それではベンチマークテストの結果を見ていこう。評価機のスペックは、Core i7-855OU、メモリ16GB、ストレージは256GB SSD(Samsung PM961)、グラフィックス機能がIntel HD Graphics 620、OSがWindows 10 Home 64bitだ。一部テストは、玄人志向のGeForce GTX 1070 Tiカード「GALAKURO GK-GTX1070Ti-E8GB/WHITE」を搭載したCore X接続時でも行っている。
CINEBENCH R15のCPUスコアは517cbだった。第8世代Coreは同じCPUを搭載していても放熱設計や電力パラメータの設定によって実際の性能は異なる。本製品のスコアはCore i7-8550U搭載機としてはやや低めというところではあるが、第7世代Core搭載のモバイル機(350cb前後が目安)よりは圧倒的に優れている。
PCMark 10については、単体とCore X接続時と両方測定した。日常操作系のEssentialのみは単体のほうが良いが、Digital Content CreationではCore X接続時が大幅に良いという結果になった。
3DMark FireStrikeも両方実行した。内蔵GPU時は第8世代Core搭載のモバイル機として標準的なスコア。Core X接続時は1万超とフルHD解像度ならどれでも快適に遊べると思われるスコアが出ている。Core X接続時は、FINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークの最高品質でも1万を超え、「非常に快適」評価のスコアが出た。
FRAPSで測定したPUBG(PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS)の平均fpsは、グラフィックス「高」で87fps、「ウルトラ」で70fpsだった。ちなみに、今回外部GPUとして利用したGALAKURO GK-GTX1070Ti-E8GB/WHITEをCore i7-8700Kのシステムで普通に使うと、同じリプレイデータで「ウルトラ」で87fps前後のフレームレートが出る。これと比べるとワンランク落ちているが、それでもゲーミングマシンとして十分な性能だ。
本機は約53.6Whと大きめのバッテリーを搭載しており、公称で駆動時間は約10時間となっている。実測の駆動時間のテストはbbench 1.01(海人氏・作)を使って行った。無線LANで常時接続し、60秒間隔でのWebサイト訪問、10秒間隔でのテキスト入力を行う設定で、電源プランは「バランス」で、バッテリー駆動時のディスプレイの輝度は100%で固定した。結果は、バッテリー残量5%になるまで6時間57分動作した。最大輝度でテストしていることを考えれば優秀だろう。
動作音は静かだ。単体ではアイドル時や低負荷時は、排気口のあるヒンジ部に耳を近づければ聞こえる程度。ファンを高速モードにしてもたまに動作していることが分かる程度の音がするといったところだ。
Core Xを接続してPUBG(PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS、グラフィックス高)をプレイしている最中の動作音もほぼCore X内グラフィックスカードの動作音のみという印象。今回利用したGALAKURO GK-GTX1070Ti-E8GB/WHITEでは、Core Xをすぐ近くに置いていても、空調でかき消える程度でゲームで音を出していれば全く分からない。
一方で、発熱は大きい。高負荷時でもパームレスト部はさほどではないが、キートップにはかなり熱が伝わってくる。底面部はさらに熱くなるので、夏場はノートPCクーラーなどを使ったほうが良さそうだ。
Razer Blade Stealthは、単体ではクアッドコアならではの高いパフォーマンスを備えたパフォーマンス指向のモバイルノートPCだ。先進インタフェースや、派手でカスタマイズの自由度が高いRGB LED演出、高精細で発色も良い液晶ディスプレイ、迫力のあるサウンドは特筆できる。
そして、Thunderbolt 3対応外付けGPUエンクロージャー「Core X」と組み合わせると、本格的なゲームマシンへと変わる。PUBG(PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS)など描画負荷の高いタイトルも高画質で快適にプレイできるのは実証済みだ。1台で2役をこなせるハイブリッドマシンとして、Razer Blade Stealthは魅力的な存在といえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.