今回のFuzeDriveを使ったハイブリッドストレージの構築では、UEFI BIOSモードではなく、旧来のBIOSモードでWindows 10をセットアップした関係で起動ドライブの上限が2TBまでとなる。その旨の注意喚起をするメッセージダイアログも表示されるので適当に応対する。
もっとも、5万円台スト5PCではHDDを2TB容量としていたので実害はない。今回の構築法を真似しようとする人は、HDD購入時の容量選択は慎重に。とはいっても、2TBを超える大容量ドライブを構築しても、余った記憶領域を別パーティションとして確保して別ドライブとしてマウントすれば、容量を無駄にせずに使い切れるので、2TBを超える容量が無駄になることはない。
先に進むとRAMキャッシュ確保の設定画面が登場し、これが終わると、いよいよFuzeDriveがそのPCに接続されているSSDとHDDの融合処理を開始する。
この処理が終わると、PCの再起動を促される。
元々、SSDにWindows 10をインストールした際に設定されたPCの起動プロセス部分は、今やFuzeDrive独自のものに書き換えられてしまっている。
PCを再起動すれば、FuzeDriveを用いたハイブリッドストレージの構築は成功だ。失敗していれば、PCは起動しない。最初からやり直すか、FuzeDriveの活用をあきらめよう(笑)。
再起動に成功した人にも最後の試練がある。
それは、FuzeDriveがSSDとHDDを融合化したドライブに対して行う最適化処理のフェーズである。FuzeDriveによるハイブリッドストレージ環境構築後の初回起動時に、データの種類に応じてSSDとHDD、どちらへ記録させるかの最適化を行うようだ。
これはけっこう危険な処理で「この処理が終わるまでPCを絶対に再起動したり、電源を落としたりしないように」という警告メッセージが出る。
最適化の進行状況は、Windows 10の通知トレイにパーセント表示で表示される他、タスクトレイにあるFuzeDriveコントロールパネルからも確認可能だ。
最適化が完了したら、最後の再起動を行おう。以降、このPCの本格活用が行えるようになる。
それでは、実際にどの程度のドライブ性能が出るのか、検証して見よう。
そうそう、ここで1つ、報告がある。
この連載、第1回と第2回で、NVMe SSDにエレコムの「ESD-GMIA0256G」を選択したことを記しているが、今回のセットアップに際して熱暴走を繰り返し、最終的には読み書き不能になってしまったので、別のSSDを急きょ用意することになったのだ。
改めて取り寄せた製品は、シリコンパワーのNVMe SSD 「SP256GBP34A80M28」(256GB)だ。価格は税込みで約6000円となる。急を要したため、価格ではなく納期重視で購入したこともあり、エレコムの製品よりも1000円ほど高くなってしまった。
また、企画コンセプトの都合上、今後もセットアップを繰り返す可能性もあるため、熱対策をすべきだろうと考え、念のために電動ファン付きSSDクーラーも同時に導入した。価格は約1700円だ。
電動ファン付きの割には背が低く、SSD装着用のM.2スロットがグラフィックスカードを装着するPCI Express x16スロットの根本にあるマザーボードとの愛称も悪くないようだ。実際、今回使ったマザーボードのASUS「TUF B450M-PRO GAMING」と、グラフィックスカードのASUS「ROG-STRIX-RX570-O4G-GAMING」の組み合わせでは問題なく使えた。
最後に、気になるパフォーマンスについても見ていくことにしたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.