一連のキャンペーンで取り上げられているコンテンツは、あまり知られていないものが多い印象を受ける。どのようにして「知られていないずらしコンテンツ」を発掘しているのか。
その秘訣について同社に尋ねたところ、昨年7月、静岡に観光開発事務局を設置したことがポイントの一つだという。ローカルに根差した観光開発事務局が日ごろから自治体や各施設とやりとりをすることで、観光開発のヒントや有用な情報を集め、それを元に取り上げるコンテンツを決定しているそうだ。観光開発事務局は愛知や京都にも設置されていて、愛知県のキャンペーンでも名古屋城や熱田神宮といった定番ではなく、アイスサウナ、タコをメインコンテンツに据えて今夏、話題となった。
また、「秋のしずおか元気旅」キャンペーンについては、静岡県、静岡県観光協会と一緒になって観光開発、キャンペーンを展開していることも特徴の一つで、観光誘客は着地間自治体競争の面が強い。beforeコロナでは、東海道新幹線は年間約1.7億人を運ぶ輸送機関であり、自治体から見ると同社と組むメリットはある。
第6波、新たな変異ウイルスであるオミクロン株などへの警戒感が依然として残っているものの、足元は感染状況が落ち着き、GoTo再開を控え、観光業界は復活夜明け前の様相も呈してきた。
ただ、コロナによる環境変化で顧客ニーズも変化したことから、当面コロナ前と同じ規模でのキャンペーン展開というわけにはいかないだろう。コロナに立ち向かうのではなく、コロナという現実を受け入れた上で新たな戦略を立てたJR東海の観光キャンペーンはどこまで広がりを見せるか。
JR東海がビジネスパーソン向け「S Work車両」を導入 担当者が明かす狙いとは?
JR東海、東京駅などに会員向けワークスペース「EXPRESS WORK-Booth」を設置 狙いは?
アジアゾウの「象主」になれる権利を30万円で販売 JR東海の担当者に聞いた「意外な狙い」
赤字企業・JR東海の反転攻勢策と「東海道新幹線不要論」
猛暑の愛知で冷やし旅? コロナ影響続くJR東海「奇策」の狙い
リニアを阻む静岡県が知られたくない「田代ダム」の不都合な真実
瀕死の観光産業を救うか? GoToで注目される「ずらし旅」とは
リニアを止める静岡県 川勝知事「ヤクザ・ゴロツキ」暴言問題の背景に「ハコモノ行政」
静岡県知事の「リニア妨害」 県内からも不満噴出の衝撃【前編】
静岡県知事の「リニア妨害」 県内からも不満噴出の衝撃【後編】
JR東海、「ずらし旅」公式キャラクターのLINEスタンプを発売 狙いは?
リニア建設を阻む静岡県――川勝知事の「禅問答」がもたらす、これだけの弊害
リニアを阻む「水問題」 専門家の指摘で分かった“静岡県のもっともらしいウソ”
リニアの「徐行」は新幹線の最高速度だった
“グランクラス2.0”始動! 「新幹線版ファーストクラス」をリニューアルするJR東の「次の一手」
山手線、東海道新幹線の隣にある「巨大な穴」は、リニアの「秘密基地」だった
長野県、山梨県、静岡県が「首都圏」になる日
JR東海が「駅のない」奈良で観光キャンペーンを仕掛ける理由
在来線の値上げも!? 4180億円という民営化後最大の赤字に転落するJR東日本の惨状Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング