Professional Mobile »検討する
RSS

ニュース

全社員がiPhoneを活用:町の文房具屋から、年商30億円企業へ――山崎文栄堂を変えた“徹底ルール” (1/2)

学校前の小さな文具店から、“30人で年商30億円”の優良企業へ――。その劇的な変革は、“基本ルールの徹底”によるものだった。社内ルールからITの活用、iPhoneの導入まで、“徹底してやる”姿勢が会社を変えたという。

 青山学院大学にほど近い、国道246号に面した交差点の角に、「渋谷区渋谷四丁目五番五号」という看板を掲げた小さなビルがある。これが、従業員約30人で年商30億円を稼ぐ山崎文栄堂のオフィスだ。

 山崎文栄堂は終戦直後、町の文房具屋として創業。長年“学校前の文具店”として営業してきたが、大規模店やオンラインショップの台頭、ITの普及などの影響で、次第に経営が悪化。こうした厳しい時期に社長を継いだのが、3代目の山崎登氏だった。

 事業の立て直しを支えたのは、新たにスタートした文具通販大手アスクルのエージェント(販売取扱店)事業だが、それを軌道に乗せるために行った山崎氏の社内改革も注目に値する。山崎氏は、危機的状況にあった会社をどうやって“年商30億円規模”に成長させたのか。モバイルなどのIT活用も含めた取り組みについて山崎氏に聞いた。

sa_yama01.jpgPhoto 山崎文栄堂の今(左)と昔(右)。昭和30年代に文房具店として創業した同社は、オフィスと人の環境整備をサポートする企業へと生まれ変わった

ポイント1:何事も全員で徹底してやる

Photo 山崎文栄堂 代表取締役社長の山崎登氏

 「中小企業にとって大事なことは、徹底すること。やったりやらなかったりするようではだめ」――。これが、山崎氏の社内改革のポイントだ。約30人という小規模な企業では、“あの人はやるけれど、あの人はやっていない”という不公平が社内の士気をさげるという。そのため山崎文栄堂では、掃除からIT活用にいたるまで“全員で徹底してやる”ことをルールにしている。

 例えば同社は毎日の朝礼後の30分、全員でオフィスの清掃を行っている。全社員をチームに分け、受け持ちを決めて実施。この結果が賞与にも影響するので、チーム全員が協力して行わねばならず、結果としてチームワークの向上にも役立つ。フリーアドレス制も導入し、社員は業務の多寡にかかわらず、自分のロッカーに入る必要最低限の資料しか持たないようになった。

 IT活用も徹底している。同社では毎月、日を決めて全員のサイボウズOfficeのスケジュールをチェックしている。社員には、何らかの予定を10日分入力することが義務づけられており、予定が埋まっているかどうかを確認するのだ。予定を入れていない人に対する罰則が決められているため、社員はサイボウズのスケジュール機能を使うようになる。

 「むりやりでもいいからスケジュールを入力させるようにして、全員が“予定を入れるのがあたりまえ”になるまでやる。そうすれば、社員は諦めて使うようになり、全員が使うようになればITが生きてくる。さらに全員が社長のスケジュールを監視するようにもなってくる(笑)」(山崎氏)

Photo 細かい点検項目が並ぶ、山崎文栄堂の環境チェックシート。オフィスが整理されていることで、必要な情報にアクセスしやすくなる

ポイント2:使いやすいツールを長く使う

Photo 山崎文栄堂 営業本部長の若狹謙治氏

 「ITの活用も掃除と同じ。一部の人がやらないなら、全員やらない方がいい。でも全員でやれば、それがいかに生産性を向上させるかを実感できるはず。そうやって一つ徹底したら、次をやる」――。これが山崎氏の方針だ。

 しかし、ただペナルティを決めて強制するだけでは、うまくいくはずもない。全員が使うようにするために、ITツールは「全員が使える使いやすいものを採用し、いったん導入したら長く使い続ける」(山崎氏)のがポイントだ。

 例えば1年ほど前には、それまで社員ごとに異なっていたメールクライアントをGmailに統一した。既存のメール環境から移行する際、ある週末に講習会を開き、翌週月曜から全員が使うよう指示。「使わないと罰金100円」というルールもあって、全員が使うようになったというが、使いづらいツールではこうはいかなかったはずだ。

 同社はまた、Gmailとほぼ同じ時期にiPhoneを導入。当初は幹部全員と希望する社員に支給したが、今では全社員が使っている。まだ、試験的に導入している段階だが、Google マップや営業訪問履歴入力を手軽に使えることで外回り担当社員の時間の使い方が大きく変わるなど、すでに効果が表れ始めているという。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2012 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Special

FEATURES


仕事に役立つAndroidアプリはここでチェック!「仕事アプリナビ」
日々の仕事をサポートするAndroidアプリをカテゴリー別に紹介するサイト「仕事アプリナビ」がオープン。


特集:“位置情報連携”で進化する、モバイルサービスの今とこれから
ケータイへの搭載が本格化し始めたGPS機能が、モバイルサービスを新たなフェーズへと向かわせている。ユーザーが肌身離さず持っているケータイに位置情報が連携することでどんな新サービスが生まれ、それが人々の生活をどう変えていくのか。

Special

スマートフォン

「Android」「Windows Mobile」「iPhone」の
最新記事をピックアップ

news018.gif
Nokia、4000人削減へ 製造工程をアジア工場に移管
AppleやSamsungにシェアを奪われ続けるNokiaが、部品メーカーの多くが拠点を置くアジアに製造工程を移管することで、携帯端末の納期短縮・コスト削減を目指す。

契約者数

現在の携帯契約数(1月末)
NTTドコモ 5971万0200
(2in1:30万8000)
au 3447万9000
ソフトバンク 2806万1900
(DN:2万4700)
イー・アクセス 380万0000
(12月末)
携帯累計 1億2605万1100
(イー・アクセス含む)
ウィルコムPHS 435万9200
携帯・PHS累計 1億3041万0300
(イー・アクセス含む)
UQコミュニケーションズ 188万3900

Web閲覧端末数/MNP利用状況

Web閲覧端末数
iモード/spモード 5168万0400
EZweb/ISNET 2816万8100
Yahoo!ケータイ 2152万9000
EMnet 非公開
累計 1億0137万7500
MNP利用状況(差し引き 1月末)
NTTドコモ −9万9300
au 5万3300
ソフトバンクモバイル 4万6000
イー・アクセス 非公開

Pick Up! ホワイトペーパー

  • ビデオ会議はパーソナル・タブレットと相互接続の時代へ
     従来のビデオ会議は、会議と名のつく通り会議室同士だけのために存在していました。 近年、ビデオのマーケットはビジュアルコミュニケーションという大きな括りとなり、パーソナル型やスマートフォン、タブレット端末でも活用されるようになりつつあります。 シスコシ...
  • スマートフォンのセキュリティ対策は本当に必要なのか
     スマートフォンやタブレットといったスマートデバイスの急速な普及に呼応するように、スマートデバイスを標的にしたマルウェアが多数発見されるようになった。だがこうしたマルウェアは脅威ではないと考えるセキュリティ専門家は少なくない。 ユーザー企業は、スマート...
  • “使いやすさ”が大幅に向上! 多様なIT資産を一元管理できる最新クライアント運用管理ツール
     ハードウェア/ソフトウェアのIT資産管理(Mac OSやLinux OSにも対応)、操作ログ管理、セキュリティポリシーの運用、クライアントのリモートメンテナンスなどを支援し、USBデバイスやネットワーク機器なども一元管理できる「SKYSEA Client View」。 同製品に搭載する各...
  • 技術者が見せる。Google Appsでの開発・実装例
     これまでにGBSに寄せられたグループウェア選択の際のお客様の注目点、ご要望から浮かびあがる2つのポイント「ワークフロー」「データ連携」。 Googles Apps(TM)は、これらにどのように応え、改善を実現したのか? 外部サービスの利用を最小限に絞り、Google Apps機能...
  • スマートフォン/タブレットの業務利用の新提案。簡単な設定で外出先から社内データベース照会が可能に。
     スマートフォンの業務活用方法としては、メールやグループウェアなどが一般的だが、販売・生産・経理などの社内の各システムの既存データベースを自由に社外から活用できる仕組みは多くはない。 Business4Mobileは、ツールの簡単な設定だけで、iPhone、iPad、Androidな...
  • イグアスが提供する災害・障害対策&スマートフォンソリューション
     「災害対策、『きちんと』ご対応済みですか?」◇IBMiの二重化によりダウンタイムを最小限に抑えるHAソリューション◇IBMiの遠隔へのバックアップを低コストで実現する災害対策ソリューション◇Windowsの二重化でダウンタイムを最小限に抑えるHAソリューション  「昨今...
  • クラウド時代におけるエンドユーザ目線によるWebサイトのパフォーマンス管理の必要性
    今日、顧客やビジネスパートナーとのやり取りをWebベースのアプリケーションインフラに実装している企業は増加している。これまで以上にインフラの階層やコンポーネントが増えるだけでなく、クラウドやCDNなど、データセンター外部のインフラとの連携も考慮すべき対象とな...
  • 自社に最適なグループウェアの選定ポイント
    市場には数多くのグループウェアが存在する。スケジュール管理やWebメール、ワークフローなどさまざまな機能が搭載され、現在ではASP形式で提供されたり、携帯電話/iPhoneなどのスマートフォンからもアクセス可能になるなど、その提供形態や利用シーンも多岐にわたる。企...
  • 安否確認、スマートフォン対応、変化し続けるユーザーニーズを解決する情報基盤とは?
     TechTargetジャパンの読者調査によると、企業における情報共有ツール利用の条件として、「エンドユーザーが使いやすい」「運用コストが安い」などが多く挙がった。前者の解決には、豊富が機能なのことはもちろんのこと、それらがユーザーにとって分かりやすい画面構成で...
  • 今すぐできる認証強化
     オンラインサービスの提供や、事業継続およびビジネス推進を目的としたリモートアクセスの提供が増加するなか、不正アクセスによる情報や金銭詐取が相次いで発生しており、認証強化が重要な課題となっている。 しかし、常に課題になるのは、セキュリティ強化と利便性の...