IPAは8月3日、2011年7月におけるコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。
最近はPCだけでなくスマートフォンでも新しいウイルスが次々と発見されており、IPAへの届け出も増加傾向にあるという。スマートフォンがウイルスに感染してしまうと、スマートフォン内のデータやGPSの位置情報といった個人情報などが悪意ある第三者に送られてしまう、悪意ある第三者にスマートフォンを乗っ取られてしまう、ボットネットの1つとして知らぬ間に犯罪の道具として使われてしまう――といった被害が考えられると指摘している。
届出時期 | 名称 | 特徴 |
---|---|---|
2011年3月 | AndroidOS/Lotoor(ロトール) [DroidDream](ドロイドドリーム) | ウェブサイトからダウンロードすることにより感染し、Android端末に保存されている情報を収集、外部に送信するといった機能を有する。 |
2011年6月 | AndroidOS/Lightdd ライトディーディー | 感染するとAndroid端末の情報を盗み取り、外部に送信する。 |
2011年6月 | AndroidOS/Smspacem エスエムエスパーセム | 感染するとAndroid端末内のアドレス帳の連絡先に、SMSメッセージの送信を試みる。 |
2011年6月 | AndroidOS/Smstibook エスエムエスティブック | 感染すると事前に設定された番号に、プレミアムSMSメッセージの送信を試みる。 |
IPAに届け出られたウイルス検出の報告は、WindowsなどのPC環境でメール受信時などに検出されたもの。Android端末上からファイルを展開させる目的で不特定多数にウイルス付きメールが送られ、それがPCにも届いているという。Android端末用のセキュリティソフトがあまり普及していないことから、スマートフォン上でのウイルス発見報告がまだないものとIPAは予測している。なお、2011年3月から7月に届出のあったスマートフォンのウイルスはすべてAndroid端末をターゲットとするものだった。
ウイルス付きのアプリが添付されたメールをスマートフォンで受信した場合は「インストール」ボタンを押すだけでウイルスに感染する恐れがあるため、IPAでは取り扱いに十分注意するよう呼びかけている。
さらに、IPAはこうしたスマートフォンを狙ったウイルスの増加を受け、スマートフォンを安全に使用するための六箇条をまとめ、公表した。内容は(1)スマートフォンをアップデートする、(2)スマートフォンにおける改造行為を行わない、(3)信頼できる場所からアプリをインストールする。(4)Android端末ではアプリをインストール擦る前にアクセス許可を確認する、(5)セキュリティソフトを導入する、(6)スマートフォンを小さなPCと考えてPCと同様に管理する――というものだ。
コンピュータウイルスについては、7月のウイルス検出数が約2.3万個と、6月の約3.8万個から39.4%の減少。7月の届出件数は1064件で、6月の1209件から12.0%の減少となっている。
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