既報の通り、デルは6月19日までビジネス向け製品を体験できる「Dell Cafe」を東京都港区に開設していた。
Dell Cafeでの展示において、力を入れていたポイントの1つが「USB Type-C接続対応のディスプレイ」。同社が販売するビジネス向けUSB Type-C接続ディスプレイと、ノートPC「Latitude(ラティチュード)」を接続して“スマートな仕事環境”を実現できることをアピールしていた。
良いディスプレイは従業員に高い満足をもたらす――米デルでプロダクトマーケティングコンサルタントを務めるビネイ・ジャヤクマール(Vinay Jayakumar)氏はそう語る。どういうことなのだろうか。
ジャヤクマール氏は、米IDCのアンケート調査を持ち出した。
米国の企業や団体を対象に行ったアンケートでは、その91%が最優先すべき事業計画の1つとして「従業員体験(働きやすさ)の向上」を掲げている。その一環として、PCを含む業務用デバイスに幅広い選択肢を用意したり、そのデバイスの更新(リプレイス)頻度を向上したり、モバイル席を導入したりしている企業や団体も少なくないという。コワーキングスペースやリモートワークの利活用も進んでいる。
一方で、働く側も、最近では3DやAI(人工知能)、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などのいわゆる「xR」など、新しい技術に触れる機会が多い。これらの新技術は扱う情報の量が多い傾向にある。そうでなくても、プレゼンテーションに高解像度の動画や静止画を使う機会が増えている。
職場の変化、仕事や働き方の多様化――社会の流れに合わせて、ディスプレイに要求される機能や役割も変化しているのだ。
仕事の内容や職場の環境に合致したディスプレイを導入すれば、従業員の作業効率は向上する。そのことで従業員体験(従業員の働きやすさや満足度)が向上すると、顧客満足度も上がる――ジャヤクマール氏は米Forresterに委託して行ったアンケートを示しつつ語る。
満足度を上げる1つの“鍵”が、USB Type-C接続に対応するディスプレイだ。
USB Type-Cには異なる規格の通信を許容する「Alternate Mode」という仕組みが存在する。これを活用するとUSB Type-Cケーブルを使って映像を伝送できる。さらに、ディスプレイとノートPC本体の双方が「USB Power Delivery(USB PD)」に対応していれば、ディスプレイを介してPCに電源を供給することができる。ディスプレイがUSBハブ機能を備えていれば、そこに周辺機器を装着しておくことでディスプレイの接続だけで全てがつながる環境を構築できる。
IDCの調査によると、企業ユーザーはPCへのケーブルの着脱に1日当たり平均で4分を費やしているという。またIDCは2022年までにUSB Type-C“のみ”を搭載するノートPCのシェアが約33%、つまり3分の1に達すると予想している。
ジャヤクマール氏は「1本のケーブルだけでつなげるUSB Type-Cディスプレイは重要だ」と強調した。
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