レノボ・ジャパンのコンシューマー向け薄型ノートPC「ideapad 720S」には、同社のWeb直販「レノボ・ショッピング」限定で販売している13.3型モデルと、家電量販店向けの15.6型モデルがある。13.3型モデルについては、搭載するプロセッサによって「AMDモデル」と「Intelモデル」にさらに細分化される(15.6型モデルはIntelプロセッサのみ)。
およそ2カ月前、「Ryzen 7 2700U」を搭載するAMDモデルの上位構成について外観を中心にチェックした。
少し期間をおいてしまったが、この記事ではベンチマークテストを行った結果と、実用した所感を簡単にまとめる。
今回レビューしたideapad 720Sは、ノートPC向けAPU(CPUとGPUを統合したチップ)では上位に相当する「Ryzen 7 2700U」(2.2G〜3.8GHz)を搭載している。
レビューの外観編でも少し触れたが、筆者の中ではAPU搭載ノートPCに対する印象が良くない。というのも、従来のAPUはGPU性能の割にCPU性能が振わない傾向にあったのだ。動画の再生や3D表示はバッチリでも、Officeアプリの利用やWeb閲覧において「意外と重たい」と感じる場面が少なくなかった。
しかし、RyzenのCPUコアで使われている「Zenアーキテクチャ」では、課題だった処理性能を大幅に改善。Ryzen APUは「CPUもGPUもバッチリ」なパフォーマンスを発揮できるようになった(参考レビュー)。
見た目だけではなく、パフォーマンスでもAPU搭載ノートPCに対する印象が変わりそうな予感がする。早速ベンチマークを取ってみよう。
まず、PCとしての総合パフォーマンスを見るために「PCMark 10」でベンチマークテストを実施。今回はゲーミング性能も見る「Extended(拡張)」テストを実施している。
結果は以下の通り。
筆者は普段、プロセッサは「Intel Core i7-7600U」(2.8〜3.9GHz)、メモリは16GB(8GB×2のデュアルチャネル)という構成の「ThinkPad X1 Carbon(第5世代)」を使っている。参考までに、この機体で測定した結果も掲載する。
オフィス用途の性能を示す「Productivity」を除けば、モバイル向け第7世代Core i7プロセッサの上位モデルと大差ないパフォーマンスを発揮することを確認できた。販売価格の差を考えれば、コストパフォーマンスは良好だ。
Gamingについては、GPUコア「Radeon Vega 10」のおかげもあって720Sの勝利……なのだが、筆者が想像していたよりもスコアの差が少なかった。メインメモリの構成と排熱との兼ね合いで本領を発揮しきれなかった可能性がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.