DB-P1――NEC電子書籍端末ショーケース

古今東西の電子書籍端末をショーケース風に紹介する「電子書籍端末ショーケース」。ここでは、NECが1990年代に販売していた「DB-P1」を紹介。

» 2014年08月19日 10時00分 公開
[山口真弘,eBook USER]

製品概要

 NECが発売した電子ブックリーダー。当時販売されていたソニーのDATA Discmanシリーズがクラムシェル型だったのに対し、本製品は現行の電子書籍端末と同じストレート形状を採用していたのが特徴。本体の厚みこそあるものの、画面サイズは5.6インチと、現行製品と同等のサイズを確保している。

 電子書籍は3.5インチのフロッピーディスクで読み込む構造だが、ドライブは本体に内蔵されておらず、外付けのドライブを接続して転送する。このドライブは同社のPC-98シリーズとも互換性があり、PC-98に接続して電子書籍を楽しむことができるほか、PC-98で作成したテキストデータを転送して表示することも可能。

 コンテンツとしては一般的な電子書籍に加えてゲーム関連のコンテンツが用意され、中でも囲碁については人気を博した。電源は専用バッテリー、単3電池のほか、ACアダプタによる駆動にも対応している。約2年半販売されたのち、後継のDB-P2へとバトンタッチした。1994年のグッドデザイン賞受賞製品。

スペックで見る「DB-P1」

メーカー NEC
国内発売時期 1993年11月
発売時価格 2万9800円
専用/汎用 専用
OS MS-DOS
OSバージョン 3.10
サイズ(※最厚部) 130(幅)×169(奥行き)×30(高さ)ミリ
重量 約340グラム(単3電池込みで約430グラム)
解像度 320×400ドット
ディスプレイ 液晶
カラー/白黒 モノクロ
画面サイズ 5.6インチ
通信方式 なし
Bluetooth なし
内蔵ストレージ デジタルブック1冊分の容量
メモリカードスロット なし
バッテリ持続時間(メーカー公称値) 約4時間(アルカリ電池使用時)約2.5時間 (専用バッテリーパック使用時)
タッチ操作 非対応
対応フォーマット MS-DOSフォーマット
コネクタ FDD接続用専用コネクタ
電子書籍ストア なし
その他 オプションの専用フロッピーディスクユニットでデジタルブックを転送。接続キットを使用することでPC-9800シリーズからも転送可能
最終更新日:2014年8月18日

写真で見る「DB-P1」

右60度傾斜外観 ずんぐりとしたボディだが、画面サイズや比率などは現行の電子書籍端末に近い。もちろんタッチ操作には対応せず、画面下と右のボタンで操作する
本体を持った写真 前ページおよび次ページへの移動キーが画面右横にあるため、通常は右手で持つ形式になる
CDとの比較 画面サイズは5.6インチで、比率は5:4とやや独特

単体正面 正面。画面下段の左から上下左右キーと、機能、目次、取消の各キーが並ぶ
左側面 左側面。電源コネクタがある
右側面 右側面。スライド式の電源キーとストラップホールがある

上面 上面。FDDおよびPC-98との接続に使用するコネクタがカバーに覆われている。左端にあるのは液晶のコントラストの調整キー
底面 底面。特に端子類はない
裏面 裏面。中央に深めのスリットがあり、中央上にはリセット用ホールがある。下段は電池ボックス

単3電池×4本で駆動する。同サイズの専用バッテリーパックもオプションで用意された
カバーを開くと、FDDおよびPC-98との接続に使用するコネクタが現れる
外付けFDDを接続してフロッピーディスクから電子書籍コンテンツを転送する。本体に格納できる容量はおよそ1冊分

起動画面。MS-DOS ver 3.10の表示がある
コンテンツはフロッピーから転送する。既読位置をレジュームする機能も備える
日本語コンテンツを表示したところ。縦書き、横書きそれぞれに対応。フォントサイズは固定されている

ページ指定ジャンプのほか、検索、拡大、辞書検索、マーカーといった機能を備える。自動ページめくりなどの機能もある
ゲームコンテンツも多数用意され、なかでも囲碁および将棋関連は人気を博した

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