“HDR”対応でより深みのある映像表現――「ThinkPad X1」ファミリーの2018年モデルが登場CES 2018

» 2018年01月09日 17時25分 公開
[井上翔ITmedia]

 Lenovoは1月8日(米国太平洋時間)、「ThinkPad X1 Carbon」「ThinkPad X1 Yoga」「ThinkPad X1 Tablet」の2018年モデルを発表した。全モデルに第8世代Coreプロセッサと「Amazon Alexa」に対応する無指向性高感度マイクを搭載していることと、構成によってはHDR(ハイダイナミックレンジ)液晶も選択できることが大きな特徴。米国での価格はX1 Carbonが1709ドルから、X1 Yogaが1889ドルから、X1 Tabletが1599ドルからとなる。米国ではX1 CarbonとX1 Yogaは1月から、X1 Tabletは3月から販売を開始する予定だ。

(日本での発売は現時点では未定)

(Amazon AlexaとHDR表示は後日のソフトウェア更新で対応予定)

ThinkPad X1 Carbon(第6世代)

 「ThinkPad X1 Carbon」は、クラムシェル型のフラグシップモデル。2018年モデルは「第6世代」に相当する。

 ボディーサイズは323.5(幅)×217.1(奥行き)×15.95(高さ)mmで、2017年モデル(第5世代)と変わらない。最軽量構成の重量は約1.13kgで、先代とほぼ同じだ。

 ブラックとシルバーから選べるボディーカラーも先代と同様。ただし、天板の「Lenovo」ロゴが「X1」ロゴに置き換えられ、ブラックについてはヒンジやThinkPadロゴが黒系の色に変更されている。カラーと天板回りの仕様は、後述のX1 Yogaも同様だ。

ThinkPad X1 Carbon(第6世代)(ブラック)ThinkPad X1 Carbon(第6世代)(シルバー) ThinkPad X1 Carbon(第6世代)は、先代と同様にブラック(写真=左)とシルバー(写真=右)をラインアップ
X1ロゴ 天板の「Lenovo」ロゴは「X1」ロゴに置き換えられた
ThinkPad X1 Carbon(第6世代) ブラックの実機。従来よりも“ブラックさ”が増している

 メインメモリは最大で16GB(LPDDR3)、ストレージは最大で1TBのSSD(NVMe)を搭載できる。ディスプレイは14型IPS液晶を搭載しており、以下の通り解像度・機能を選択できる。

  • フルHD(1920×1080ピクセル)/タッチなし/HDR非対応
  • フルHD/タッチあり(最大10点マルチタッチ)/HDR非対応
  • WQHD(2560×1440ピクセル)/タッチなし/HDR非対応
  • WQHD/タッチなし/HDR対応

 HDR対応のWQHD液晶の輝度は1平方メートル当たり500カンデラ(500nits)で、ノートPCとしては初めて「Dolby Vision」に対応している。

 画面上部に搭載するカメラは、以下のいずれかを選択できる。

  • HD(1280×720ピクセル)Webカメラ
  • HD Webカメラ+赤外線カメラ(顔認証用)

 赤外線カメラを搭載しない構成では、物理的なカメラぶた「ThinkShutter(シンクシャッター)」も搭載する。「使わない時はカメラを隠したい」という要望に応えたもので、後述のX1 Yogaを含むThinkPadの2018年モデルの一部で展開されている。

ThinkShutter(X1 Carbon版) 赤外線カメラ非搭載の構成では、物理的なカメラぶた「ThinkShutter」も搭載。使わない時はWebカメラを隠せるようになっている

 本体左側面にはThunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)端子×2、ドッキング端子、USB 3.0端子とHDMI端子を備える。ドッキング端子は従来のEthernet端子の代わりに付けられたもので、隣接するThunderbolt 3端子と合わせて「ThinkPad Ultra Docking Station」と接続するときに使う。専用のドングルを介してEthernet接続に使うこともできる

左側面 左側面。ThinkPad Ultra Docking Stationに対応するため、先代から一部端子の形状と配列が変わっている

 本体右側面にはイヤフォンマイク端子とUSB 3.0端子を備える。背面にはSIMカードスロット(LTE/3G対応モデルのみ)とmicroSDメモリーカードスロットが付いている。これらは見かけ上先代と変わらないが、SIMカードスロットは対応サイズが「Micro」から「Nano」に変更されている。

右側面 右側面。こちらは先代と変わりない
SIMカードスロット SIMカードスロットの構造も先代と同じだが、サイズがNanoに変更された

 バッテリー駆動時間は最大15時間(MobileMark 2014での計測値)で、急速充電にも対応している。

ThinkPad X1 Yoga(第3世代)

 「ThinkPad X1 Yoga」は、画面が360度回転する「Yogaスタイル」を持つ2in1ノートPCのフラグシップモデル。2018年モデルは「第3世代」に相当する。

 ボディーサイズは333(幅)×229(奥行き)×17.05(高さ)mmで、2017年モデル(第2世代)の液晶モデルと変わらない。最軽量構成の本体重量は1.4kgと、こちらも先代の液晶モデルとほぼ同一だ。ブラックとシルバーから選べるボディーカラーも先代と同様だ。

ThinkPad X1 Yoga(第3世代)(ブラック)ThinkPad X1 Yoga(第3世代)(シルバー) ThinkPad X1 Yoga(第3世代)は、先代と同様にブラック(写真=左)とシルバー(写真=右)をラインアップ
ThinkPad X1 Yoga(第3世代)の実機 ブラックの実機。X1 Carbonと同様に“ブラックさ”が強化された

 メインメモリは最大で16GB(LPDDR3)、ストレージは最大で1TBのSSD(NVMe)を搭載できる。ディスプレイはマルチタッチ・ペン操作対応の14型IPS液晶を搭載しており、以下の3種類解像度・機能から選択できる。なお、先代まで用意されていた有機ELディスプレイについては、この世代では選択できない見通しだ。

  • フルHD(1920×1080ピクセル)/HDR非対応
  • WQHD(2560×1440ピクセル)/HDR非対応
  • WQHD/HDR対応

 HDR対応WQHD液晶の仕様、搭載できるカメラの構成やThinkShutterの有無はX1 Carbonのそれと同様。

 X1 Yogaでは、全モデルにデジタイザーペン「ThinkPad Pen Pro」が付属する。ペンは充電式で、本体に装着すると充電できる。

ThinkPad Pen Pro 本体に付属する「ThinkPad Pen Pro」。本体にしまっておくと充電される仕組み

 本体左側面にはThunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)端子×2を備える。右側面にはイヤフォンマイク端子、Ethernet端子、USB 3.0端子とHDMI端子を備える。背面にはSIMカードスロット(LTE/3G対応モデルのみ)とmicroSDメモリーカードスロットが付いている。

 X1 Carbonとは異なり、ドングル式のEthernet端子は従来と同一形状で、ThinkPad Ultra Docking Stationには対応しない。SIMカードスロットについては、X1 Carbonと同様に対応サイズが「Micro」から「Nano」に変更されている。

左側面 左側面
右側面 右側面。X1 Carbonとは異なり、従来通りのドングル式Ethernet端子を備える

 バッテリー駆動時間は最大15時間(MobileMark 2014での計測値)で、急速充電にも対応している。

ThinkPad X1 Tablet(第3世代)

 「ThinkPad X1 Yoga」は、キーボードを取り外せる「デタッチャブル」式の2in1 PC。2018年モデルは「第3世代」に相当する。

 この世代ではボディーを一新し、従来よりも大きい13型の3K(3000×2000ピクセル)液晶ディスプレイを搭載。背面のスタンド部分のヒンジも構造を一新した。本体サイズの変更に合わせて、デタッチャブルキーボードも新型となった。

 ボディーサイズは304(幅)×226(高さ)×8.9(本体のみの厚さ)/14.98(デタッチャブルキーボード込みの厚さ)mmで、重量は890g(本体のみ)/1.27kg(デタッチャブルキーボード込み)となる。

ThinkPad X1 Tablet(第3世代)の実機(キーボード付き)

.ThinkPad X1 Tablet(第3世代)の実機(キーボード付き)

ThinkPad X1 Tablet(第3世代)の正面ThinkPad X1 Tablet(第3世代)の背面 キーボードを取り外すと、13型タブレットとして使える

 メインメモリは最大16GB(LPDDR3)、ストレージは最大1TBのSSD(NVMe)を搭載できる。ディスプレイはHDRに対応しているが、Dolby Visionには対応しない。別売りの「Lenovo Pen Pro」を用意すれば、ペン操作も可能だ。

 本体の左側面にはNano SIMスロット、microSDメモリーカードスロット、Thunderbolt 3端子×2とイヤフォンマイク端子が付いている。右側面には端子類を備えていない。

左側面
右側面

 バッテリー駆動時間は最大9.5時間(MobileMark 2014での計測値)となってる。

取材協力:Consumer Technology Association

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