ネットワーク接続に対応した新型ScanSnap「ScanSnap N1800」を試す(後編)(4/4 ページ)
PFUからドキュメントスキャナ「ScanSnap」シリーズの最上位モデル、「ScanSnap N1800」が登場した。ネットワーク接続に対応した本製品で何ができるかを紹介しよう。後編は導入手順、操作方法、スキャンの品質を見ていく。
手順の分かりやすさは追求してほしい
以上ざっと見てきたが、前編の冒頭にも書いたように、本製品はScanSnapのブランド名を冠しながらも、あくまで法人向けのドキュメントスキャナという位置づけの製品だ。ネットワークの環境というのは法人によってさまざまなので、1つの統一した設定をプリセットしておくのは難しい。よって出荷時はほぼまっさらの状態にしておき、さまざまな利用環境にあわせてカスタマイズできる余地を残しておくという本製品の方向性は確かに正しい。
逆に言うと、今後ScanSnapに家庭向けのネットワーク対応モデルが登場するとすれば、ホームユース向けに設定をプリセットするか、あるいは機能そのものを簡略化することが必要だと感じた。今回の製品にしても、設定手順の全体の概要を示したペラ1枚のチャートなどが同梱されていれば設定はもっと分かりやすくなっていたと思われるが、今後ホームユースを視野に入れるならば設定の手順を分かりやすく説明することはもっと追求してほしい。
また本製品に関しても、法人向けであることを差し引いても、もう少し分かりやすい手順説明は必要だと感じた。本製品はActive Directory導入済みのオフィスのみならず、ワークグループ環境で運用しているSOHOレベルのオフィスに導入されるケースも多いはず。
こうした環境では、家庭用NASやルータしか設定経験のないユーザーがシステム管理者に代わって本製品の設定を行うケースもあると思われるが、現状の複雑さでは途中で投げ出してしまいかねない。USB接続のドキュメントスキャナよりはハイエンド、スキャン・コピー・FAX機能が合わさった複合機よりもローエンドという位置づけであれば、本職のシステム管理者以外のユーザーでも設定が手軽にできるよう、手順説明にプラスアルファの工夫が必要だろう。
ともあれ、複数ユーザーが使える以外にも、設置場所が自由、PC側にユーティリティをインストールしなくてよく、またPCのリソースもむやみに消費しない点など、ネットワーク化の恩恵は多岐にわたっている。
こうした点からして、コンシューマ向けであってもネットワーク接続対応のScanSnapのニーズは少なからずあると考えられる。ここまで述べてきた設定手順の分かりやすさについて以外にも、価格面などクリアしなくてはいけない問題は多いが、ハードウェアそのものはすでに高い完成度を誇るだけに、今回の製品を足がかりとした先の展開を期待したいところだ。
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