4Kと並んでソニーが重視しているのが「スマートフォン」と「ハイレゾ」の2つだ。スマートフォンのXperiaシリーズの最新モデルとなる「Xperia Z5」では2年ぶりにカメラモジュールを一新し、高画質な映像撮影が可能になったほか、新たに4Kディスプレイを搭載した「Premium」モデルを追加し、最新技術に興味を持つユーザーにスマートフォンでも4Kを訴求していく意向だ。Xperia Z5 Premiumの4Kは動画コンテンツと写真閲覧の2つの用途に限定した機能で、まだ世間のトレンドと比較すると早期での市場投入となるが、「他社に先駆けての先行投入」「感度の高いユーザーへの訴求」を全面に押し出す作戦だ。
比較的プレミアム性の高さを打ち出す4KテレビやXperiaに比べて、よりカジュアルで多くのユーザーを獲得すべくラインアップを拡大しているのがソニーのハイレゾ対応製品だ。今回は新たに「h.ear」という新ブランドを導入し、主に若者層に向けたターゲティングを行っている。ハイレゾ対応ウォークマンの安価なモデル(A10/A20シリーズ)に加え、オーバーイヤーとインイヤー、さらにノイズキャンセリング機能搭載の有無で計3種類のヘッドフォンを導入し、ウォークマンと合わせて5色のカラーバリエーションを展開した。展示スペースもそうしたカジュアルさやカラーバリエーションの豊富さが強調されており、来場者の目を楽しませている。
ハイレゾ対応ウォークマンでは、上位モデルの「NW-ZX100HN」も発表されているが、ブースではほかにもカーオーディオやデスクトップ向けの「CAS-1」などが紹介されていた。ハイレゾ音楽の利用シーンを増やすと同時にデザイン性にもこだわっているのが特徴。特に小型スピーカーについては、ヘッドフォンとの併用も想定されており、フルサイズのイヤフォンジャックが利用できる。さらにNFCのペアリングにより、LDACを使ったBluetoothストリーミングが利用できる。
4K、ハイレゾのどちらも“対応”だけでは既に当たり前で、市場拡大のためにはより幅広いユーザー層に訴求できる魅力が求められる。ソニーは、4Kテレビでデザイン性、ハイレゾではデザイン性に加えて利用シーンの拡大に着目して次の一手を打ってきた。もちろんデバイス本来の進化といえる画質や音質も忘れてはいないが、実際に狙ったユーザー層に受け入れられるのかはお手並み拝見といったところか。
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