コラム
» 2018年01月21日 06時00分 公開

ITはみ出しコラム:2018年のFacebookはもっと快適な場所になる?

「Facebookが抱える問題の解決」を2018年の個人目標に掲げた米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEO。2018年のFacebookはもっと快適な場所になるのでしょうか。

[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは1月4日(現地時間)、2018年の個人目標を「Facebookが抱える問題の解決」にしたと発表しました。創業者とはいえ、個人の目標を自分の会社の改革にするってすごいですね。

 ザッカーバーグさんは2009年から年始に個人目標を発表していて、2017年は「全米の人々との会話」、2016年は「自宅のスマートホーム化」でした。

Facebook 1 米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOが発表した2018年の個人目標

ニュースフィードのアルゴリズムを変更した理由

 個人目標の発表から1週間後、Facebookは「ニュースフィード」のアルゴリズム変更を発表しました。「Facebookページ」からの企業やブランドの投稿より、ユーザーの友達からの投稿の表示を優先するというものです。

 Facebookページを持っているメディアやビジネスにとって、ニュースフィードに投稿が表示されるかどうかは、とても重要です。

 ページをフォロー(いいね)してもらっていても、わざわざそのページを見に来てくれる人はほとんどいないので、投稿を見て(できれば紹介した記事を開いて読んで)もらえるかどうかは、「いいね」してくれた人のニュースフィードに表示されるかにかかっています。

 私が担当している海外ITニュース速報の「ITmedia海外速報部」というページはもともと地味なので、インサイトを見る限りはあまりアルゴリズム変更の影響は受けていないようですが、ページにいいねしてくれている知人に聞いたところ、「そういえば最近ニュースフィード上で見ないかも」ということでした。とほほ……。

Facebook 2 「ITmedia海外速報部」の投稿

 ザッカーバーグさんのさっき(日本時間の1月20日午前6時ごろ)の投稿によると、ニュースフィードに表示されるニュースコンテンツの割合は従来より1ポイント減って、4%になるそうです。

 今回のアルゴリズム変更は、Facebookにとって広告主であるメディアやビジネスの不興を買うものなので、ちょっと驚きました。

 この変更の目的は「Facebookで過ごす時間を快適なものにする」ことだそうです。同社は2017年12月、Facebookサービスの利用が人間に及ぼす影響についての研究結果を発表していて、ニュースなどをただ消化しているよりも、友達の投稿にコメントを付けたりそれがきっかけに会話をしたりする方がいい影響があることが分かったそうです。

Facebook 3 研究結果から今回の変更をしたそう

 それは何となく分かります。ニュースフィードやタイムラインやYouTubeやらをただずーっと見続けていると、情報が一方的に入ってくる感じで消耗するので。でもそれなら、Facebookページからなのか友達からなのかに関係なく、その投稿をきっかけにフォロワー同士の意見交換が活発になっている投稿を優先すればいいのに。

 Facebookページのオーナーとして考えられる対策は、ページで投稿したら、それを個人アカウントでシェアすることです。面倒ですが、The New York Timesなどの大手メディアのスタージャーナリストさんであれば効果的な手でしょう。

 なお、当然ですが広告投稿の表示ランクはこの変更の影響を受けません。ページのプレゼンスを維持したければお金を払えばいいのです。

 ザッカーバーグさんは「Facebookをやっているのは人々をつなげるため」だと本気で思っているんだとは思いますが、上場した営利企業はボランティアではないので限界があります。

フェイクニュース対策はどうなる?

 Facebookが抱えるもう1つの大きな問題である「フェイクニュース」(虚偽ニュース)についての対策も、いまひとつすっきりしません。ちなみに、ページからのコンテンツの表示ランクを下げるのは、フェイクニュース対策ではないとはっきり言っています

 2017年はフェイクニュース対策として、ユーザーが報告した問題のありそうなコンテンツを、外部団体にチェックしてもらうと言っていたんですが、ザッカーバーグさんはさっきの投稿で「ユーザーのコミュニティーの評価を重視することにした」と方針を変更しました。

 ユーザーに「このメディアは信用できますか?」と聞いて、その評価を反映するそうです。外部の専門家の方が信頼できそうなのに、なぜやめたのかは不明です。

Facebook 4 問題のありそうなコンテンツは“ファクトチェッカー”がチェックするはずでした

 そもそもフェイクニュースが問題になったのは、社会を分断しようという意図でコンテンツをばらまいたページがおおもとではありますが、それを広めたのは一般ユーザーです。それなのに、ユーザーにコンテンツの信頼度を判断させるのはなぜなんでしょう。説明を待ちたいところです。

 Facebookはフェイクニュースかどうかを自分たちで判断するのは絶対に避けたいようです。ここは一貫していて、昔からは「うちはメディアじゃないから」と言ってます。米大統領選でのフェイクニュース問題を認めてからは「メディアじゃないけど責任はある」に変わりましたが。

 Facebookで表示されるニュースの量は1メディアとは比較できないほど膨大であることは確かですが、メディアじゃなくても本気でFacebookを快適な場所にしたいなら、フェイクニュースかどうかの判断を自分たちですればいいのにとも思います。


 なんだかんだ言っても、20億人規模のサービスを作り上げたザッカーバーグさんはすごい人だと思うので、2018年はFacebookをもう少し快適な場所にしてくれますように。

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