Appleは6月22日(米国太平洋夏時間)、Mac向け新OS「macOS Big Sur(ビッグサー)」を発表した。開発者向けには同日から、一般向けには7月からβ(ベータ)テストを開始し、2020年秋に無料更新プログラムとして製品版が配信される予定だ。
Big Surは、Appleにとって「Mac OS X」の登場以来となる大きなアップデートと位置付けられている。UNIXベースであることには変わりないが、ユーザーインタフェース(UI)をリニューアルするなど、変更点は多岐に渡る。
Mac OS X以来の伝統ともいえる「Dock」のアイコンは、昨今のiOS/iPadOSとデザイン面における統一性を高めた。ウインドウのボタンやコントロールパネル類は、必要のないときは後退する(表示が薄くなる)ようになっている。
メニューバーから表示できる「コントロールセンター」や「通知センター」も、iOS/iPadOSのそれらとデザインが統一されている。通知センターに表示できるウィジェットも、対応する機能を拡充した。
Apple独自のWebブラウザ「Safari」についても、「登場以来最大のアップデート」がかけられる。
JavaScriptの実行エンジンが高速化され、頻繁に訪れるサイトの表示速度は「Google Chrome」と比べて平均で50%高速になるという。また、タブを一新し、デフォルトでFavicon(サイトが設定したアイコン)が表示されるようになった他、タブの上にマウスポインターを置くとページのプレビューを確認できるようになった。
アプリの起動時に表示される「スタートページ」は、より詳細にカスタマイズできるようになった。Safariへの「拡張機能」についても強化が図られており、App Store経由でダウンロードできるようになる。
その他、「プライバシーレポート」も強化されており、Webサイトに組み込まれたサイトをまたぐ「トラッカー(行動解析用のCookie)」を一覧する機能や、拡張機能のオン/オフを気軽に切り替えられる機能も備えている。
SMSやiMessageをMac上でやりとりするための「メッセージ」アプリや、地図を表示する「マップ」アプリもリニューアルされる。
メッセージアプリでは、検索機能が改められ、添付された画像などの検索がしやすくなる他、お気に入りの会話を一番上にピン止めする機能、Memojiの作成機能なども追加される。
マップアプリでは、スポットの案内表示機能が追加されたり、目的地の360度ビューを確認できる「Look Around」機能や、Mac上で作ったルート情報をiPhoneに直接送信する機能などが追加される。
Big Surは、以下のMacで稼働する。
また、Big Surは、2020年後半に登場する予定のArmベースの独自プロセッサ「Apple Silicon」を備えるMacでも稼働する。
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