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10月17日に配信開始 「Windows 10 Fall Creators Update」でPCはこう変わる鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/4 ページ)

» 2017年10月17日 09時30分 公開

「Windows Mixed Reality」が本格始動

 これまで「Microsoft HoloLens」で限定的に提供されてきた「Windows Mixed Reality(MR)」の世界が、ついに一般ユーザーのもとにやって来る。

 今回提供されるWindows MR(複合現実)は、HoloLensのようなAR(拡張現実)寄りの技術ではなく、一般的に言うところのVR(仮想現実)となる。これまで高価でハイスペックのマシンが必要だったPC向けVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)をOSレベルでサポートし、PC本体の要求スペックとHMDの価格を下げることで、より幅広いユーザーが導入しやすくなることが大きなポイントだ。

 Fall Creators Updateの提供開始に伴い、同アップデートを導入したWindows 10搭載PCと、OEM各社から比較的低価格(299ドルから)で販売されるWindows MR対応VR HMDの組み合わせによって、多くのユーザーがWindows MRの世界を体験できるようになる。

Fall Creators Update 「Windows Mixed Reality」の利用イメージ
Fall Creators Update Fall Creators Updateの提供開始に伴い、OEM各社からWindows MR対応のVR HMDが登場する予定だ。価格は299ドルから

 Microsoftでは既に提供済みのものも含めて、Fall Creators UpdateのタイミングでWindows MRを楽しむための3種類のサービス(アプリ)を用意している。まずMRへの入口となる「Mixed Realityポータル」、(HMDなしでも)MRコンテンツを楽しむための「Mixed Realityビューアー」、そして3Dコンテンツを作るための「ペイント3D」だ。

Fall Creators Update Windows Mixed Realityの世界を楽しむためのアプリがFall Creators Updateには用意されている

 PC側がスペック要件を満たしており、実際にWindows MRの世界を体験できるかどうかは「Mixed Realityポータル」を起動したタイミングで判定プログラムが走り、ユーザーに通知してくれる。

 比較的ハイエンドなPC、あるいは2017年後半に登場するミドルレンジ以上のPCが最低要件となるが、試験をパスしたユーザーは是非Windows MRの世界をいち早く楽しんでいただきたい。

 対応するHMDがなくても、Mixed Realityビューアーを使えば、Windows MRコンテンツを利用できる。Remix3D.comサイトで公開されている3Dオブジェクト、またはユーザーがペイント3Dで作成した3Dオブジェクトが、PCのカメラを通じて実際の環境に合成表示される仕組みだ。

Fall Creators Update 全ての入口となる「Mixed Realityポータル」
Fall Creators Update 残念ながら筆者の環境では入口を見ただけで終了のようだ……

 なお、2017年内にはPC向けのメジャーなVRプラットフォーム「SteamVR」のアプリをWindows MRに対応させる予定があり、Windows MR向けHMDで利用可能なコンテンツが大幅に増えていくことが期待できる。

OneDriveでは「Files On-Demand」が復活

 OneDriveを中心に、ストレージ関連機能の強化もポイントだ。OneDriveでのバージョン履歴機能や「Files on Demand」機能、Storage Senseによる自動ファイル整理機能といった具合に、なるべく容量を節約しつつ、必要なファイルのバックアップはいつでも取得でき、最新状態を保つ仕組みが採用されている。

 ちなみにFiles On-Demandとは、OneDriveのクラウドに保存したファイルを必要に応じてダウンロードして利用できる機能だ。ローカルにファイル本体を保存しないでクラウドに置いておき、必要なときだけダウンロードする仕組みなので、ローカルストレージの容量を抑えられる利点がある。

 実はWindows 8.1で同様の機能(Placeholders)を備えていたが、Windows 10では同期フォルダの選択が可能になった一方で、この機能が省かれており、ローカルストレージを圧迫する要因と指摘されていた。復活を望むユーザーの声に応えた

Fall Creators Update Files On-Demandでは、アイコンの表示でファイルがオンラインか、ダウンロードされてローカルで利用可能か、ローカルに必ず保存されている状態かが分かる

「あなたのPeople」で友人とつながりやすく

 ユニークな新機能の1つが「あなたのPeople(People Hub)」だ。インストール済みのアプリや接続済みのサービスを通じて友人情報を参照し、よくアクセスする相手をタスクバー上に「ピン留め」しておくことで、必要に応じてすぐに連絡できる仕組みが用意される。

 もともと前回(4月11日配信開始)の大型アップデート「Creators Update」のタイミングで導入予定だった機能が、Fall Creators Update以降に正式導入された形だ。

Fall Creators Update People Hubでは接続済みサービスの友人をタスクバー上にピン留めできる

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