Biz書式テンプレートでは人気のあった書式テンプレートの解説を掲載。今回は事業計画書についての2回目。3〜5年後のあるべき姿を、経営ビジョンとしてどうやって作ればいいのかを考えます。
事業計画を作成する場合、まず、3〜5年後に自社がどうなっていたいかというイメージを漠然とではなく、できるだけ具体的に描き出すことが必要になります。イメージが明確になったうえで現状分析を行うと、現状と将来ビジョン(あるべき姿)のギャップがどこにどういう形で存在するかをつかみやすくなります。
次に、現在の政治や経済、法的規制などのマクロ的な外部環境から業界動向や顧客ニーズ、競合の状況などのミクロ的な外部環境までの現状把握と将来予測およびその変化が自社に与える影響などを検討しなければなりません。
最後に、環境分析から導いた方向性にそって、3年後のあるべき姿に到達するための年度方針の決定が必要になります。
手順として、スタートは現状認識からということになりますが、企業内部の強みや弱みを洗い出すという作業は、自社内で実施する場合、どうしても主観的になったり、強みや弱みそのものに気づかなかったり、ということが往々にして起こります。それは、自社内においては、それがあたり前になってしまっているからに他なりません。
ですから、どこまで客観的に内部環境の分析ができるかは、事業の今後の方向性を考える上で、もっとも重要なポイントになります。経営体制、社員満足度、顧客満足度、会社満足度、技術力、経営管理などのカテゴリーをそれぞれ検討して、強み、弱みを洗い出すようにしてみましょう。もちろん、ケースバイケースで項目の追加・修正はあり得ると思います。
社内のことだけでなく外部環境についても分析が必要です。マクロ環境とミクロ環境に分けて考えるといいでしょう。こうした現状認識を踏まえて将来ビジョンにつながる道筋や方向性までを描き出せればOKです。あくまでも方向性ですから、大きなくくりで考えていいと思います。
ビジョンにつながる方向性を導き出したら、個々のカテゴリーについてあるべき姿を明確化します。これが次年度の戦略方針に落とし込むという作業になるわけです。
ここで最も大切なことは、あくまでも“3年後のあるべき姿”を実現するという観点で戦略方針を考えること。この部分が現在の延長線になってしまっては、ビジョンを描いた意味がないだけでなく、現状とのギャップを埋めることも難しくなります。
考え方として重要なことは「3年後から現在を見る」という視点です。明確になった3年後の企業イメージ、ビジョン(あるべき姿)は、すべて実現しているということを前提にします。そう考えることで、現状とのギャップを埋めるための具体策、その実施時期などが必然的に明らかになってくるのです。
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