ケータイコンテンツ市場に転機 伸びる一方、主役に変化調査リポート

» 2011年07月19日 17時49分 公開
[ITmedia]

 フィーチャーフォンのコンテンツ市場は2010年(1〜12月)も拡大したが、その原動力はSNSなどのアバター/アイテム販売系ビジネスで、減少に転じた市場も少なくない――モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が7月15日に発表した調査結果で、こうした傾向が浮き彫りになった。

 MCFは今回、モバイルコンテンツやモバイルECの市場規模を調査。調査対象はフィーチャーフォンが中心。一部スマートフォンに関する調査も実施している。

最大市場は「着うた」から「アバター/アイテム販売」に

 2010年のモバイルコンテンツ/EC関連市場の合計規模は、前年比109%の1兆6550億円。このうち、モバイルコンテンツ市場(フィーチャーフォンの売上が対象)は前年比117%の6465億円、モバイルEC市場は前年比104%の1兆85億円となった。


photo 市場規模の変化

photo モバイルコンテンツ市場のジャンル別推移

 モバイルコンテンツ市場では、SNSなどの「アバター/アイテム販売系市場」が急速に拡大。前年比311%の1389億円となり、最大市場となった。一方、これまで最大の市場だった「着うた系市場」は減少に転じ、前年比94%の1133億円となった。このほかにも「モバイルゲーム市場」「待受系市場」など7つの市場が前年を下回っている。

 アバター/アイテム販売市場を除いたモバイルコンテンツの市場規模は、2009年が5078億円だったのに対し、2010年は5076億円と初めて減少した。「会員制の有料を前提としたビジネスモデルから無料を前提としたフリーミアムでのコンテンツ利用への移行が見られる」と、MCFは分析している。

 なお、MCFはスマートフォン上でのモバイルコンテンツ市場についても調査し、2010年の市場規模を123億円とした(参考値)。全体の2%程度の市場規模だが、前年度比351%の急拡大を見せたとしている。

モバイルEC、「専業企業の売上が伸び悩み始めている」

photo モバイルEC市場のジャンル別推移

 モバイルEC市場は、「物販系(モバイル通販)」「サービス系(興行チケット、旅行チケット、航空チケットなど)」「トランザクション系(証券取引手数料、オークション手数料)」に分類して調査した。3分野のいずれも拡大している。

 物販系は前年比103%の4392億円。リアル店舗やテレビなど複数媒体で商品を販売する大手ショッピングモールの売上が順調に増加している一方、モバイルEC専業企業の売上は伸び悩み始めていると分析している。サービス系は前年比106%の4109億円、トランザクション系は前年比103%の1584億円となった。

 なお、販売サイトにおいてはフィーチャーフォンとオープンプラットフォームが区別されていない場合も多く、数値には一部オープンプラットフォーム経由の売上が含まれると考えられる。

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