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新日本プロレスのプロ経営者・メイ社長が「リストラせずにV字回復できた理由」――必要なのはコストカットよりも“人材とブランドの育成”セルリアンブルーのプロ経営者【後編】(6/6 ページ)

» 2020年03月18日 07時30分 公開
[田中圭太郎ITmedia]
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「コト体験」の輸出に日本企業の商機あり

――6時間も1位だったのですか。試合はどれくらいの長さだったのですか?

 試合は4時間30分です。試合の前から盛り上がって、試合後も興奮冷めやらずだったのでしょう。世界に向けて同時配信をしていましたので、「コト体験」が国境を越えて伝わったのだと思います。

 私は日本の経済そのものが、もっと「コト体験」にシフトした方がいいと考えています。日本のGDPは約6割がものづくりで、約4割が「コト体験」です。アメリカは逆で、ものづくりが約4割で、「コト体験」が約6割を占めています。

 ただ、米国の映画産業や音楽産業はスケールが大きく、歴史も古いので、追いかけても仕方がありません。それでは日本の「コト体験」で輸出できるものは何かといえば、その代表はアニメですよね。一方でスポーツはまだ輸出できていません。そこで日本独特のプロレスを「コト体験」として世界に輸出するのが、いまの私の夢です。

――「コト体験」の輸出なら、可能性のある日本企業も少なくなさそうですね。

 たくさんありますよ。それに、輸出せざるを得ない状況だと思います。海外で日本の商品のイメージはいいので、活用しない手はありません。そのためには、日本人だけでなく、外国人や海外留学の経験者など、海外のビジネススタイルに対応できる人材や考え方を取り入れる方がいいでしょう。

 いままで必要がなかったような経験やスキルを持って、文化や考え方の壁を乗り越えられるような経営者や人材が、日本企業に求められていると考えています。

photo クマが選手を真似(まね)ているぬいぐるみ「マネくま」が社長室に飾られていた

著者プロフィール

田中圭太郎(たなか けいたろう)

1973年生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年4月からフリーランス。雑誌・webで警察不祥事、労働問題、教育、政治、経済、パラリンピックなど幅広いテーマで執筆。「スポーツ報知大相撲ジャーナル」で相撲記事も担当。Webサイトはhttp://tanakakeitaro.link/


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