBTO選択時に考慮すべき点と言える。

メモリ4GB状態での1280×720ピクセル、低品質のスコア(左)と、8GBに増設した後のスコア(左)

 ストレージ性能をCrystalDiskMark 5.2.1 x64で見るとどうだろうか。本製品で採用されているKingstonのUV400シリーズはリードが最大550MB/秒、ライトが最大490MB/秒だが、実際にベンチマークを実行してみると、シーケンシャルリードは551MB/秒とカタログ通りの値を出す一方、同ライトは368.2MB/秒とKingstonのカタログ値には及ばない。

 また、4KQ32T1リードは76.47MB/秒、同ライトは64.02MB/秒と、昨今のSSDとしては遅い。UV400が一般的に流通しているモデルと異なるOEM専用モデルである可能性は否定できないが、それよりも4Kの読み書きの処理を捌くCPU性能が足りていない可能性のほうが高いだろう。

搭載していたのはKINGSTONのSUV400の240GBモデル

CrystalDiskMark 5.2.1 x64のスコア(Cドライブ)

 とはいえ、こうしたストレージ性能であっても、一昔前の低価格ノートに見られたeMMC接続のオンボードSSDよりは断然速い。エクスプローラを開くような時のレスポンスも、一昔前の低価格ノートよりキビキビしている。こうした点で、以前の「Netbook」よりはずいぶんストレスが緩和されている。それにeMMCと比べ、システムストレージの容量に不安がない点で、PCの活用の幅が大きく広がる。

 システム性能をPCMark 8で見てみよう。Home accleratedは1735、Creative accleratedは1800、Work accleratedは1432といった結果だった。このスコアから見るとあまり高いものではなく、過度な期待は禁物と言える。ただし、PCMark 8の負荷はかなり高く、マルチスレッドも多い。本製品は、比較的負荷の軽いアプリケーションが中心で、同時実行されるスレッド数も少なめで運用するのが適している。例えばテキスト編集や複雑ではない表計算などのアプリケーションを用いる範囲では、実運用に問題のないレベルである。

PCMark 8のスコア。左からHome、Creative、Workの順

 さて、本製品が採用しているCeleron N3160はTDPが6Wと低い。その点で発熱や冷却にはあまり不安はないと思われる。そこで3DMarkのFire StrikeとPCMark 8のHome acclerated実行中の最大温度を見てみた。なお、統合GPUを用いているため、CPU温度のほうが高くなるので、CPU温度のみ見ていこう。結果は、3DMarkでは最大67度、PCMark 8では69度と、Tjunctionの90度という値からすればかなり余裕のあるものだった。ベンチマーク中に、キーボード面の各所に触れても、熱いと感じることがなかったことも添えておこう。

3DMarkのFire Strike実行中の最大温度

 一方で、動作音は一般的なノートPCか、あるいはそれ以上となることがあった。本製品は、アイドル時〜軽作業中に関してはほとんどノイズを感じない快適さだが、CPUの全コアに高負荷がかかるCINEBENCH R15や、CPUとGPU両方に負荷がかかる3DMarkやPCMark 8などでは動作音が上昇した。ベンチマーク中続くというわけではないので、回転数はきめ細かく制御されていると思われるが、この点は惜しまれる。

 最後にバッテリー駆動時間をBBench V1.01から見た。カタログスペックでは約5.4時間とされているが、実測値はキーストロークON、Web巡回ON、ネットワーク接続がWi-Fi、そしてPCの電力設定がバランスの状態で6時間56分だった。カタログ値よりは若干長かったが、液晶輝度が通常利用よりは暗めの設定なので、実際にはもう少し短くなるかもしれない。とはいえ、このくらい持つのであれば、何か特別な用事で持ち運ぶ程度の用途なら十分対応できるはずだ。

汎用規格で実用度がアップ! 十分使えるスペックの低価格ノート

 ベンチマークで明らかにした通り、軽作業については十分なパフォーマンスが得られる一方、CPU負荷の高いものやマルチスレッド処理、3Dゲームなどは本製品には適さない。この点で、Webベースのアプリケーションやオフィス系アプリケーションの利用、そしてパネル解像度止まりの映像再生や音楽再生などが本製品の主な用途に挙げられるだろう。デザイン面やスペック、価格を考慮すれば、PC習得用の“初めての1台”にも向いている。

 その価格だが、ベースモデルは2つ。スタンダードモデルはこれまで見てきたスペックで本体OS込みの3万9800円(税抜き、送料別)。これにオフィスソフト(Office Home & Business Premium+Office 365 1年ライセンス)を付けた「MB-B502E-A」が5万9800円(税抜き、送料別)となる。

 ディスプレイが大きく、ゆとりのあるキーボード配列、メモリやストレージを交換、あるいはBTOすることでより長く使える点や、充実したインタフェースを考慮すれば、普段使いのノートPCとしてコストパフォーマンスは高い。そうした視点から検討してみていただきたい。

マウスコンピューター/G-Tune

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