デート企画は無事終了しましたが、連載はもうちょっとだけ続きます。100回以降は新企画も。さてさて、今日はレイラから紹介するようです。
新緑が芽吹き始めたこの街に、メイドが営む私設図書館がありました。
そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。今日もお気に入りの1冊を持って、書架にメイドがやってきました。今日はレイラが本をおすすめするようですよ。
最近面白いRPG形式のアプリゲームを見つけてたのでお給仕の合間にちょっとずつ遊んでいるの。
まぁ、アプリゲームですか。
すごく面白いんだけど、ダンジョンの風景が全然代わり映えしなくてね。同じところをグルグル迷ってボスのいるところにたどりつけなかったから、攻略サイトで地図を見つけてやっとクリアすることが出来たわ。
最近はアプリゲームにも攻略サイトがあるんですねー。
そうなの。便利な世の中よね。10年くらい前だったら分厚い攻略本を本屋さんに買いに走ったものだけれど。
図書館ではあまり取り扱わない書籍ですが、今でも本屋さんでは色々な攻略本が販売されていますよね。
そうね。最近はすごく気に入ったゲームの、細かい情報まで全部知りたい時とかに攻略本を購入するわ。
レイラさんにとってゲームの攻略本はデータのコレクション的な意味合いが強いのかしら。
そうかも。だけどこれから紹介するゲームの攻略本はすごいわよ。ただのデータの集合体じゃないの。
マザー2! 1994年に発売された超名作ゲームですね。コマーシャルの「まーざつーまーざつー♪」という歌も耳に蘇ります。
20年以上も前の作品だけど、今でもコアなファンが多いのよね。そして何より個性的な攻略本がたくさん出ていたゲームなの。
各社からいろいろ出ますよね。速報性のあるもの、「大丈夫!」がキャッチコピーのもの……。
私が持っているファミコン版の書籍だけでも4冊あるわ。
4冊!
その中でもお勧めなのが今回の「ひみつのたからばこ」ね。
ちなみにマザー2のあらすじを一言でいうと?
12歳の少年が宇宙の破壊主ギーグから地球を救うため、仲間と一緒に世界中を冒険する、ちょっとアメリカンテイストな作品です。
世界中に散らばる「自分だけの場所」を探しに行くんですよね。
この攻略本ではね、一部のモンスター紹介を除いて、いわゆるゲーム画面の画像を全く使ってないの。
あ、本当ですね。町やダンジョンの地図が手描き風になっています。
この本の地図には3種類あって、白い紙にフリーハンドで描かれているのが主人公のネスの描いた地図、方眼紙と定規を使って描かれているのがネスの仲間のジェフが描いた地図、そして町の案内所で手に入れた市街地図。
わぁ、キャラクターによって違うテイスト! 手が込んでますね!
ストーリーのあらすじがネスの日記風に書いてあって、ここまで来ると攻略本っていうより児童書作品に近いんじゃないかと思ってしまうくらいなの。
そうですね。ゲームしてない人でもこれなら楽しめそう。
そして、ゲームの攻略本にしては異例ともいえる写真画像の多さがこの本の特徴ね。
ん? 画面のキャプチャは載ってないってさっき……あら! 旅行のガイドブックみたいにリアルな風景写真がたくさん載っていますね。
ネスのお家の写真とか、大都市フォーサイドにあるトポロ劇場、人気歌手ビーナスのサイン入りバナナとかリアルな写真で載ってるのがグッと来るのよね。
この写真って原作のゲーム風景にかなり近いんですか?
えぇ、とても。だから大好きなマザー2の世界がすごく身近に感じられるのよね。
好きなゲームの世界をこんな風に表現されたら、ますます好きになっちゃいそうです。
この本の最初に描かれている、ゲーム開発に関わった糸井重里さんの手描きコメントもすごく好きなの。「つまり、早い話がゲームのおもしろさってゲームの外側に山ほどつまってるはずで、ゲームは、その宝物を掘りだすシャベルみたいなものなんです。」
ゲーム機の電源を入れていないときも、ページを開けばそのおもしろさに触れていられるって、とっても素敵なゲーム、とっても素敵な本ですね!
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