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月経による労働損失は4911億円 経営者が実践すべき「女性の離職を減らすための健康経営」とは?2030年には187万人の労働力が不足(3/5 ページ)

» 2021年11月30日 05時00分 公開
[田中圭太郎ITmedia]
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女性の疾患のリスクが高まる現場

 医療や介護の現場で考えられる女性特有の疾患の影響には、次の3点があります。1点目は、夜勤を含めた交代勤務やシフト勤務の影響です。特に夜間の交代勤務はホルモンバランスに影響を及ぼすため、乳がんのリスクや、不規則な月経による将来の妊娠への不安にもつながっています。

 2点目は、先ほども触れたように、女性特有の疾患の影響です。例えば、乳がんや子宮頸がんは就労世代が好発年齢となるため、男性よりも女性の方ががんになりやすいことが挙げられます。他にも月経や更年期も労働生産性に影響するといわれています。

 3点目は、母性健康管理による影響です。母性健康管理とは妊娠や出産、不妊治療などによる影響のことを指します。特に休みがとりにくい医療現場において、どのようにフォローするのかは、職場の課題になっているのではないでしょうか。

phot 女性特有の疾患リスク

 私が産業医として面談をする際、月経や更年期について相談があった場合は、少しでも快適に過ごせるようにと考えて、低容量ピルやホルモン補充療法を推奨することがあります。どちらも副作用がゼロではありませんが、それ以上にプラスの効果は大きいと思うためです。薬物治療を開始した結果、体調の波が安定して働きやすくなった、休まなくてよくなったという報告を受けるケースが多いです。

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