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» 2009年09月28日 19時48分 UPDATE

KDDIの拡張現実サービス:実空間透視ケータイは“プラットフォーム志向”――KDDI研究所の小林氏 (1/2)

Android端末向けの「Layar」や、iPhone向けの「セカイカメラ」が公開されるなど、対応サービスの登場が相次ぐ拡張現実サービス。こうした中、東大キャンパスで実証実験を行った「実空間透視ケータイ」は、どのような特徴を打ち出そうとしているのか。

[後藤祥子,ITmedia]

 今、いる場所の周辺にどんな店やランドマークがあるのか、その店の目玉商品は何なのか――。周囲のさまざまな方向にケータイをかざすだけでこうした情報を入手できるのが拡張現実(AR)サービスだ。

 リアルの空間にさまざまな情報を重ねて表示する拡張現実サービスは、“ケータイをかざす”という直感的な操作で手軽に周辺情報を入手できる点や、その場所の生きた情報や雰囲気をリアルタイムで把握できる点、そして何より“情報の見え方の新しさ”が注目を集めている。

 8月下旬にAndroid端末向けの「Layar」、9月24日にiPhone向けの「セカイカメラ」が公開されるなど、対応サービスの登場が相次ぐ中、auケータイを使った「実空間透視ケータイ」の実証実験を実施したのが、博報堂DYメディアパートナーズだ。

 実空間透視ケータイはKDDIとKDDI研究所が開発を進める拡張現実サービス向けのプラットフォーム。今回の実証実験は、実空間透視ケータイを使った東京大学のキャンパスツアーを実施し、参加者からのフィードバックを得るのが目的だ。これまで実空間透視ケータイは、CEATECやワイヤレスジャパンなどのイベント会場内で披露されたことはあるが、一定の広さがある一般的な施設を使った実証実験は初となる。実験では一般から募った10代、20代、30代の男女22人にキャンパスツアーを体験してもらい、そこで得た操作性やUI、ナビ機能の使い勝手に関するフィードバックを商用サービスに生かしたい考えだ。

 実証実験は、実空間透視ケータイをガイド役に東大キャンパス内のさまざまな名所を訪れるキャンパスツアー形式で実施。キャンパス内のさまざまな方角にケータイをかざすと、「赤門」や「安田講堂」「三四郎池」といった名所がアイコンで表示され、興味がある場所のアイコンを選択すると、詳細情報が表示される。詳細情報の表示画面で「ここに行く」を選び、アイコンが表示された方角に歩いていくと目的地にたどりつけるなど、ナビ的な機能を備えているのも特徴の1つだ。

 KDDI研究所 特別研究員の小林亜令氏は「“どちらの方向に歩き始めれば目的地にたどり着けるか”が分かりやすいところは、紙の地図より使いやすいかもしれない。今回の実験では、ナビの使い勝手についても参加者から意見を聞き、今後の機能に反映させたい」と期待を寄せる。

 ただ、GPSのみの測位では「意外と大きな誤差が出る」(小林氏)ことも分かり、ナビで利用する場合にはこれがネックになるという。実空間透視ケータイのナビ機能は、かざした先にある目的地に向かって歩き、目的地の緯度経度から30メートル以内に入ると、アプリが目的地付近だと知らせる仕組みで、ここで正確な測位ができないと、その付近までは行けても目的地にたどり着けないという事態が起こりかねない。「測位の高精度化については解決策を模索中」(小林氏)

sa_kar01.jpgPhoto 周囲にケータイをかざすと、さまざまなランドマークのアイコンが表示され、どの方角に何があるかを直感的に把握できる。システムや仕様はワイヤレスジャパンの出展時から変わっておらず、かざす角度に応じた情報表示には対応していなかった

Photo アプリは博報堂DYメディアパートナーズの「MAWARIPO」を採用。詳細画面の「ここに行く」を選んでアイコンが表示された方向に歩いていくと、目的地にたどりつける

 なお、小林氏によればCEATECでは「ワイヤレスジャパンや今回の実証実験より、進化したバージョンを出す予定」だという。

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