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» 2010年02月16日 12時36分 公開

源泉徴収票の見方、教えます個人事業主もサラリーマンも読める「税金の話」(3/3 ページ)

[奥川浩彦,Business Media 誠]
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 配偶者控除は奥さんがいると受けられる控除だ。「103万円の壁」という言葉を聞いたことがないだろうか。配偶者控除と配偶者特別控除の分かれ目が「103万円の壁」だ。配偶者控除の対象となるのは、所得が38万円以下の奥さんだ。ここで言う所得とは給与所得のことで、

  • 給与の収入金額(年収)−給与所得控除=給与所得

給与所得控除は最低でも65万円なので、年収が103万円の奥さんの給与所得は38万円となる。年収で103万円、月額85,800円以下なら全く働いていない専業主婦と同じ、満額の38万円が配偶者控除として受けられる。これを越えると配偶者特別控除の対象となる。所得が38万円を越え76万円未満(年収103〜141万円)の場合、段階的に控除額が減り76万円以上になると0円となる。

 扶養控除は対象となる子供や老人の年齢によって控除額が異なってくる。一般の扶養親族の場合の控除額は38万円だが、12月31日現在の年齢が16歳以上23歳未満(ざっくり言うと高校生、大学生)の特定扶養親族の場合は、控除額が25万円増えて63万円、70歳以上の老人扶養親族の場合は、同居老親等(自分又は妻の直系尊属で、常に同居している人)なら控除額が20万円増額されて58万円、同居老親等以外(ようするに別居)は10万円増額されて48万円となる。年齢に関係なく同居特別障害者である場合は、控除額がさらに35万円増額される。

扶養控除一覧
控除額 同居特別障害者の場合
一般の扶養親族 38万円 73万円
特定扶養親族(16歳以上23歳未満) 63万円 98万円
老人扶養親族(同居老親等以外の人) 48万円 83万円
70歳以上の老人扶養親族(同居老親等) 58万円 93万円

 扶養親族も所得が38万円を越えると対象とならないので、アルバイトでガッツリ稼いでる女子大生は扶養控除の対象外だ。年金生活をしている親も158万円を越えると対象外となる。ただし遺族年金はここで言う年金には入れないので、母親1人の場合は年金額を1度確認してみるといいだろう。

 もう1度、源泉徴収票の細かな部分を見てみよう。先ほどの金額が書かれた行の一段下を見ると、配偶者(有)に*印、扶養親族(その他)に1人、社会保険料等の金額に71万円、生命保険料の控除額に5万円と書かれている。これらを金額にすると、配偶者控除が38万円、扶養控除が38万円、社会保険料控除が71万円、生命保険料控除が5万円、何も書かれていないが一律受けられる基礎控除が38万円。これらを合計すると控除額は

  • 38万円+38万円+71万円+5万円+38万円=190万円

 となる。これが「所得控除の額の合計額」の覧に書かれた金額の内訳だ。「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた410万円が課税対象額となる。はたして鳩山一郎さんの所得税はいったいいくらになるのか。

 所得税は課税所得によって税率が異なってくる。課税所得と税率は以下の通りだ。

課税所得 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円〜330万円 10% 9万7500円
330万円〜695万円 20% 42万7500円
695万円〜900万円 23% 63万6000円
900万円〜1800万円 33% 153万6000円
1800万円〜 40% 279万6000円

 表を見ると勘違いしやすいが、195万円の人は5%で200万円の人は10%になるわけではない。200万円の人は195万円の5%=9万7500円と、超えた5万円の10%=5000円を足した10万2500円が所得税となる。

 計算の方法は、式にすると

  • 課税所得×税率−控除額

 となり、課税所得が200万円の場合

  • 200万円×0.1−9万7500円=10万2500円

 鳩山一郎さんの場合は課税所得が410万円なので

  • 410万円×0.2−42万7500円=39万2500円

 となる。源泉徴収票の源泉徴収税額にはこの金額が記入されている。サラリーマンの場合は毎月の給料から所得税が引かれ(源泉徴収され)、年末の給料で最終確定した税額が年末調整されているので、すでに税金は納付済みとなる。景気後退で冬のボーナスが激減したりすると、年間の税金も減るので、年末調整で思った以上の金額が12月の給与明細に記されていたりするものだ。

 個人事業主の場合は、確定申告後に決まった所得税を納付する。原稿料の様に振り込まれる段階ですでに10%の源泉徴収されている場合は、その分を差し引いた額を納税する。納めすぎている場合は1カ月ほどで還付される。

 所得税の計算ロジックはなんとなくご理解いただけただろうか。次回は住民税について考えてみたい。

消費税8%時代の確定申告
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