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» 2010年03月19日 07時00分 UPDATE

EvAndroidに聞くAndroidのキモ 第1回:そもそも、「Android」って何? (1/2)

2010年中に国内3キャリアから端末が出そろい、iPhoneの独走に“待った”をかけるのか注目が高まっているAndroid。本連載ではTwitter上で集めた意見を参考にしながら、Androidの可能性を探っていく。第1回では、Androidの基本的な“キモ”をおさらいしよう。

[ITmedia]

 スマートフォン市場が国内においても徐々に拡大している中、Androidは今後のスマートフォンを語る上で無視できない存在です。本企画「EvAndroidに聞くAndroidのキモ」では、Androidに関する意見をTwitterのハッシュタグ「#evandroid」を活用して収集し、記事化していきます。第1回は、Androidの基本的な事柄をまとめて紹介します。

「EvAndroid」とは

Androidに可能性を感じ、その魅力や楽しさをTwitterのハッシュタグ「#evandroid」で語ってくれる人々を指します。本企画は、EvAndroidからいただいた意見や情報を取り入れて記事を作成しており、日本Androidの会の参加者や、アプリ開発者、組み込み分野の技術者などがツイートを寄せてくれました。EvAndroidはEvangelist(伝道師)とAndroidを組み合わせた造語であり、日本Androidの会 組み込みWG所属のkojira氏(近藤昭雄氏)が命名しました。


はじめに――携帯電話にとどまらないオープンプラットフォーム「Android」

photo T-Mobile G1

 Androidは、Googleが中心となって推進する、モバイル機器を主なターゲットとしたLinuxベースのソフトウェア・プラットフォームです。2007年11月5日、Googleと複数の通信キャリアやメーカーら34社で組織された団体「Open Handset Alliance」(OHA)によって発表され、2008年10月22日に米T-Mobileが初のAndroid搭載端末「G1」を発売しました。

 発売を翌日に控えた21日、OHAはAndroidの約800万行に及ぶソースコードを公開します。Androidはオープンソースのプラットフォームであり、誰もが無償で利用でき、改変できるのが特徴です。日本のスマートフォン市場を牽引しているiPhoneは、あくまでAppleという1企業がソフトとハードを管理する製品ですが、Android端末はさまざまなメーカーが開発を手掛けられ、独自の特徴を備えたモデルを展開できます。国内市場では、NTTドコモのHTC製端末「HT-03A」が2009年7月10日に発売され、2010年4月1日にはソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のAndroid端末「Xperia」も発売されます。また、ソフトバンクモバイルが2010年春に、KDDIが2010年6月以降にAndroid端末を投入する予定で、存在感は日に日に高まっています。

 従来、スマートフォンはITに関心のあるユーザーやビジネスユーザーを中心に支持されてきましたが、iPhoneの登場によってすそ野は広がっています。Androidもまた、幅広いユーザーをターゲットに端末がラインアップされるでしょう。NTTドコモは先述のXperiaを、これまで同社のスマートフォンがカテゴライズされていた“PROシリーズ”に含まない形で販売しますが、これは従来のスマートフォンがターゲットとしてきた“PRO”ユーザーにどまらず端末を訴求したい、同社の気持ちの表れとも取れます。

photo ドコモが発表したAndroid端末「Xperia」

 また、Androidの話は携帯電話だけにとどまりません。Netbook(参考記事)やフォトフレーム(参考記事)のOSに採用されはじめているほか、カーナビやデジタル家電などの組み込みシステムとしても注目度が高まっています。こうした背景については、@IT MONOistの記事「Android が組み込みで注目される3つの理由」で分かりやすく解説されています。近年の組み込みデバイスでは、ケータイなどの各種デバイスやインターネットとの親和性、洗練されたユーザーインタフェース、さらには開発のコストや期間の削減に対するニーズが高まっており、高機能かつオープンソースのAndroidに注目が集まっています。

 さらに、端末メーカーや組み込み機器ベンダーにとってのAndroidの魅力は、カーネル(OSの核となる部分)などを除いた大部分が「Apache License 2.0」というライセンスに基づき管理されている点にもあります。Linuxカーネルをはじめ多くのオープンソース・ソフトウェアがGPL(GNU General Public License)というライセンスに基づき配布されていますが、GPLで管理されたソフトウェアを使う場合、改変を施したプログラムのソースコードを公開する必要があります。独自のノウハウを持つ企業にとって、ソースコードの開示はなるべく避けたいものです。一方のApache Licenseでは、改変を施したソースコードを公開する必要はなく、企業秘密を保持したままオープンソースを活用することができるのです。

 このように、無償で充実したパッケージをソースコードを開示せずにカスタマイズして利用できるのがAndroidの大きな魅力です。これにより、端末メーカーや組み込み機器ベンダーは開発に必要なコストを抑え、独自性を付加したAndroidを開発することができます。ただし、Androidをカスタマイズして実装する場合、開発者には相応のスキルが必要となり、組み込みの現場では「人のスキルでトータルコストが膨らみがちになる」といった意見も出ているようです。

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