本モデルからのユニークな機能としてあげられるのが、一部のキーレイアウトを変更する「キー設定」だ。ここでは、親指シフトモード(2タイプ)とUS配列が加わり、JIS配列からそれらのモードへレイアウトを変更した場合でも、付属のキートップステッカーを貼り付ければ、まるでJIS配列ではないキーボードのように扱える。
スマホとの連携機能も強化された。ポメラと接続する専用アプリ「pomera Link」が提供され、Wi-Fi接続したポメラ内のファイルを一覧で確認し、その中から必要なものを選択してスマホへテキストファイルを保存できるようになり、スマホからDM250にテキストを転送できるようになった。対応バージョンはiOS 13/Android 9以降だ。
以前であればポメラで作成したテキストファイルそのものをスマホに保存する機能はなく、入力したテキストをQRコードに変換して、それをスマホで読み取ることでテキストの取得を行っていたが、長文になるとそれを分割したいくつものQRコードを読み込まねばならず、不便だった。
もちろん、DM200で搭載されていたBluetoothキーボード(Bluetooth 4.2)としてのスマホ連携機能も健在だ。
発表会で登壇したキングジム 開発本部 電子文具開発部 清水翔平氏は新モデルについて、「初代ポメラ(DM10)が誕生したのは、私が中学生の頃だった。それから携帯電話やスマートフォンなど、便利な電子ガジェットが多種出てきたのに、文章を書くだけのポメラは愛され続けている。これまで以上に、たくさんの文章を書いても保存できるかどうか気にする必要がなくなったし、使いやすくなったので、初代からのユーザーのみなさまも、これから購入を検討している方々にも便利に使っていただける製品に仕上がったと思う」と語った。
また、初代ポメラの開発陣の1人である同社 執行役員 開発副本部長 立石幸士氏は、「当初は会社内を移動して、サッと開いて手軽にメモできるデジタルメモという使い方を考えていたが、予想以上にライターや記者など文章をがっつり書く人たちに受け入れてもらえた。そのため、文章を書きやすくするためのブラッシュアップを続けてきた。当社の人気製品であるキングファイルやテプラのように、愛される製品になりつつあると感じている」とポメラ誕生時のストーリーを含めて思いを述べた。
発表会場にはポメラの実機が設置されており、開場と同時に会場入りしてじっくりと触ってみた。
前述の通り、キーピッチが約17mmで、普段使いのキーボードより2mm狭いのだが、1〜2分ほど触っただけでタッチタイピングできるようになった。キー配列にクセがないところもいい。
筆者はかな入力派のため、デフォルトのローマ字入力から切り替える必要があるのだが、WindowsのMS-IME同様、「Alt」+「かな」キーで切り替えられる。
がやがやしている会場内だったということもあるが、タイピング音が気になることはなかった。これなら、人が会話しているカフェなどサードプレイスで作業したとしても、回りから煙たがられることはないだろう。
電源ボタンが、中央付近に配置されているのもいい。多くのデバイスでありがちな“右上”では、DeleteもしくはBackSpaceキーと間違えて押してしまう可能性があるからだ。開発担当の清水氏によれば、「右上では、別に基板を配置する必要がある。でも、左寄りの中央であれば、1枚の基板で足りる」とのこと。シンプルな設計にすることで、ユーザビリティーも高まったというわけだ。
ディスプレイ開くと数秒で起動して、すぐに入力できる状態になるのもいい。
力強くキーを叩いても、たわむようなことがないので、今回の発表会のように、膝の上で入力しなければいけないというシーンでも十分に使えると感じた。
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