多くの人は「時間軸」で生きていると思います。しかし経営者になって、オンとオフという概念がなくなりました。軸があるとすれば、“五感”という軸です。
小さな会社でも「新規性」「話題性」「社会性」の3つがあれば、ブランドを作れる!
著者は自ら動き、学び、実践した結果、ブランド構築に必要なものは、「新規性」「話題性」「社会性」の3つという答えにたどり着きました。本書ではその真意とともに、独自の「マーケティング哲学」、すなわち、
などなど、どの商売にも通じる「売ろうとしなくとも、売れる」法則を公開しています。
この記事は2013年11月14日に発売された日本実業出版社の『「売らない」から売れる! どこにでも売っている商品を「ここにしかない」に変える5つの法則』(寺田元著、単行本)から抜粋、再編集したものです。
サラリーマンから経営者になって大きく変わったな、と思うことが1つあります。
サラリーマン時代は、1日を「時間」という軸でとらえて生きていました。いわば「時間軸」です。残業しているときなどは、いつも「なんでこんなに遅くまで働かなきゃいけないんだ」と思っていました。
とはいえ、多くの人は「時間軸」で生きていると思います。そもそも会社の時間の流れは、例えば9時から始業で、昼休みは12〜13時まで、そこから17時まで仕事というようにオンとオフが時間で区切られています。
しかし経営者になり、オンとオフという概念がなくなりました。軸があるとすれば、「五感」という軸です。「五感軸」は私の造語です。オフの宴会であろうが、寝る直前だろうが、大みそかだろうが、正月だろうが、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感に響く瞬間を大事にする生き方です。
サラリーマンを辞めて父親の会社に入った頃は、親父が弁当をパッと食べて、たいして休憩もとらずに包装したりしている姿を見て、私はまだサラリーマンの感覚でいたので、「そこまでせんでええのに……」ぐらいに思っていました。
そんな私でしたが、生活に困ってきて切羽詰まってくる、セミナーに参加し、オフィスに戻ったら日付が変わって深夜2時、3時になるまでPCに向かってサイトの改善に取り組むようになっていました。
気づいたら四六時中、商売のこと、タオルのことばかり考えるようになっていましたそれまでは、子どもとプールに行っても、プールで子どもと一緒になって楽しむだけ楽しんだら、それでその日は寝てしまっていました。しかし五感軸で生活をしていると、プールに行っても、やっぱりプールサイドのタオルに自然と目がいくようになります。今では、いつでもどこでもタオルに対するアンテナが絶えず立っている状態です。
寝ている最中でも、タオルに関する夢を見るくらいです。ここからここまでが仕事の時間というように、オン/オフで区切ってしまったら、おそらくこれまで商品化したタオルのアイデアも、ほとんど出てこなかったでしょう。
成功している経営者を見ていると、みなさん、五感軸で生きているように思います。24時間、365日、好きなことをしている人が多い。例えば自社で扱う商品がお茶だったら、お茶のことをずっと考えて、お肉だったらお肉のことについていつもアンテナを張って考えているようにです。
もちろん、オンとオフを分けずに仕事中毒になったり、家庭をかえりみずにハードワークをすることをすすめているわけではありません。24時間、365日、五感で生きていれば、目にしたこと、耳にしたことすべてがアイデアが生まれる瞬間になることをお伝えしたいのです。
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