以上、2製品をざっと比較してみたが、実際に試用した感想としては両製品とも大きな欠点はなく、どちらを買っても後悔することはないと感じる。過去にドキュメントスキャナを使ったことがない人であればなおさらだろう。実売価格についても、本稿執筆時点では差がほとんどないだけに、決め手になりにくい。
対応OSについては、Macで利用する場合はPFU ScanSnap S1300をチョイスすることになる。キヤノンimageFORMULA DR-150はWindows専用なので、これはもう迷う以前の問題だ。
Windows利用を前提とする場合だが、モバイルよりも据置をメインに、ドキュメントスキャナの入門用として購入するのであればPFU ScanSnap S1300、モバイルを中心とした使い道が多くなりそうであればキヤノンimageFORMULA DR-150、といったところだろうか。特にモバイルにおいては、本体サイズの小ささ、USBケーブルのみで十分な読取速度を確保できる点、簡易スキャンソフトを内蔵する点など、キヤノンimageFORMULA DR-150にかなりのアドバンテージがあると感じる。
いっぽう、据置型のフルサイズのモデルも含めてチョイスするとなると、こちらは少々悩む必要が出てくる。コンパクトモデルのメリットは、本体サイズの小ささ、あとは価格だ。例えばScanSnapの場合、据置モデルのS1500であれば実売価格が4万円台なのに対し、S1300は2万円台となっている。購入を迷っているユーザであっても、4万円台と2万円台とでは、判断もかなり変わってくるだろう。
ただ、一度にセットできる用紙枚数と読取速度に関しては、2万円程度のコスト差があっという間に回収できてしまうほど、据置型モデルに圧倒的なアドバンテージがある。筆者もそうだったが、ドキュメントスキャナを初めて使う場合、スキャン対象となる書類が身の回りにたくさん積まれているはずである。それを考えると、大量の書類を効率よくデータ化するために最初から据置モデルを購入するという選択肢も、コストパフォーマンスの観点からはありではないかと思う。
一方、ドキュメントスキャナなるものが自分のワークスタイルにどれだけマッチするか自信がなく、買う買わないそのものを迷っているユーザは、まずはコンパクトモデルを買ってみて、メリットを感じたら据置型に買い替える、という選択肢もよいのではないだろうか。本稿で紹介しきれなかった機能も含めて、ぜひドキュメントスキャナのメリットを体感してみてほしい。
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