(C)2008 『クライマーズ・ハイ』フィルムパートナーズ |
1985年8月12日、死者520名を出した日航機墜落事故。単独機事故としては世界最大、最悪の事故となった。当時、地元紙の社会部記者として事故の取材に当たった作家・横山秀夫が壮絶な体験を元に書き上げた「クライマーズ・ハイ」。2005年にNHKドラマ化されたが、原田眞人監督の手により映画化され、来年1月1日にいよいよBlu-ray Discで登場。
特典はメイキング映像、完成披露試写会や初日舞台挨拶、上野村特別試写の模様を収めた舞台挨拶映像集、もう1つの新聞社内、未公開シーン集、キャスト&スタッフ紹介、プロダクション・ノートなどを収録。初回特典として縮尺版プレスシートを封入している。
主人公は堤真一演じる悠木。ロック・クライミングに挑む現在と並行し、事故当時が交錯しながら描かれる。時代は85年にさかのぼり、北関東新聞記者である悠木は、翌日に谷川岳登頂に備え、早めに会社を出ようとしていた。その時、県警キャップの佐山が日航機不明情報を耳打ちする。やがて共同通信の日航機墜落速報が響き渡る。
全権デスクを任された悠木。背広姿で事故現場入りした記者とカメラマンが見た地獄絵図。携帯もネットもない時代、新聞社に記事を送るだけでも大変だ。現場を目の当たりにしたカメラマンはやがて精神に異常をきたす。地元で起きた大事故に、全国紙には負けられないと鼻息は荒いが、社内には悠木を快く思わない者、味方する者、意見が異なる者が存在し、どのような記事に仕上げるかという意見の対立は激化、彼は孤立していく。
「クライマーズ・ハイ」とは、登山の途中で夢中になるあまり、普段は冷静な人も我を忘れハイになって恐怖感が麻痺してしまう状態をいうのだという。
堤真一をはじめ、事故現場に潜入する記者を演じる堺雅人など、俳優はいずれも好演。彼らのハイテンションな演技と動き回るカメラ、激しいカット割りで、息苦しいほどの緊張感を味わうことになる。
いくつか手薄なエピソードもあるが、事故をセンセーショナルにとらえるのではなく、、新聞記者たちの報道に対する姿勢、人間関係をスリリングに描き145分という長さを感じさせない。映像の情報量が多いので、Blu-ray Discでじっくりと鑑賞してほしい。
関連サイト:http://climbershigh.gyao.jp/(公式サイト)
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