使い勝手を強化した「macOS Catalina」2019年秋に登場 iTunesアプリは3分割 iPadでマルチディスプレイもパブリックβは7月配信予定

» 2019年06月04日 12時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 Appleは6月3日(米国太平洋夏時間)、Mac向け新OS「macOS Catalina(カタリナ)」を発表した。開発者向けには同日から、一般向けには7月からβ(ベータ)テストを開始し、2019年秋に無料更新プログラムとして製品版が配信される予定だ。

macOSの新バージョン「Catalina」は、米カリフォルニア州にある湾(あるいは島)の名前にちなんでいる

macOS Catalinaの概要

 macOS Catalinaは、前バージョンの「macOS Mojave(モハベ)」と比較すると新機能や機能改善が多岐に渡っている。主なものを簡単にまとめる。

iTunes:機能を「移管」または「統合」

 音楽、Podcastの再生やiOSデバイス(iPhone、iPad)との同期など、新バージョンになるにつれて多機能化してきた「iTunes(アイチューンズ)」アプリ。利便性の向上を目的に、macOS CatalinaではiTunesが担ってきた機能を別のアプリに統合、または新しいアプリに移管する。

 統合・移管先は以下の通り。

  • iPhoneやiPadとの同期→「Finder」アプリに統合
  • 音楽再生、Apple Musicの利用→「Music」アプリに移管
  • Podcast→「Apple Podcasts」アプリに移管
  • Apple TVの利用→「Apple TV」アプリに移管

 2018年以降に登場したMacでは「HDR 10」「Dolby Vision」規格に準拠したHDR(高ダイナミックレンジ)コンテンツの再生に対応する(対応ディスプレイが必要)。また、同時期以降に登場した「MacBook Air」「MacBook Pro」では、内蔵スピーカーを使った「Dolby Atmos」コンテンツの再生にも対応している。

Finder iPhoneやiPadとの同期は「Finder」アプリに統合
3アプリ デバイス同期以外の機能については、アプリを3分割した上で移管(左からMusic、Apple Podcasts、Apple TVのアイコン)

Sidecar:iPadをMacのサブディスプレイ+ペンタブレットとして利用

 「Sidecar(サイドカー)」は、iPadをMacのサブディスプレイ兼ペンタブレット(Apple Pencil対応モデルのみ)として利用できる新機能。

 サブディスプレイとしての利用は、Macで表示してるものと同じ画面をそのまま表示する「ミラーリング」と、表示領域を拡大する「拡張デスクトップ」の両方に対応している。ケーブルを使った接続だけではなく、Macから10m以内であればワイヤレス接続にも対応しているという。

 ペンタブレットとしての利用は、ペンタブレットに対応するmacOSアプリでそのまま利用できる。一部の操作はアプリをSidecarに最適化しなくてはならないが、発表時時点で18アプリが最適化されているという。

 さらに、Sidercarでは「Touch Bar」対応アプリのTouch Barを表示する機能も備える。これにより、Touch Barを搭載していない(できない)MacでもTouch Barを利用できるようになる。

Sidercar iPadをサブディスプレイ兼ペンタブレットに対応として利用できる「Sidecar」を新搭載
Sidecar対応アプリ AppleがSidecar対応として発表しているアプリ

セキュリティ:一部Macで「アクティベーションロック」に対応

 セキュリティ面では、Macの紛失・盗難時の対策が強化されている。

 「Apple T2」チップを搭載しているMacでは、iPhoneやiPadと同様に「アクティベーションロック」を掛けられるようになった。あらかじめ設定しておけば、ユーザー以外の人間がデータの消去、あるいは再アクティベーションをかけられなくなる。

 macOS Catalinaでは、OSを“読み込み専用”の独立システムボリュームから起動する機能も追加される。これにより、他のアプリなどが不意に重要なシステムデータを削除・改変して起動しなくなるといったトラブルを防止できる。

アクティベーションロック Apple T2チップを搭載するMacでは「アクティベーションロック」に対応。ユーザー以外が本体の初期化、あるいは再アクティベーションをかけられないように設定できる

 端末やユーザーを探す「Find My(〜を探す)」もリニューアル。Bluetoothを活用し、紛失したMacを近隣のMac、iPhoneやiPadの力を借りて探せる機能が利用できるようになる。

Find My 「Find My」機能もリニューアル

その他の新機能

 macOS Catalinaでは、iOSで実装済みの利用時間管理機能「Screen Time」が利用できる。アプリやWeb閲覧の利用時間制限をあらかじめ設定しておけば、使いすぎを防止することもできる。子供の利用を想定して、「FaceTime」や「メッセージ」などの連絡先を制限する機能も備える。

Screen Time 満を持してmacOSに上陸する「Screen Time」

 また、アクセシビリティ強化の一環として、「ボイスコントロール(音声操作)」機能を強化。Siriの音声認識技術を活用し、Mac(macOS)の操作を声だけで行えるようにした。この機能強化はiOSや、同OSから分離して登場する「iPadOS」でも実施される。

動画が取得できませんでした
ボイスコントロール機能,macOS Catalina(とiOS 13、iPadOS)で実装されるボイスコントロール機能のイメージ動画(Apple公式YouTubeチャンネルより)

対応ハードウェア

 macOS Catalinaは、以下のMacで動作する。おおむね2012年中頃以降に発売されたモデルが対象となる。

  • Mac mini(Late 2012以降)
  • iMac(Late 2012以降)
  • iMac Pro(全モデル)
  • Mac Pro(Late 2013以降)
  • MacBook(Early 2015以降)
  • MacBook Air(Mid 2012以降)
  • MacBook Pro(Mid 2012以降)

 一般ユーザーも対象とするパブリックβテストに参加する場合、事前の登録が必要となる。参加希望者で登録が済んでいない場合は、「Apple ID」を用意の上以下のURLから申し込もう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月13日 更新
  1. 6500円でデスクに新風! Thermalrightの小型液晶がヒット、背景にメモリ高騰? (2026年02月09日)
  2. ワコムが安い? 驚きの2025年を振り返り メモリ高騰におびえる2026年の「自作PC冬眠」と「次世代CPU」への期待 (2026年02月12日)
  3. 手のひらサイズの小型PCがお得に! GEEKOMが「冬セール」を開催中 (2026年02月12日)
  4. キンタロー。も驚くほぼ「入力ゼロ」の“次世代”確定申告 2026年の弥生は3つのAI活用とデスクトップ製品強化を両輪に (2026年02月12日)
  5. 新ARグラス「XREAL 1S」を試す 解像度と輝度が向上、BOSEサウンドで没入感アップ “3D変換”も大きな魅力 (2026年02月10日)
  6. 元Appleのジョナサン・アイブが手掛けるフェラーリ初EVの内装デザイン公開 物理ボタンとデジタルの融合 (2026年02月10日)
  7. アイ・オー、拡張ドック機能を備えたType-C接続対応の27型4K液晶ディスプレイ (2026年02月12日)
  8. マウス社長が3日間“フル参戦”した理由とは? 大阪・梅田のど真ん中で起きた“eスポーツ×地域振興”の化学反応 (2026年02月11日)
  9. 「雲」から降りてきたAIは「パーソナル」な存在になれるのか――開催から1カ月経過した「CES 2026」を振り返る (2026年02月12日)
  10. PC値上げの波はVAIOにも? 糸岡社長が明かす「マウスエフェクト」への対応とブランド価値の向上 (2026年02月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年