ロバート・ハーフ・ジャパンは「管理職者の思い違い」に対する見解を発表した。「仕事があるだけ運がいいと思え」「長時間働く部下はいい部下」など、管理者の思い違いで士気をそがれた部下が転職しがちだという。
人材派遣企業ロバート・ハーフ・ジャパンは3月5日、「管理職者が陥りがちな思い違い」に対する10の見解を発表した。
これらは親会社のロバート・ハーフ・インターナショナルが、求職者の転職動機に多いという「管理者への不満」や、管理者の募集企業が抱く「要らない管理者像」など、1948年の設立以来60年間に蓄積したノウハウをまとめたもの。
「(解雇されずに)仕事があるだけ運がいいと思え」については、1970年代前半のオイルショックなど、不景気な時ほど顕著になるという。管理者のこうした言葉にプライドを傷つけられた部下は、景気回復と同時に会社を辞める傾向があるため、企業は優秀な人材を逃すことにつながる。ロバート・ハーフ・ジャパンは「管理者には、部下が仕事をしてくれているという発想が必要」と見解を示す。
「長時間働く部下はいい部下だ」については、遅くまで残業する部下とそうでない部下を比べると、管理者は残業する方を高く評価しがちだという。「忙しくしているからといって、その部下が会社にとって効果的なことをしているかどうかは分からない」。部下への間違った評価は管理者自身の評価につながる。「管理者は会社の目標に合わせた評価基準を再考するべき」としている。
また、「景気好転は待つしかない」では、「景気が戻るのを待つより、今、行動することが大事」とコメント。いいアイデアがあれば景気回復を待つ必要はなく、逆に競合他社の一歩先を行くチャンスだという。
さらに、発表理由について「多くの企業が大幅なコスト削減と増収を同時に求められる今だからこそ、何気ない態度や言葉で部下のやる気をそぐ機会を減らし、要らない管理者になることを防ぎたいから」と話した。同社によると、管理者の思い違いで「やる気」をそがれた部下が、転職を希望するケースが多いという。
なお、公表した10の見解は日本向けに厳選したもの。親会社ロバート・ハーフ・インターナショナルは15の見解を欧米で公表した。欧米のみで公表した1つが、不景気に顕著だという「品質を犠牲にする(Sacrificing quality.)」。日本で公表しなかった理由について「日本人は手先が器用。メンタリティとしても品質を下げるという発想がないから」としている。
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