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神尾寿のMobile+Views:Xperiaは“iPhoneキラー”になり得るか (1/2)

“もっともiPhoneに近い”と言えるソニー・エリクソンの「Xperia」。ソニー・エリクソンとドコモは、スマートフォン分野におけるApple/ソフトバンクモバイル連合の快進撃にブレーキをかけられるのかを考えてみたい。

Photo ソニー・エリクソンのブランドが強調された発表会だった

 1月21日、NTTドコモがソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のスマートフォン「Xperia」を発表した。同機はGoogleのモバイル端末向けOS Androidを搭載し、その上でソニー・エリクソンが独自のユーザーインタフェース(UI)やソフトウェアを実装して拡張したもの。コンシューマー向けAVメーカーであるソニーと通信機器メーカーのエリクソンの合作らしく、エンターテインメント色が強く、デザイン性の高いスマートフォンに仕上がっている。これまで発売されたAndroid端末やWindows Phoneの中で、“もっともiPhoneに近い1台”と言えるだろう。

 XperiaはiPhoneキラーになり得るのか。そしてソニー・エリクソンとドコモは、スマートフォン分野におけるApple/ソフトバンクモバイル連合の快進撃にブレーキをかけられるのか。今日のMobile+Viewsでは、Xperiaの可能性と課題を検証してみたい。

異例づくしだった報道発表会

 「あれほど嬉しそうな山田社長は見たことがない」

Photo

 会場を訪れていた報道関係者、列席したドコモやソニー・エリクソン関係者から、そのような声を多く聞いた。21日の記者会見でNTTドコモの山田隆持社長はいつもにも増して上機嫌であり、そして発表会は異例づくしだった。

 まず、なにより異例だったのは、ドコモが「メーカーを立てた」ことだ。今回の報道発表会はソニー・エリクソンとの共同開催であり、会場のデザインや進行内容は“ソニー・エリクソンらしい”クールで都会的な雰囲気でまとめられていた。プレゼンテーションや実記展示での演出もXperiaのデザインや個性を引き出す工夫がされており、ソニー・エリクソンのブランドがしっかりと見えるものだった。ドコモは過去に、富士通の「らくらくホン」や「キッズケータイ」、RIMの「BlackBerry Bold」など、1社の端末だけの報道発表会を何度か行ったことがある。しかし、それらは“ドコモの特別な端末”としての発表だった。今回は、Xperiaとソニー・エリクソンのブランドを前面に立てており、ドコモがこれらを尊重していることがよく分かる。

 そして、もう1つ印象的だったのが、“山田社長の思い入れの強さ”だ。筆者は記者会見の質疑応答で、ドコモの山田社長とソニー・エリクソンのバート・ノルドベリ社長の両方に、iPhoneに対するXperiaの優位性を尋ねた。山田社長はそれに対して、ハードウェア的な性能の優位性だけでなく、Androidのソフトウェアプラットフォームの優位性や、HSUPA実装によって「Skypeのような上り通信を使うアプリが使いやすい」(山田社長)といった、具体的かつ的確な答えを返したのだ。NTTグループの社長が自社製品の優位性アピールにSkypeを例に挙げることは前代未聞なので、これは山田社長自身の言葉が多分に入っていたと言えるだろう。プレゼンテーションや質疑応答における山田社長は、ソニー・エリクソンのノルドベリ社長以上に熱意を込めてXperiaの魅力を語っており、それは聞く側である筆者にもひしひしと伝わってきた。

 そして、異例中の異例が、XperiaがPROシリーズやPRIMEシリーズなど“"ドコモの4つのシリーズ”に属さず、製品プロモーションも「SO-01B」という型番ではなく、Xperiaというブランド名を使うことだろう。筆者は昨年、山田社長が「Xperia X10」をドコモが獲得すると言明した時から、PROシリーズにXperiaを組み込んだ瞬間に、Xperiaブランドは失敗すると見ていた。それをドコモが回避し、ソニー・エリクソンが最もブランド構築・マーケティングがしやすい環境を整えたことは、賢明な選択と言えるだろう。複数の関係者からの情報を総合すると、「(Xperiaを)既存シリーズに組み込まないという方針が定まったのは、1月に入ってから。この決定には山田社長をはじめ一部経営幹部のリーダーシップが発揮された」という。

 これら今回の“異例づくし”を見ていると、ちょっとした既視感を覚える。Xperiaに対するドコモと山田社長の姿勢は、iPhoneに対するソフトバンクモバイルの孫正義社長のスタンスに通じる部分があるのだ。

iPhoneとは異なるデザインとユーザー体験

 前置きが長くなってしまったが、ここからXperiaを見ていこう。

 Xperiaは4インチのフルワイドVGA(854×480ピクセル)タッチスクリーン、チップセットに米Qualcomm製のSnapdragon 1GHz、8.1メガピクセルカメラを搭載し、無線通信はドコモのFOMAハイスピード(HSDPA 下り最大7.2Mbps/HSUPA 上り最大2.0Mbps)およびWi-Fi (IEEE802.11b/g)に対応する。Android OSのバージョンは1.6だが、基本UIおよびエンターテインメント系機能はソニー・エリクソン独自の拡張が施されており、高性能・高機能なエンターテインメントマシンに仕上がっている。

 しかし、iPhoneのライバルになるには、いくらスペック表の数字を積み上げても無意味なのは周知のとおりだ。デザインとUIの洗練、ソフトウェア環境、そしてサービスが織りなす多層的な“ユーザー体験”が優れているかどうかが重要なポイントになる。

 この視点でXperiaを見ると、同機がiPhoneキラーとしてかなりの実力を秘めていることが分かる。

 まずデザインであるが、iPhoneと同じフルタッチパネル型のフォルムでありながら、背面のふくらみの持たせ方や金属調のサイドラインで、区別化・個性化がしっかりとなされている。とりわけ秀逸なのがサイドラインで、つるりと一体感を強調したiPhoneの優美さに対して、Xperiaはわざと質感の違いで2層感を演出してシャープさを打ち出している。これにより“バッテリー交換可能”な背面を野暮ったくせず、むしろデザイン上でのアクセントにすることに成功しているのだ。また背面のパネルは色によって異なり、ホワイトはiPhoneに似たなめらかな素材感、ブラックは逆につや消し仕上げ(マット)になっている。どちらかというと後者の方が“ソニエリらしい”個性が出ているが、ホワイトもiPhoneとの違いがよく打ち出されている。

 一方、UI面での特長は、Xperia独自の「Timescape」と「Mediascape」だろう。前者は電話・メール・SNSなどコミュニケーション機能を統合し、後者は音楽・写真・映像などエンターテインメントコンテンツ機能を担当している。半透過処理されたアイコンを多用し、指先1つでスルスルとアニメーションする様子の美しさは、iPhoneに勝るとも劣らないこだわりぶりだ。これはXperiaの購入を検討しているケータイユーザーはもちろん、iPhoneユーザーも一見の価値がある。

PhotoPhoto 独自のUIやサービスを統合したアプリ「Timescape」と「Mediascape」

 機能面で見ると、筆者が特に感心したのがTimescapeである。これは従来からあるアドレス帳の概念を一新し、電話・メールだけでなく、TwitterやFacebook、mixiなど主要なSNSとも連携。統一的なコンタクト管理を実現し、コミュニケーション先や履歴情報を、「相手先」「時間軸」「サービス別」など多層的に見られるようにしたものだ。実際に使ってみると、まだ荒削りだったり、一見分かりにくい部分も存在したが、ここ10年ほどほとんど進化しなかったアドレス帳を“再発明”しようとしている点は高く評価できるだろう。今後の進化に期待できそうだ。

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(12月末)
携帯累計 1億2605万1100
(イー・アクセス含む)
ウィルコムPHS 435万9200
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(イー・アクセス含む)
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