医療や介護の現場で考えられる女性特有の疾患の影響には、次の3点があります。1点目は、夜勤を含めた交代勤務やシフト勤務の影響です。特に夜間の交代勤務はホルモンバランスに影響を及ぼすため、乳がんのリスクや、不規則な月経による将来の妊娠への不安にもつながっています。
2点目は、先ほども触れたように、女性特有の疾患の影響です。例えば、乳がんや子宮頸がんは就労世代が好発年齢となるため、男性よりも女性の方ががんになりやすいことが挙げられます。他にも月経や更年期も労働生産性に影響するといわれています。
3点目は、母性健康管理による影響です。母性健康管理とは妊娠や出産、不妊治療などによる影響のことを指します。特に休みがとりにくい医療現場において、どのようにフォローするのかは、職場の課題になっているのではないでしょうか。
私が産業医として面談をする際、月経や更年期について相談があった場合は、少しでも快適に過ごせるようにと考えて、低容量ピルやホルモン補充療法を推奨することがあります。どちらも副作用がゼロではありませんが、それ以上にプラスの効果は大きいと思うためです。薬物治療を開始した結果、体調の波が安定して働きやすくなった、休まなくてよくなったという報告を受けるケースが多いです。
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