新任マネジャーは「戦略」「作戦」「戦術」の違いを図解で理解しようプレゼンがうまい人の「図解思考」の技術(2/2 ページ)

» 2012年04月19日 11時00分 公開
[永田豊志Business Media 誠]
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プロジェクト全体の指揮を取る

 次に、戦略を実行する各プロジェクトが「作戦」です。第2次世界大戦中に連合国がヨーロッパで実施した「ノルマンディー上陸大作戦」のように、成功するかしないかを決定づける重要なプロジェクトが作戦です。英語的にはOperation。私の名刺にも「COO(Chief Operative Officer)」と肩書が書いてありますので、各作戦が成功するようにリードしていかねばならない立場にあるということになります。

 通常、戦略を実行するために多くのプロジェクトが並行して進むものです。その全てに目を配り、成功させることが目的となります。

理想的な会社経営を図解したもの(前ページより)

 戦術は、その次です。これは各プロジェクトを成功させるための具体的な戦い方です。兵士を何人投入するか、どんな兵器で戦うか、どこから攻めるのか、といったことを決めます。企業においては、現場をどのようにリードしていくかということになります。英語ではTacticsです。

 そして、一番下が戦術(兵士・兵器)をサポートする後方支援(combat service support)。物資輸送、労務管理、環境の構築や整備などあらゆるサポート業務が入ります。

 多くの人は素晴らしい新製品を作る、広告宣伝を派手にやる、営業部門を増員するといったことを「戦略」だと考えるようですが、これらは企業経営全体から見れば「戦術」の領域です。作戦、戦術、後方支援をつかさどるリーダーは会社全体のシナリオを頭に入れながら現場活動をしなければなりませんし、経営者(自責の念も込めて)は、それをしっかり末端まで伝えていかねばなりません。

集中連載『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』について

『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』 『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』(永田豊志・著、中経出版・刊、A5判/208頁、本体1500円)

 パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。

 「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。


目次

  • 第1章:残念なプレゼンは、なぜ眠たくなるのか?…面白いプレゼンの秘密とは?
  • 第2章:考えがスッキリまとまる図解プロットの技術…自分の考えを整理する方法
  • 第3章:「合体ロボ作戦」でシナリオに磨きをかける…プレゼンの流れを作り出す
  • 第4章:魅力的なスライドラフを描いてみる…ハイクオリティなラフ描きの技術を公開
  • 第5章:図解プロットに挑戦!…実際に、考えをまとめ、シナリオを作り、ラフを描く
  • 第6章:魅力的なアイデアを作り出す10のテクニック…使えるアイデア発想法

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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