以上が星野代表へのインタビュー内容だ。この夏、観光施設に訪れると、お客がおらず閑散とした宿では、不安げな様子のスタッフの姿を見かけることも多かった。そんな中、星野リゾートの施設では、「厳しいです」といいながらも、できることに注力し、未来に向けてしっかりと歩む姿があった。帰休の間、農作物の収穫を手伝っていたというスタッフは「多くの気付きがあった。今は難しいですがコロナが落ち着いたら試したいことがたくさんあります」と先を見据えていたのが印象的だった。
冒頭の「倒産確率は心の支え」といったスタッフは、「星野リゾートはフラットな組織文化を最も大事にしていて、コミュニケーションも情報共有もフラット。上下関係なく全員で情報を共有することで、一人一人が自分の役割を俯瞰でみて判断もしやすい」と語る。ウィズコロナでの逆境をも力にしていく星野リゾートの組織としての強さを感じた。
村田和子(むらた・かずこ)
旅行ジャーナリスト。1969年生まれ、大阪市立大学生活科学部卒。アパレル会社人事部を経て、(株)人事測定研究所(現:リクルートマネージメントソリューションズ)へ入社。マーケティング業務に従事する傍ら、2001年より総合情報サイトAllAboutにて旅の情報の寄稿を開始。06年トラベルナレッジ設立し「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力発信・コンサル・講演を行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド🄬」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。総合旅行業務取扱管理者、1級販売士(日本販売協会登録講師)。16年よりNHKラジオ「Nらじ」へ出演中。
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